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週末日記













2011年8月12日から16日

12日(金)
 後片付けを終えて、シャッターに貼り紙を貼る。明日から16日の火曜まで4連休を取ることにしたのだ。貼り紙を作るためにパソコン内のWord文書フォルダーを開けてみると、夏休みのお知らせのA4文書は、2003年に作ったものが最後。ということは、2004年から2010年までの7年間、特別に夏休み期間というものを設けていなかったわけだ。

 世の中、どこもなんで夏休みなんて取るのだろうという気がしていたし、店を開けていれば、それなりにお客さんも、いらしてくださっていた。もちろん普段に比べればお客さんの入りは少ないものの、開けなければ収入はゼロ。これが日銭商売の辛いところだ。

 それが、今年になったら気が変わってしまった。なんだかアクセク働く気がしなくなっちゃったのだよ。ただでさえ、この暑さが身体に応える年齢になってきたし。

 取りあえず仮眠を取ってから、[なか卯]で牛丼を食べて、また銀座シネパトスへ。このところすっかり梶芽衣子特集にハマっているのだ。『女囚さそり 第41雑居房』(1972)は伊藤俊也監督のシリーズ2作目。こちらも映像に仕掛けが多くて私は面白いと思ったのだが、悪く言う人は多かった。白石加代子とい女優を知ったのもこの映画が初めて。凄い人がいるものだと思い、その後、この人の出ている芝居を観に行ったのを憶えている。主題歌は『怨み節』以外にも『女の呪文』が流れる。こちらの方が私は好き。♪泣いて流した 女の涙を そっと河に 浮かべばさ 河は溢れて おかに溢れて 溢れ溢れて 男を溺れさす

 もう一本の『ジーンズブルース 明日なき無頼派』(1974)は中島貞夫監督作。アメリカン・ニューシネマの『俺たちに明日はない』や『明日に向かって撃て』の影響を受けたといわれる作品。というよりパクリじゃないの? タイトルにあるジーンズは誰も穿いてない。ブルースの方はどうかというと、音楽担当が井上忠夫(大輔)。さすがにわかっていたのだろう。曲がほとんどロックなのだ。演歌っぽいのもちょっとあったけど。もちろんロックだからブルースを基調にしているのもある。しかし映画自体はというと、アメリカン・ニューシネマがアウトローを楽しげに描いていたのに、こちらは暗いのだよ。

 帰宅22時30分。日付が変わってから眠りにつく。

13日(土)
 8時まで寝ている。コーヒーを淹れてポットに入れ、母のところにモーニング・コーヒーを届ける。

 洗濯、掃除をしてから、4連休だからWOWOWで録画しておいた映画でも観ることにして、『悪人』を観る。吉田修一の原作は読んでいて、妻夫木聡があの汚れ役を演るというのに驚いたが、見事に演じている。深津絵里は、もう適役でしょ。樹木希林も柄本明も、文句ないキャスティングだ。それにしても人間って存在そのものが悲しくなってくる話だ。

 昼過ぎに日本橋郵便局に郵便物を出しに行ったついでに、[味園酒家]で揚げ鶏肉の黒酢かけ(黒醋鶏条)850円。

 17時、グローブ座で『カンコンキン・シアター25 クドい! ド腐れB級アイドルには気をつけろ!』。第1部100分、第2部85分。例によって盛りだくさん。2年連続で観てみると、同じシチュエーションのコントが多い。それを年によってどのように見せるかということ。でもまあ、中身ときたら、テレビでは放送出来ないシモネタ、関根勤の別の面を見るような毒舌がズラリ。一種の秘密クラブ。「会場を出たら、今夜のことは忘れてください」との関根の言葉。詳しくは書けないよな。

 帰宅して、スーパーで買ってきた刺身と枝豆をサカナにビールを飲んで、ダラダラと遅くまで起きている。これも夏休みで好きにできるから。

14日(日)
 昼近くまで寝ている。コーヒーを淹れてトースト、ヨーグルト。

 15時に家を出て上野へ。夕食には早いが昼食には遅い食事を摂ろうと思いウロウロしていると[Who’s Foods]の看板が見える。ビルの7階だというのが気になったがエレベーターに乗って7階へ。「ひとりです」と言うと、「個室にご案内します」とのこと。ああ、そういう堅苦しい感じで入ったんじゃないんだけどと思ったが、もうあとの祭。通されたのが小さな仕切りのある小さなスペース。やたらと暗い。メニューを見て、ナシゴレンプレート980円を注文する。ついでに夏休みなんだからとビンタンビール650円を追加。会計はテーブルのベルを押してテーブルでの会計とのことなので、ベルを押す。嫌な予感がする。案の定、請求書は1930円なり。300円のテーブルチャージが付いていた。まっ、いいか、夏休みなんだもの。

 上野鈴本演芸場夜席。インターネットでチケットを取ったのだが、張り切り過ぎて、手にした指定券は最前列中央。こんなに前は嫌だー!

『強情灸』 柳家我太楼
曲独楽 三増紋之助
『初音の鼓』 春風亭正朝
漫才 ロケット団
『日和ちがい』 桂藤兵衛
『午後の保健室』 柳家喬太郎
粋曲 柳家小菊
『厩火事』 入船亭扇遊
〜仲入り〜
紙切り 林家正楽 線香花火、鈴虫、柳家喬太郎、長谷川平蔵
『寝床』 柳家権太楼
太神楽 鏡味仙三郎社中
『死神』 柳家さん喬

 さん喬の『死神』は、きちんと怪談になっていた。こんなに怖い死神は初めてだ。

 今夜も、ビールに鮭缶をツマミに、ダラダラと日付が変わるまで起きている。

15日(月)

 9時起床。コーヒーを淹れてポットに移し、途中のコンビニでロールケーキを買って母のところへ。ふたりでコーヒーとロールケーキを分け合い、しばし雑談。

 帰りがけに受付でケアマネージャーさんと話する。昨日はコーヒーを飲む会があったそうで、「おかあさん、コーヒーお好きですね。お代りしてらっしゃいました。甘いのはお嫌いでミルクも入れずにブラックで」とのこと。そうなんだよねえ。

 一旦帰宅して、夏休み明けの仕込み。まだ明日一日休みだが、きょうのうちにやっておかなければならないこともある。因果な商売なんだ。

 終わらせて、ブランチは[ロイヤルホスト]。海老とたまごのサラダパン714円と、冷製コーンポタージュ・スープ399円で、1113円。

 新宿へ出て、紀伊國屋ホール入口に13時前に立つ。ブラジル『さよなら また逢う日まで』の当日券を買う。開演まで一時間あるので、タワーレコードでCD一枚、紀伊國屋で文庫本一冊買う。

 『さよなら また逢う日まで』は、現金輸送車を襲う計画を立てた男女9人の物語。現金輸送車強盗になんでそんなに大人数が必要なのかわかんないのだけど、まっ、いいか。お決まりで『レザボアドッグ』よろしく仲間割れの物語になるのだが、うーん、こういう真相かあ。そういうのありやなしやというところ。舞台の照明が暗くて、ちょっと離れた座席に座っていると役者の表情がよく見えないのがねぇー。

 銀座へ出て、またまた銀座シネパトスの梶芽衣子二本立て。『仁義なき戦い 広島死闘篇』は、映画館、ビデオ、DVDと、これで5回目くらいか。何回観ても飽きない。脚本が素晴らしい。広島暴力団の抗争の歴史を軸にして、キチンと人間ドラマを書き込んでいる。2作目のこれは、菅原文太の広能は前面に出ず、北大路欣也の山中の物語。それにからむ靖子役の梶芽衣子がいい。それに何といっても忘れちゃいけないのが、大友役の千葉真一。この暴走ぶりは日本の映画史に残る。

 『女囚さそり けもの部屋』は伊藤俊也との3作目。冒頭の成田三樹夫との地下鉄内でのシーンは鮮烈だった。あとは、下水道に逃げ込んださそりに、渡辺やよいがマッチを擦って落とすシーン。きれいだったなあ。伊藤俊也版さそり三部作、公開当時に、それぞれ一回ずつしか観ていなかったが、けっこう憶えているものだねえ。もう40年ちかくも前だというのに。

 今夜もスーパーで惣菜とビールを買って、遅くまで起きている。

16日(火)
 四連休最終日。明日からまた仕事ということもあって一日何も予定を入れないでおいた。

 午前中は、店で必要な食材や日用品の買い物。書類仕事。

 昼は近所の[さくら水産]にランチを食べに行く。ここの店舗はランチを月曜から金曜までしかやっていないから、きょうは何が何でも、[さくら水産]だと心に決めていた。500円の日替わり定食は、ほっけか、とんかつだった。「ええーい!」と、150円も高い650円の刺身定食にする。ご飯、味噌汁、漬物、生卵、焼海苔、ふりかけが食べ放題。それにきょうは特別に炒飯まで食べ放題。もう少し若ければ、ガンガンお代りしただろうけど、もう無理はしません。

 午後は、元気いっぱいに、明日の仕込み。それにしても暑いなあ。

 15時に終える。汗だくの身体を水タオルで拭き,顔を洗ったら、猛烈にビールが飲みたくなってきた。まだ時間は早いが、いいだろう。夏休みだもん。冷蔵庫からビールを取り出して飲む。外では蝉が大合唱。

 中島みゆきの『あたいの夏休み』が聴きたくなって、『36.5℃』をかけて横になったら、そのうちに眠ってしまった。このアルバムが私には中島みゆきのベスト。いい曲がたくさん入っている。

 19時に目が覚め、スーパーに行ってレトルトカレー(ハウス・カレーマルシェ)を買って、残り物のご飯を温めて夕食。

 まだ寝るには早いので、WOWOWで録画しておいた映画を観ることにする。『ゾンビランド』。えっ、恋愛ドラマ?!

 これで、おいらの夏休みは終了。子供じゃないから、夏休みの宿題の心配はないからいいね。さあ、明日からまた仕事さ。

8月17日記

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