February.29,2000 下賀茂散歩

        考えてみたら[伊古奈]がすっかり気に入ってしまい、下賀茂の町をまるで見ていない。で、朝食を食べたあと散歩に出た。下賀茂の町というのは、青野川という川を挟んで広がっている。温泉町というよりは、農業を中心にしたのどかな町だ。温泉も湧いていて、温泉めあてに観光客も集まるといった風情。これといって特別風光明媚な景色があるというわけでもなく、名所旧跡があるというわけでもない。ひたすら、田圃や畑が広がっている。猥雑な温泉町となっていないところがいい。

        田圃は今、休耕田になっていている所があって、菜の花の栽培をしている。下田一帯は菜の花でまっ黄色。青野川のほとりにも菜の花がいくらでも咲いている。こりゃあ、しばらく金がなくなっても、ここの菜の花を摘んで食べていれば、なんとか生きていかれそう。

        上の画像の右上にチラッと写っているのは、桜の木。町ぐるみで川のほとりに早咲きの桜を植え、名物にしようということらしい。下田のちょっと手前の河津という町では、河津桜といって、やっぱり早咲きの桜として今や、すっかり有名。帰りの踊り子号の車窓から覗いたが、町全体がピンク色。町営の屋台が駅前にズラリ。人出も最高で、人でごった返している。おそらく河津をお手本に町を活性化しようということなのだろう。

        下賀茂の桜は私の訪れた2月上旬で、まだ二部咲き。


February.27,2000 ありがとうございました

        本日、明治座千秋楽。今月は若尾文子座長公演『妻たちの鹿鳴館』(原作山田風太郎『エドの舞踏会』)でした。出演者の皆様、お疲れさまでした。今月は淡島千景様、愛川欽也様、松村雄其様、坂口良子様、小島秀哉様、赤井紫様、上村香子様、吉村涼様、西成真理子様、石原舞子様、棟形寿恵様、三上直也様ほかの皆様から、出前の注文をいただき、楽屋までお届しました。まことにありがとうございました。

        三上直也さーん、突然に出演が決まっちゃって大変でしたね。いつもは蕎麦だったのに、今月はすっかり天丼にはまっちゃってましたね。ふふふふふ、当店の天丼の汁は2年ほど前から、ちょっと改良しちゃって、おいしくなったのですよ。作り方は企業秘密。ちょっと癖になる味でしょ。また明治座にご出演の時はよろしく。


February.22,2000 伊古奈の風呂

        [伊古奈]の風呂には、まず24時間入れる大浴場がある。午前一時で男風呂と女風呂が入れ替え。最初に男風呂だった方が天井が高くて気分がいい。ここは昔の銭湯のように、高い天井になっている。どちらも、露天風呂つき。垣根から椿の花がのぞいていた。そしてなんといっても湯質がいい。舐めてみるとしょっぱい。芯からあったまる、いい湯なのだ。塩分が肌によさそうだ。おもわず、「ババンバ、バン、バン、バン」とドリフターズの歌が口をつく。

        露天風呂には、迷路のような廊下をぬけ、一端ゲタに履き替えて、カラコロカラコロと歩道を歩いて、ちょっと小高くなったところへ。男女別れた緑の中の露天風呂がある。快適快適。宿について一番にすっ飛んでいったら、誰も入っていなかった。極楽極楽。昼間もいいが、夜は夜でライトアップされて、これまたきれい。

        これだけではないのだ。どうせ[伊古奈]に泊まるんだからと、少々奮発して椿殿という建物に泊まったのだが、椿殿に泊まった人だけの専用家族露天風呂がふたつある。ふたつともデザインを変えてあって、それぞれ新鮮な気分で入れる。このひとつだけでも、ちょっとした旅館の露天風呂くらいの大きさは十分にある。ここは、入口に中からカギをかけられるから、もうまさに自分だけの世界。ここもまた夜はライトアップされていい気分。

        さらに、極めつけが用意されている。部屋にも内風呂がついているのは当たり前。なんと、その内風呂からも、また専用庭からも行かれる、一人用の露天風呂がついているのだ。

        

        常に、熱い温泉がちょろちょろと流れているので、冬だというのに冷めていない。むしろ熱い。水を大量に入れてうめないと入れない。全ての風呂に入って試してみたものの、なんとこの一人用露天風呂がもっとも気に入った。何ていうんでしょう、これが一番落ち着くんですよ。大きな露天風呂もいいんだけれど、落ち着かないというか座りが悪いというか、いまいちのんびりできない。

        この風呂に入って、ボンヤリとしていた。周りには、さまざまな木が植えられ、さまざまな鳥が入れ替わり立ち代りやって来ては、きれいな声を聴かせて、また飛び立っていく。仕事のこともホームページのことも忘れ、何もかもどうでもいいから、もう何日かここでジッとしていたかった。チェック・アウトの時間ギリギリまで、またこの湯につかり名残を惜しむ。この一人用露天風呂に入るだけでも、ここに泊まった価値があった。


February.19,2000 下賀茂温泉 伊古奈

        終着駅下田で踊り子号を降りて、車で20分。下賀茂温泉に向かった。

        一昨年の夏、店で働いている勝っちゃんが2泊3日でここの[南楽]という旅館に泊まったときのことだ。一日目の夕食を済ませて、のんびりとくつろいでいた時、突然に停電した。午後8時だった。そのうちに点くだろうと思っていたが、なかなか電気が点かない。大きな鉄塔の送電線が切れたためで、おかげで旅館中真っ暗。部屋や廊下はロウソクだらけ。不気味だったらない。なんとこの停電、翌日の午後8時まで続くことになる。

        まさか復旧に24時間かかるとは思わず、そのまま泊まり続けたそうだが、夏だというのに、エアコンは止まったまんまで、猛烈に暑い。エレベーターは使えない。トイレも流れない。肝心の温泉も電気がなくては汲み上げられず、汚くてぬるくなってしまう。食事は作れないから、下田の業者に頼んだ仕出し弁当。半狂乱の宿の女将が、「冷蔵庫の中のものは無料にしますから、どうぞ飲んでください」と言ってくれるのだが、生ぬるくなってしまったビールは飲む気にもなれない。「散々でしたよ」と語る勝っちゃんだが、「とてもいい湯なんですよ」と言う。

        一方で、この下賀茂にある、[伊古奈]という旅館に以前から関心があった。とてもいい旅館だという評判を何回も耳にしている。一度泊まってみたいものだと思っていた。よし、思い切って行ってみよう。両親をときたま温泉旅行に連れていっている私は、今回[伊古奈]に泊まることに決めた。

        さすが、評判の旅館である。前庭を通って奥まったところにある玄関は、派手ではないが落ち着いたたたずまいだ。高級そうという雰囲気が漂っている。部屋へ通される。12畳半と7畳半の二間。椅子とテーブルのついたテラス。庭つきだ。部屋には高そうな壷が置いてあったりする。建材も新建材はほとんど使っていない。総檜作り。さすがに、窓や、庭に降りる戸はサッシだが、これは機能性からいったら仕方なかったのだろう。

        建物の周りには、木や草花がびっしりと植えられている。今は、白梅と紅梅、それに椿がきれいだ。建物の裏側は山になっていて、そこも[伊古奈]の敷地。昨年の夏に泊まったという知り合いは、蛍がきれいだったという。旅館内のクラブで飲んでいたら、窓の外に狸が顔を出したという。

        泊まってよかった。次回はここの風呂について書くが、これがまた凄いのだ。


February.15,2000 宴会列車

        観光地へ向かう列車に乗ると、小人数の団体客の乗った車両に乗り合わせてしまうことがある。こういった連中は、まず大抵の場合うるさい。久しぶりに会ったのだろう、大人の場合など一瞬にして、その場が居酒屋と化してしまう。携帯電話を非難する前に、こういった人達を何とかしてほしい。列車の中は、パブリック・スペースだということを、こういった人達はわかっていない。列車内で、子供が騒いでいると「静かにしなさい」と注意するくせに、自分達のことになるともう忘れて、客観性がなくなってしまう。『大人気ない』という言葉はこういう時に使いたい。

        もっとも去年の夏に日光へ行ったときに乗り合わせたのは、家族連れ。6〜7人だった。子供が2人いて、男の子と女の子。男の子はしきりに宇宙銃のおもちゃで自分の世界に入っちゃっている。女の子の方は、紙に絵を描いていた。大人たちは、酒が入って大盛り上がり大会。何がうれしいのか大声ではしゃぎまくっている。

        やがて女の子が絵を描き上げて、その絵がよっぽど気に入ったか可笑しかったかしたのだろう、男の子に絵を見てくれとせがんでいる。「ねえ、お兄ちゃん、見て。見てよ。ねえ、お兄ちゃん、お兄ちゃんてばあ、見てよー。お兄ちゃん、見てー。見てってばー。お兄ちゃーん。ねえ、見て見て」。お兄ちゃん見てあげなさーい。見てあげれば気が済んだからー。これが、延々と続いているのだ。

        そのうちに宇宙銃を持ったお兄ちゃんが車内を駆け回る。それを妹が追っかける。それでも親は注意を与えない。どうなっているんだ。その次は、ちいさなキーボードの玩具を女の子が持ち出し、ビアノの練習。あたしゃ、ついに切れました。といっても、笑顔を浮かべて近づき、「すみませんが、この車両はごらんのように満員です。他のお客様もおいでですので、楽器はご遠慮願えないでしょうか?」。言ってみるものですね。なんだか、おっかない顔の父親でしたが、それ以来静かにしてくれた。といっても、親は飲み疲れて寝てしまったのであり、子供達ははしゃぎ疲れて眠ってしまったのだ。

        指定席って善し悪しがある。周りにどんな人たちがいるかわからない。もう逃げようがない。目的地に着くまで決められた席で、じっとしていなければならない。先週、踊り子号で下田へ一泊二日の温泉旅行に行ってきた。いたんですよ、また。私のすぐ後ろ。通路を挟んだふたつのボックスを占拠した50代の女性8人組。もう乗ったときから遠足気分。そりゃあ、わかりますがね。2時間半、大きな声でしゃべりっぱなし。『女三人寄れば姦しい』とはよく言ったもの。8人である。女性の声は高いから、やたらに耳につく。しかもよく笑う。ほとんど何がおかしいのかわからないことにでも笑う。若い女性は箸が転がっても笑うというが、キャッキャッとまだ可愛げがある。おばさま達は、ギャハハハ、ガハハハとお笑いになる。これがやたらと耳障り。しかものべつ幕なしに、何かものを食べている。旅館に着いても夕食食べられるのかしら。

        おかげで、普段なかなか読めない本を読もうと楽しみにしていた私だったが、途中で放棄。ぼんやりと車窓の風景を眺めていた。帰りの踊り子号にも、女性の集団がいたが、今度は静か。一晩話まくって、話題がひとめぐりしたのか、しゃべり疲れのか、おかげで私は静かな読書空間を手に入れる入れることができた。


February.11,2000 ねとねとした歯磨きチューブ

        ニューヨークのドラッグ・ストアで買ったもの、その3。これで終わりだけど。

        旅行に出るときは、なるべく身軽で行く。大きなトランクを引きずって旅行にする気にならない。大抵、小さなバッグひとつ。それが私の旅行のスタイル。中はといえば、ほとんどが本。旅行中に退屈しないように、まず読みきれないだろうという量の本が入っている。それにガイド・ブック。一種類では気がすまず、何冊も入っている。あと必要なものは、現地で買えばいいというのが私の考え。着替えの服なども現地で買う。そうやって買った服など、持ちかえって、たまに着てみると旅行中のことが思い出されて楽しい。

        海外旅行に出て、まず一番に買うのが歯ブラシと歯磨きチューブ。その国によって、日本では考えもつかない味の歯磨きチューブがあるから楽しい。持ち帰っても、しばらく楽しめる。もっとも、家の人間に使ってみろと言っても、「なにこれ、気持ち悪い味ー!」と言われるのがオチで、自分ひとりで楽しんでいる。

        ニューヨークでも、さっそくドラッグ・ストアで歯ブラシと歯磨きチューブを買った。歯ブラシにチューブからペーストを出し、口に入れ磨きだす。「んっ!?」、何かねとねとしている。歯磨きチューブをよく見る。げげっ、こりゃ、入歯固定ペーストだあー! あわてて口から出す。歯には入歯固定ペーストがベッタリ。手でつまみ出そうとするのだが、なかなかくっついたペーストは剥がれない。かくてその日は口の中が一日中ベトベトして気持ち悪いたらなかった。よく確かめて買おう歯磨きチューブ。


February.9,2000 睡眠薬

        前回のつづき。5年前にニューヨークのドラッグ・ストアで買った薬の話。

        この時、私はひどい時差ぼけに悩まされた。夜まったく眠れないのだ。昼も眠れなかったから、ほとんど不眠症状態。こんな経験は後にも先にもこの時だけ。なにしろ酒を飲めば、どんな所でも眠れる自信があったのだが、いくら飲んでも眠れないのだ。確実に自分の酒量の限界を超えて飲んでいる。翌日の二日酔いは確実と思われるほど飲んでいるのだ。それでも眠れない。羊を数え出す。「め〜え、め〜え」とうるさい。ますます、眠れなくなる。こうなったらと、その羊とっ捕まえてジンギスカンにして食べてやった。お腹いっぱいになって眠れるかと思ったら、やはり眠れない。

        映画『タクシー・ドライバー』のように、ニュー・ヨークという街は人を不眠症にするのだろうか? あきらめてバス・ルームでシャワーを浴びる。姿見の前でデニーロの真似をして、「俺に言ってるのか?」 回りを見まわし、「他に誰もいないよな」というジェスチャーをして、「俺にか?」 拳銃を取り出す真似をしてバーン。だめだあ、眠れねえ。もうこの街で、ナイト・シフトのタクシー・ドライバーでもやるかと思った。

        三日間この調子で、参ってしまった私は薬の力にすがることにした。もともと、風邪薬などを飲むと猛烈に眠くて仕方なくる体質なのだ。乗り物酔いの薬でも、痒み止めでも、花粉症の薬でも同様。ドラッグ・ストアで風邪薬でも買おうかと思った。なにせドラッグ・ストアで、「睡眠薬ください」とは言えないだろう。そういうのは、医師の処方箋が必要だと思ったからだ。ところがドラッグ・ストアをうろついていたら、なんとカウンターの上に、こんな物が置いてあった。

        我が目を疑った。睡眠薬だ。売ってくれるのだろうか? そっと店員に差し出す。店員、何事もないようにレジを打ち、代金を請求してくる。かくてその夜は、朝までぐっすりと眠ることができた。日本へ持って帰ってきたが、その後眠れなくて困ると言う事態は一度もなく、眠くて眠くて仕方ないという毎日ばかりつづいている。朝から眠くて困ったとき、眠くなくなる薬はないものかと思うのだが、これがないんですね。いいのないですか? と言うと、覚せい剤持ってこられそうだから、やーめた。


February.5,2000 アスピリン

        歯が痛くてたまらなくなった。薬箱を引っ掻き回したら、アスピリンが出てきた。これ5年前にニューヨークへ行ったときに、ドラッグ・ストアで目にして、買ったもの。別に頭が痛かったとか、歯が痛かったとかってわけではなかったんですがね。憧れていたんですよ、アスピリン。だって、アメリカの小説を読んだり、映画を見たりすると、よくアスピリンを飲むシーンが出てくるでしょ。もうアメリカ人ときたら、ちょっと体の調子がおかしいと、すぐアスピリンだ。頭が痛むと言ってはアスピリン。風邪をひいたと言ってはアスピリン。二日酔いだと言ってはアスピリン。アスピリンって万能薬なのだろうか?

        もう5年も前のものだから、とっくに賞味期限切れ(正しくは有効期限切れだけど、うちではすべて、こう呼ぶ)。でも飲んだら、歯の痛みは治まった。只今、パソコンの横に置いてある。毎日のようにパソコンにバカにされている私だもの、頭痛くなったら、賞味期限切れのアスピリン飲みながら、このホーム・ページを作っていこうと思っている。

        ちなみに、アスピリンの蓋って、ものすごく硬い。生半可な力では開けられない。アメリカ人ってそんなに力が強いのだろうかと思ったのだが、最近気がついた。これはきっと、子供が悪戯して飲まないようにと、わざわざ硬くしてあるに違いない。


February.1,2000 重いテーマを笑いで見せた傑作

        小宮孝泰演出の、星屑の会小宮派公演『人生悲喜劇案内』(下北沢OFF・OFFシアター)、千秋楽夜の部へ当日券で見に行った。桟敷席。狭い空間の地べたに腰をおろす。若い頃、よくアングラ演劇を見に行って窮屈な思いで舞台を見つめていたっけ。さすがに歳を取ると、つらい。

        しかし、舞台にどんどんと惹きつけられていってしまった。新婚3ヶ月の家庭。岡部一郎(大出勉)は結婚相談所の紹介で道子(野村忍)と結婚して幸せだった。しかし、ひとつ問題が。道子は新興宗教に入信していたのだった。一郎は何とか、道子に目を覚ましてほしいと教祖(築出静夫)を呼んで話をする。チラシはなぜか小津安二郎風だし、テーマからみてもシリアスなドラマかと思っていたら、きわめて良く出来たコメディだった。登場人物4人。私、このくらいの人数で演る芝居が一番好きだ。

        一郎は宗教は信じていないが、関心はある。そうでした、私も若い頃は、キリスト教に入信させようとする友人や、創価学会に入っている伯父と激しく論争をしたことがあったっけ。一郎は次々と教祖の矛盾や怪しげな過去を暴きたて、攻撃する。しかし、道子の気持ちは変わらない。

        そうなんですよね。宗教を信じている人に信じるなと言ったところで無駄。もう論理の問題じゃないのだ。その人を攻撃することによって、相手を深く傷つけてしまうだけ。そのことに気がついてから、私はもう信者と論争することは止めた。しかし、入信を薦めて来られるのも迷惑ですよね。

        教祖を暴くことによって、妻を自分の方へ引き寄せようとすることが、逆効果になっていってしまう。道子はついに逆ギレ。「そうよ、神なんていない。あなたと結婚したんだって、相談所から紹介されて私も高望みできる歳じゃないって妥協して結婚したのよ。もうおしまいね。さよなら」と言い残して家を出ていってしまう。

        なんであれ、人を傷つけてはいけない。宗教を信じている人も信じていない人も。最近思うんですよ。私、無信仰ですが、世の中最近あまりに殺伐としていませんか? 神なんて信じなくてもいいけれど、宗教の思想っていいこと言っていると思う。欲ばかり先行しちゃって心の中の優しさを忘れちゃっている。

        1時間半大いに笑って、終わった後様々なことを考えながら家路についた。いい芝居を見た。

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