July.25,2004 釣銭
現金商売をしていると、釣銭というものが必要になる。
ウチの場合、入ってくる金種で多いのが、お札だと千円札と一万円札。五千円札は入ってくるのと出て行くのが、ほぼ同じペース。やや出て行くのが多いか。二千円札も入ってくる。だが、このお札は以前にも書いたように、お客さんへの釣銭としては使えない(ヘンな状況なのだが)。硬貨だと圧倒的に百円玉が出て行く。五十円玉も出て行く。五百円玉は入ってきてしまって増えていく。商品の単位を五十円で切っているので、十円玉、五円玉、一円玉は不要なのだが、お客さんが財布の小銭の整理に使っていくから、これも増えてしまう。
一万円札、千円札は銀行のATMで預金する。問題は百円玉と五十円玉である。どんどん出て行くから、釣銭として用意しておく必要がある。このために毎日のように銀行へ行き、自動両替機で百円玉と五十円玉を取り出していた。それがある日のこと、いつものように両替機を使おうとしたら、女性行員が申し訳なさそうな顔をして両替機の前に立っているではないか。彼女は一枚の書類を差し出し、「今度から両替には一定の手数料をいただく事になりました」と言うではないか。
ぬわにぃ〜! 両替に手数料だとおぅ〜! かつての銀行では考えられない事態である。印刷物を見た私の口から、「ええーっ!? ぼったくりじゃん!!」という言葉が自然と出てしまった。恐縮している女性。彼女にはなんの罪もないのだが・・・・・。
両替カードなるものが発行され、一日50枚までは無料。それ以上は有料とのことである。つまり、例えば、うちで一番出て行く百円玉50枚、五千円分は無料というわけである。とりあえず毎朝、前日の売上を銀行に預けに行くついでに百円玉50枚は無料で両替することに決めた。もっとも、これでも焼け石に水。百円玉はまだまだ足りない。
それで、自分でお金を使うときには極力百円玉を使わないようにするようになった。使うのは主に千円札にしてお釣りを貰う。十円玉以下の小銭は貯まる一方だから端数はこれを使う。
やっかいなのが、例によって二千円札である。これは釣銭としては使えないから自分で千円札二枚と交換して個人的に使う。これを使う時がまた厄介だ。そーっと二千円札を差し出すと、どうも相手が嫌がっているのが感じられる。中には笑ったりする店員もいる。困ったなあと思っていたら、最近ようやく二千円札が使える自動販売機が登場した。主にJRや地下鉄のキップの自動販売機である。相手は機械だから、こちらはなんの遠慮をすることもない。160円のキップを買うのに二千円札一枚と、十円玉6枚を投入してお釣を貰う。シメシメ。
これに味をしめ、清涼飲料水などはもっぱら自動販売機で買うようになった。120円の缶コーヒーを買うのに千円札1枚と十円玉2枚を投入すると、百円玉9枚がゲットできることもある。先日のこと、いつものように私は120円の缶コーヒーを買おうと五百円玉1枚と十円玉2枚を投入。お目当ての缶コーヒーのボタンを押した。缶コーヒーがゴトンと落ちてくる音と共に、ガシャンガシャンと釣銭が落ちてくる音がする。ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン・・・・・・ ? いつまでも釣銭が落ちてくる音が止まない。機械が壊れたのかと思った。こりゃあ自販機のやつ、釣銭間違えてやがる。スロットマシーンの当たりのようにいつまでも落ちてくるコインの音が止んだ。返却口に手を突っ込んだ私は驚いた。私の手には百円玉2枚と、十円玉20枚があった。・・・・・そりゃあないよなあ。