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蕎麦湯ぶれいく

海峯楼

2016年5月29日

 [海峯楼]は、熱海駅から10分ほどのところ。東急インの先の三叉路の一番右側、狭い坂道を登ったところにあった。宿から、駅まで車で迎えに行きましょうと言われたので、「ブラブラ歩いて行きます」と答えたら、「坂がキツいですよ」と言われてしまった。でもまだこの程度の坂で音を上げるようなトシじゃない。

 エントランスから入って行こうとしたら、「お待ちしていました」と出迎えてくれた。ロビーに通されて、ウェルカムドリンクの、ゆず酢をいただく。冷たく冷えていておいしい。3時間半も熱海市内を歩き回ってきたあとだし、今日は暑くて汗をかいたから、この飲み物はありがたい。宿泊カードに記入して宿の人の説明を聞く。この建物はバンダイの社長さんの所有物で、一時期は会員制の施設なのだったとか。それが今は一般に開放され、同じ熱海の宿[ふふ]が運営を引き受けているらしい。

 夕食や朝食の時間を決めた後で部屋に案内された。本当は露天風呂付きの広い部屋に泊まりたいところだけれど、7万円台となると、さすがに手が出ない。3万円程度で泊まれる部屋を早めに予約しておいた。何しろあっという間に先の予約まで決まってしまう人気の宿なのだ。

 高い方の部屋はウォーターバルコニーがあったりして、もっと豪華らしいのだが、私はこの部屋で充分。全面ガラス張りの部屋は開放感でいっぱい。

 少し建物のなかを探検。ロビーも全面ガラス張りの大きな窓だったけれど、この建物自体ガラスを基調に作られている。ガラスの階段を上っていくと、ネットでみたガラスの部屋が現れた。四方八方すべてがガラス。そしてガラスのテーブルにガラスの椅子。その外のバルコニーには常に水が流れているという異次元空間。この建物を見たくて見学に来る人も多いそうだ。しかしせっかくだから、ここに泊まってみてほしいなぁ。予約を取るのは少し大変だけど。

 お風呂は一つしかなく、全四室の宿泊客が貸し切りで交代に入ることになる。夕食までの時間はもう埋まっていたので、部屋のバスルームの湯船にお湯を張り、そこに浸かる。これは温泉ではないが、汗をかいて歩いてきて疲れた身体には気持ちがいい。ぬるめの湯にして、ゆったりとくつろぐ。

 風呂から上がって、部屋の冷蔵庫から瓶ビール(アサヒプレミアム・無料)を出してきて飲む。湯上りのビール。これに敵うやつがいたら、連れて来い!

 18時夕食。ロビー横のダイニングで。
 前菜 とり貝炙りと金時草のお浸し、ジュンサイ酢長芋昆布〆、キャベツと帆立の梅肉ジュレ掛け、田芹と蛍烏賊の白和え、鴨ロース塩蒸し、セロリと牛蒡アチャラ浸け、牛蒡カステラ、金目鯛の酒盗バター焼き、オクラ香煎り揚げ。どれもきれいだし、おいしい。特に気に入ってしまったのは牛蒡カステラ。牛蒡カステラって何だ? と思ったがその通りの味。それと金目鯛の酒盗バター焼きのおいしさには恐れ入った。

 お椀 えんどう豆葛豆腐、蛤真丈のすまし仕立て

 お造り 本鮪、あおりいか、鯛の粽寿司、金目鯛の握り、水茄子ねぎ味噌。鮪をお好みでカラシマヨネーズかにんにく醤油で食べてみてくださいと言われてびっくり。せっかくの本鮪をカラシマヨネーズ?と恐る恐る口にしてみたら、これがおいしいの! マヨネーズも自家製らしくて、刺身って別に醤油に囚われる必要なんてないんだなぁと思いましたね。

 焼物 丸茄子の海老味噌焼き、アスパラ、揚げ湯葉

 強肴 黒毛和牛香味鍋。トマトが入っているのを潰してから食べてくださいとのこと。酸味がとてもいいアクセントになっていた。牛肉もトロトロ。

 食事 新茶ご飯釜炊き、赤だし、穴子の天ぷら、もうお腹がいっぱいだと言ったら、夜食にと、おにぎりにしてくれた。

 水菓子 枇杷、キャベツアイス、柑橘ジュレ。

 甘味 よもぎ安倍川餅

 熱海の地ビール、静岡の地酒とともに全ておいしくいただきました。ごちそうさまでした。

 交代制の貸切風呂。夕食後と翌朝に予約をして入った。露天風呂はないけれど、ここも全面ガラス張りの開放感のある温泉風呂。贅沢な気分に浸れた、けっこうなお風呂でした。

 この建物に泊まれて、あの貸切風呂とあの料理なら、決して高い値段ではなかった。一度は泊まってみたいと思っていたが、泊まってみて本当によかった。

6月1日記





















静かなお喋り 5月29日

静かなお喋り

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