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蕎麦湯ぶれいく

奥四万湖一周

2016年10月12日

 高速バスは温泉口、山口地区を通って四万グランドホテルの前で停まった。まだ12時だ。宿のチェックインは14時からだから暇を潰さなければならない。四万温泉は四万川沿いに点在する温泉地。その上流には四万川ダムがあり、そこは奥四万湖と呼ばれる人造湖になっている。この奥四万湖は一周4km。ここをグルっと歩いて一周してみようというのが今日の予定。

 地図を頼りに、さあてどっちへ行けばいいのか考えていたら、土産物屋のなかに猫の姿が見えたので入ってみた。もうだいぶ年寄りの猫だが店に入るとこちらに寄って来た。てっきりこの店の飼い猫だと思っていたら、ここから離れた地区にいる猫で、どうやら迷い込んできたらしいとのこと。どうやら散歩に出て迷子になったらしい。こっちに近づいてきたのも、どうやら途方に暮れて助けを求めてのことだったようだ。猫は店内をしばらくうろついて、出て行ってしまった。なんとなく「どうしたらいいんだ」という佇まいの猫さんの後ろ姿。

 土産物屋を出て歩き始めるとすぐに、あの『千と千尋の神隠し』のモデルになった宿の[積善館]の前に出た。営業はしているが、残念ながら現在、屋根の修復工事中で足場が組まれている写真しか撮れなかった。そこから反対方向へ行くと狭くて古い飲食店街。懐かしいスマートボールのお店なんかもある。

 今夜泊まる宿がある、ゆずりは地区を越え、ひなたみ橋を渡って右折。目の前にドーンと四万川ダムの偉容が見えてきた。ここを左に回り込むように坂を登っていくと、ダムの上に出た。

 ダムの上に立って下をのぞき込むと足が竦む思い。私は別に高所恐怖症ではなかったのだが、トシと共に高いところが苦手になってきた。足腰が弱くなってきて踏ん張りが利かなくなったのと、手術以来、身体のバランスが悪くなったのがその原因らしい。

 ダムの端から端まで歩き、そこから左回りで奥四万湖を一周する。車もときどき通るには通るが、ほとんど走ってないと言っていい。歩き安いいい道だ。途中いなづつみせせらぎ公園というところで湖近くまで降りる。人もいないし、ぼんやりするにはいいところだ。10月中旬とあって、まだ紅葉には早いが、それでもチラホラと色づき始めている。今月下旬から来月にかけては、さぞ鮮やかな景色になるのだろうが、そのころは人もいっぱいだろう。

 ゆっくり歩いて一周し、今夜の宿に向かった。

10月14日記





















静かなお喋り 10月12日

静かなお喋り

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