丹沢湖 2016年11月17日 宿の送迎車に玄倉(くろくら)で降ろしてもらう。 丹沢湖は、昨日も送迎車の車窓からも見えたが、湖畔にモミジがたくさん植えられていて真っ赤に色づいている。別に意識的にこの時期を選んで来たわけではない。だいたいこんなにモミジが植わっているなんて思いもしなかった。しかしそれにしてもなんと壮観な景色だろう。今までこの五年間、毎年秋に旅行に出てきたが、こんなにモミジで真っ赤な場所には行ったことがない。 玄倉からは、ほとんどの人はユージン渓谷方面へ行くが、私の目的は丹沢湖散策。玄倉から丹沢湖の北側の道を歩く。一応、自動車道だがクルマはそれほど走っていない。丹沢湖は周囲にグルリと道が出来ていて、どこからでも湖が見渡せる。一周するには最適な湖。今月の最終日曜には丹沢湖ハーフマラソン大会も開かれるのだとか。私は今回一周はせず、途中まで歩いて帰ることにした。 丹沢湖というのは、日光や箱根といった有名な観光地でもないせいもあって観光客がやってこないので空いている。東京近郊の穴場スポットかもしれない。歩き出しても擦れ違う人もほとんどなし。のんびり歩いたが追い越していく人もなし。クルマで来て、とこどころで駐めて写真を撮っている人はいたが。道には意識的に植えられたモミジもあってモミジ街道の様相だが、なかにはポツンポツンと自然に植わっているモミジもある。これだけのモミジを見られるというのは贅沢な気分になる。 人がだいぶいるなと思ったところに、千代の沢展望台があった。下の駐車場にたくさんクルマが駐っている。みなさんクルマで来て、ここから展望台へ登っているのだろう。展望台まではけっこうキツい山道。「勘弁しろよ」と思い始めたころに展望台に着いた。ここからは丹沢湖と富士山が一望のもとに眺められる・・・はずなのだが、富士山は残念ながら雲に隠れてしまっていた。一応なんとか富士山のてっぺんが雲の上にうっすらと出ている写真を撮ったのだが、わかるだろうか? 千代の沢展望台を降りて、丹沢湖のシンボル永歳橋に向かって歩いていると、「あれ? これ、桜?」という花が木に咲いていた。冬桜だそうだ。10月から1月にかけて咲く桜。初めて見た。 永歳橋は渡らず、トンネルを抜けて丹沢湖西岸を目指す。こちら側に来るとクルマはさらに減った。モミジもほとんど植えられておらず東側のような派手さはないが、落ち着いた心地よい散歩道。西の世附川橋を渡って南に回り込む。回り込んだところでは土砂を掘り起こす工事をしていて、ダンプがひっきりなしに通る。「いやだな」と思ってしばらく歩いていたら、工事区間は短くて、ダンプの姿も見えなくなった。 トンネルを抜け、世附大橋を渡ってくる道と交差したところからは車両通行止め。クルマも通らない道を悠々と歩く。つまり現在、クルマでは丹沢湖は一周できないんだね。 三俣ダム到着。ここで今日の行程は終了。帰りのバスはネットで調べておいた。谷峨行きが丹沢湖バス停に15時01分に来る。と、あれ? バス停にバスが駐っているぞ。どこ行きのバスだ? そうしたらバスは動き出してしまった。バスの側面に掲示された文字を見ると、なんとなんと、谷峨、山北を経由していくバス。え〜、どういうことだ? あとでよく調べたら、これはどうやら不定期運行の14時21分のバスだったようだ。悔しいなぁ。これなら山北まで行かれたのに〜。 次のバスまでは40分ある。どこかでコーヒーが飲めないかと歩いていたら、そば屋を発見。そばを食べるほどお腹は空いてないのだが・・・と思ったら、コーヒーと書かれた幟が立っている。コーヒーも飲めるんだ。なかに入ってコーヒーと自家製だというチーズケーキを頼む。コーヒーは優しい味。チーズケーキもおいしかった。疲れた身体には、大のごちそうだった。 代金を払らって外に出たら、昨日からよく見かける木になっている大きな果物のようなものを売っていた。「おにゆず」だそうだ。食べられるが、ゆず湯に使うことが多いんだとか。 定刻を少し遅れて到着したバスに乗り込む。途中、玄倉を経由。やはりユージン渓谷に行ったらしいハイカーたちがドッと乗ってくる。 谷峨は無人駅。どこにもキップは売ってない。どうやって乗るんだろう? 梨木温泉に行くときに使った、わたらせ渓谷鉄道みたいに車掌が廻ってくるのだろうと乗り込む。やはり車掌が来たので「東京まで買えますか?」と言ったら買えると言う。代金を払ったらピラピラの領収証のようなものをくれた。これで本当にキップなの? 国府津16時35分。9分の待ち合わせで、16時44分の東海道線で東京へ。ホームの自販機で Suica にグリーン券を買う。客室係が来たので、「ビールはありますか?」と訊いたら、あるというので缶ビールを購入。れで今回の旅も終了。お疲れ様でした。 11月20日記 |