秋元中津川渓谷 2015年9月30日 6時に目が覚めて温泉に。さすがにこの季節になると、朝の6時の露天は寒い。 これですっかり目が覚めたかというと、寝床の誘惑には敵わない。ここは会津。民謡『会津磐梯山』の合いの手で歌われる、朝寝、朝酒、朝湯が大好きなことで有名な小原庄助の生まれた所だ。堂々と朝寝、朝湯をいたしましょ。 惰眠のいかに気持ちいいことよ。それに、最近の宿の寝具って、どうしてこうも寝心地がいいのか。いっそのこと私の部屋のベッドも買い換えようか。いや、そんなことしたら、それこそ毎日小原庄助になってしまう。たまにこういうところに泊まって朝寝、朝湯をするのが、丁度いいのかもしれない。朝酒は・・・やめとこう。 朝食前にお庭の散歩。このホテルの庭には沼があって、その周りを遊歩道が取り囲んでいる。この沼というのが沼というには透明度がいい沼で、底まできれいに見える。置いてある椅子に座ってのんびりと沼を眺めるもよし、沼の周りを歩くのもよし。自然のまま、あまり手を入れてないのが返って気持ちいい、自然を味わえる庭になっている。周りの道も青い苔が生え、これがなんとも気持ちのいい苔だ。京都の苔寺が整備され過ぎてしまった庭だとすると、こちらは適度に自然を残した庭。朝の散歩には打って付けと言っていい。 8時になったのでダイニングへ。 朝のメニュー。 鰆のソテー、ナスのそぼろあんかけ、低温ベーコンのセミ・クリスプ、レシチン含む健康卵の目玉焼き、朝焼きクロワッサンほかが乗ったプレートに、ブッフェ・スタイルで、飲み物、サラダ、漬物、牛筋煮物などのオカズ類、納豆や玉子まで用意されている、それにご飯やみそ汁。 朝シャン(朝からシャンペン)も用意されていたけれど、それは遠慮することにする。小原庄助に成りかけているが、最後のこれだけは自重しなきゃ。 朝から元気いっぱい! 荷物を整理して、9時15分チェックアウト。これからサイクリングロードを歩いて中津川渓谷まで行くと宿の人に話したら、熊ベルを持って行きなさいと言われ、杖の先に熊ベルがついたものを渡された。やっぱりここも熊が出るんですねぇ。 昨日確かめておいた秋元湖入口バス停から入るルートを通って、まずは秋元湖展望台へ。昨日は夕方近くになっての景色だったが、今日見る秋元湖はまた格別。まったく自然のままの湖。こんなところにこそ恐竜が棲んでいそうだよなぁ。 さらに道を進む。一応、サイクリングロードということにはなっているが自転車の姿は見えず、ましてや歩いている人の姿もない。ときどき自動車が通るくらい。紅葉にはまだ早いこの時期、やってくる自動車も少ないらしい。道幅は自動車がすれ違うには苦労するくらいの狭い道。紅葉シーズンにはけっこう自動車も入ってきそうだが、ちょっと運転したくはない感じ。秋元湖を右に見ながら、ときにやや坂になっている道をひたすら歩く。ボートが四艘浮かんでいた。何をやっているのだろう? 水質調査でもやっているのか? 歩き続けること1時間45分。舗装道路が途切れ、自動車通行止めの立札が見えたところで、ようやく中津川渓谷探勝路到着。秋元湖入口から乗る、帰りのバスのことを考えると、今日は片道2時間の余裕しかない。ここから探勝路の一番奥まで行くとなると20分かかることになるが、微妙なことに私の残された持ち時間は15分歩いた所で引き返さなければならない。無理して最後まで行ってしまってもなんとかなりそうだが、余裕のない行程は避けたい。15分歩いた所で引返すことにした。進行方向右側の渓谷を一筋の川が流れている。たしかにここは紅葉シーズンはさぞかしすばらしい眺めになるだろうと思われる。その風景を見たいとも思うが、もうさすがに毎年毎年、紅葉をどこかで見ていると、どうでもよくなってきた。都内だってちゃーんと木々は色づくんだし。 元来た道を歩くこと、また2時間。宿に熊ベルを返し、トイレを借りて、秋元湖入口バス停。13時29分の路線バスに乗る。いや〜、今回もよく歩きました。 猪苗代駅到着14時。郡山方面の上りは14時39分で39分の待ち合わせ。猪苗代の街には野口英世記念館などもあるのだが、ここからちょっと距離がある。39分で往復はせわしなさすぎる。駅のベンチで待つことにする。実際、4時間歩いた後なので、もう動きたくないという気分。 磐越西線快速で郡山。17分の待ち合わせで東北新幹線に乗って東京へ帰る。車内販売でお疲れ様の缶ビール。キリンの秋味。夏は過ぎ、いよいよ行楽の秋だ。 10月3日記 |