Delirious Blizzard
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「ふざけんな!!!」
ゾロはサンジを組み敷いた。
「なあ・・・、
シてくれよ・・・。
セックスだけでいいからさ・・・。
それすらも、お前はオレが要らねえ?」
サンジは淫らな微笑みを浮かべた。
いつの頃からか、
生きることが苦痛になり始めた。
クソジジイがいなくなってからだ。
ひとりぼっち。
孤独なサンジに手を差し伸べてきた男たちは善意ではなかった。
サンジはひとときのぬくもりとひきかえに、
身体を好きにされた。
それでも・・・、
誰かに抱きしめて欲しかった。
誰よりも、
この雪山に消えて帰らなかったクソジジイに。
必死で似た影を追い続けた。
探して、
探して。
でも、見つけることはできなかった。
スモーカーはサンジに、
「生きなければいけない」
と言った。
だから、何とか生きてきた。
山に登れば全てが忘れられる。
過去は消え去り、
ただ神々しい存在がそこにあるだけ。
だが、そこで消えてしまっていいという思いも常にあった。
ゾロは真剣な顔をしてサンジを見ていた。
コイツは何故、自分が必要とされてねえと思ってる?
なぜ自分を大切にしねえ?
オレは・・、
コイツが欲しい。
そうだ、
コイツが欲しいんだ。
「てめえが、てめえを要らねえってんなら、
オレがもらう。
サンジ、てめえはオレがもらう。
要らねえなら、
全部よこせ」
ゾロは不安定に揺れるサンジの目をじっと見た。
それから、
ゆっくりと口づけた。
オレはサンジをもらう。
もらうけれど・・・。
サンジに足りないもの。
欠けているもの。
欲しがっているもの。
全部お前にやるよ。
やれるもの全て。
サンジの身体はもうゾロに慣れていた。
「ああっ・・・」
すんなりとゾロを受け入れ、
締め付けた。
雪山に再び嬌声が流れていく。
嵐にかき消され、
存在すらなくすゾロとサンジ。
ゾロは熱病に浮かされたように、
サンジの身体をむさぼった。
手に入れたい。
手に入らない。
身体だけじゃなくて、
心も欲しい。
心が欲しい。
サンジの心が。
ああ、
オレはコイツに惚れてるんだ。
だから、
オレだけのものにしたい。
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