「フランの興味」
3
R18
(25巻・ルッスーリア三丁目ネタ)
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ザンザス視点
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いつもより静かな夕食が済むと、ザンザスは自分の部屋に戻った。
スクアーロは、出ていった時と同じ姿勢のままベッドに横たわっていた。
そんなに激しくしたつもりはないのだが、手加減した覚えもなかった。
若い頃であれば、有無を言わさず蹴り出して終わりなのだが、最近はさすがにそういうことは少なくなった。
三十を過ぎたというのにカスザメは、熟した果実のように甘くて食べごたえがある。
黙っているとできのよい彫像のようにも見える。
スクアーロの昨日の任務は実にあっさりと終わったらしいので、そんなに疲れているはずはない。
それでもスクアーロは目を閉じたまま動こうとしない。
「ちっ」
サンザスは舌打ちをした。
どうにも落ち着かない。
こうしているとフランのカスが見せたニセカスザメとたいして変わらねえ。
ザンザスはスクアーロの髪にそっと手を伸ばした。
いつ触れてもスクアーロの髪は見事なもので、ザンザスの手にさらさらとからみついた。
「ゔぉ・・・?」
気配を感じたスクアーロがゆっくりと目を開けた。
「ボス・・・?・・・?なんでここに!!! ゔぉお゛お゛い、今、何時だぁ!!!!」
スクアーロが叫ぶと同時に、ザンザスの鉄拳が振り下ろされた。
ガツン!!
スクアーロは、ベッドの端までふっとばされて、頭を押さえた。
「ゔぉおおおお、何しやがる!!!」
言ったあと、カードをしていた時に呼び出されてすぐ部屋に連れ込まれ、
自分がザンザスのベッドでのうのうと寝ていたことに気づき、青ざめた。
あわてて動こうとしたが、事後処理もしないまま寝ていたようで、下肢を白濁した液が伝い、赤くなった。
「ふん。カスが」
ザンザスは、青くなったり赤くなったりするスクアーロをおもしろがっていたが、顔色一つ変えなかった。
ドカスが!!! 手加減して、ベッドから落ちねえ程度にしか殴ってないだろうが。
こぶもできねえ程度にしか殴ってねえ。
もともと悪い頭がもっと悪くなったら、手がつけられねえからな!!!
スクアーロは部屋の時計を見て、驚いた。
夜?もう夜なのかぁ?
めずらしく昼間から呼び出され、昨日の任務についていろいろ問いただされた。
フランのカスガキが見せた幻がターゲットに何をされたかをねちねちと聞いてきた。
何が気にいらねえのか分からなかったが、ザンザスは機嫌が悪かった。そんなのいつものことだぁ。
妙にしつこくヤられた気がするが、途中から意識がとんじまった。
そのままボスのベッドで何時間も寝てたってことかぁ?
夜はそそのまま寝ちまったことはあるけど昼間はない。
・・・そりゃあ、怒るかぁ。
いつもなら、いつの間にかザンザスはいなくなってるのに・・・。
「・・・悪いなあ」
スクアーロはあわててその辺に落ちたままの服を身につけ、少しふらつく足取りで部屋を横切り、ドアをそっと開けた。
ドアの隙間から、廊下の前にしゃがみ込んでいる誰かと、カエルのかぶりものが見えた。
「ゔ」
思わずドアを閉めたスクアーロは、おそるおそるもう一度覗いてみた。
物陰にはレヴィとルッスーリアもいるようだった。
どうやらザンザスの部屋のドアの前に、幹部全員が揃っているようなのだ。
「?????」
スクアーロは意味が分からず、ザンザスを振り返った。
「ボスぅ、みんな部屋の前にいるけど、何なんだぁ?」
ザンザスには思い当たるふしがあった。
そういえば、夕食の時にベルやルッスーリア達がこのドカスがいつ出てくるか賭けているようだった。
まったく、どいつもこいつもくだらねえことをしやがる。
ザンザスはドアを開け放すと、賭けの結果を知るため待ち続けるルッスーリアたちと、自主的にボスの警護にやってきたレヴィを一瞥した。
「ボス!!! 警備に参りましたので、安心してください!!!」
険悪な空気をものともせずレヴィが大声で怒鳴った。
「どいつもこいつも消えやがれ!!!」
ザンザスの怒りに気づいたルッスーリアとベルとフランは素早くその場を離れ、
逃げ遅れたレヴィだけが怒りの犠牲となってその場に崩れ落ちた。
「ボ・・・ボス・・・オレはどこまでも・・・ついていきます」
それでも忠誠を誓うのを止めないのだが、誰一人ほめてくれることはない。
ザンザスはあぜんとするスクアーロの髪をひっぱってその身体をベッドに投げつけた。
よく考えてみたら夜はこれからだ。
いや、やつらのせいでこんなことをしているのでは断じてない。
では、誰のせいだ?
「ふん。これもてめえがマヌケなせいだ」
「ゔぉお゛、何のことだぁ??」
ザンザスはまったく意味のわかってないスクアーロの身体にのしかかった。
このカスザメは口を開くとうるさく、的外れなことばかり言う。
まったくもって学習能力がなく、代わりばえのしねえ野郎だ。
だが、この身体は違う。
仕込んだことは忘れず、生意気な性格とはうらはらに正直なもんだ。
裸に剥くとすぐに反応してきやがる。
昼間もさんざんヤっているからもう中もほぐれている。
ザンザスは自らの昂りをスクアーロに押しつけた。
「くれてやる」
「・・・ゔぁぁ・・・ザンザス!!」
身も心も支配されたスクアーロの顔は羞恥と快楽に歪み、その目にはザンザスしか映らない。
てめえは、オレだけを見て、オレだけを崇めてりゃいい。
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あとがき
三十路になっても、まだ石を投げているあたり、
おかしいとは思いつつ、ボスはスクが好きだという自覚もなければ、
愛の言葉までたどりついてないのではないかと思います。
でも、周りの者たちは全員知ってる。
そのもどかしさこそザンスク!!!!!
ていうか、その大人げなさこそがヴァリアークオリティ!!!!!!
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