VARIAの大掃除



WJ3・4号 大掃除4コマより
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ニューイヤーを前に、ヴァリアーの幹部たちはせっせと大掃除にはげんでいた。
いつの間にかいろいろな荷物がたまっている。
片付けをしていたスクアーロは古い隊服を見つけた。
「ボスさんよぉ、古い隊服どうする?」
椅子に座ってワインを飲んでいたザンザスは服を見せてくるスクアーロをちらりと見た。
以前の隊服はそれはそれで悪くはなかったが、今の隊服のほうがいい。
ザンザスは今の隊服がわりと気に入っているのだ。
「いらねえ。かっ消せ」
「おお。わかったぜえ!!」
スクアーロはうなずくと、隊服を手にどこかに行ってしまった。
何年かぶりの大掃除とやらで、忙しそうで面白くない。
スクアーロがいなくなると、ワイワイ言いながら、次々に幹部たちがあらわれた。
「ねえボス、使わないアクセサリーは?」
「ボスー、カエル頭の試作品捨てますー?」
「ボス! レヴィの古いエロDVDどうする?」
実にくだらないことを立て続けに言われ、ザンザスの機嫌は最高に悪くなった。
「知るか、ドカス共!! 
すべてかっ消す!!!」
キレたザンザスは思わず憤怒の炎でそこいらにあったものをかっ消した。
ヴァリアーの建物はがらがらと崩れ、一瞬で消滅した。
そして、何もなくなった。
傍らにはベスターがゴロゴロ喉をならして寝そべっているだけだ。
「ゔぉおおおおおおい、クソボスがぁ、なんだこれはぁ!!!」
吹きさらしの荒れ野のようになったヴァリアー本部を見て、スクアーロは怒鳴った。
「るせえ」
ザンザスは知らん顔をした。
しかし、壁がなくなったせいで、風がヒューヒュー吹いて、なんだか居心地が悪い。
吹きさらしのせいで、妙に寒い。
「どうするんだぁ!!!」
怒鳴り続けるスクアーロをザンザスは手招きをした。
「うお? 何だぁ?」
おずおずと近づくと、髪をひっぱられ、バランスを崩したスクアーロは、ザンザスに倒れかかった。
ザンザスのほほにスクアーロのつやつやの髪がさらさらと流れた。
「てめえは、風よけになってろ」
「え? あ? おお!!」
スクアーロは返事をしてから、ザンザスの膝に乗っている形になっていることに気づき、赤面した。
身動きしようとすると、ザンザスの手が髪をひっぱった。
「風よけが動くんじゃねえ」
「ゔぉ?」
「何もなけりゃ、掃除もいらねえ」
ヴァリアーの大掃除は一瞬にして終わった。
跡形もなくなった本部を見てザンザスは言い捨てた。
なければ掃除する必要もないのだ。
不要なものは全てかっ消してしまえばいい。
ザンザスは「風よけ」とベスターで暖をとることにして、何事もなかったようにワインを飲み続けた。
スクアーロはどうしていいか分からずに、挙動不審になっていた。
「動くな」
間近にある赤い目で見つめられると、呪縛にかかったように動けなくなった。
ボスがそう言うんだから、じっとしてないといけないんだあ。
近くでみると、やっぱりボスさんはかっこいいぞぉ。
惚れるぞお。
スクアーロはうっとりして、ザンザスを見返した。
冷たい風が吹き続けていたが、身にしみる寒さもまったく感じなかった。
「あのー、何やってんですか、あの人たち・・・」
フランはくっついたまま見つめ合って動かない作戦隊長とボスをつい見てしまい、あぜんとした。
「いやーん、ボスってば!!
何もかもいらなくて、いるのはスクとベスターと椅子だけ?」
ルッスーリアは盛大にくねくねした。
「アンビリーバボー。
王子、ボスがあんな大人になるとは思わなかったし」
ベルは肩をすくめた。
「おのれ、スクアーロ、おのれ、スクアーロ!!!!」
涙を流し、立ち続けるレヴィの心にも冷たい風が吹き抜けていた。
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ヴァリアー大掃除は、萌えポイント満載ですね!!!!
ボスも元気そうで何よりです!!!!!




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