拷問室の悲劇
(Vジャンプ7月号XSネタバレ・ボスがスクを拷問室に呼び出す話)
XS
R18

(WEB拍手二回分でしたがまとめました)


明日は、ボンゴレに逆らったファミリーをヴァリアーが一掃する予定になっている。
個々の戦力はたいしたことはないが、数だけは多いファミリーで、未知数の部分もあるので、
十分に作戦を練らなければ、下っ端の部下は対応できない。
まず、ボスがどこにいるかが決まると、そこを拠点にしてスクアーロは計画をたてるのだが、肝心のボスがどうするのか分からない。
どうせ、どこかに居座ってじっとする気なのだろうが、その居座る場所ぐらいは決めてもらわないと話にならない。
いくら、わがままでも、それぐらいは分かっているはずだ。

スクアーロは足音も荒く、拷問室に踏み込んだ。
スクアーロもこの拷問室を利用したことがある。
口が堅いというターゲットをこの部屋に連れ込んで、アーロを出したら、そいつはすぐに吐いた。
いろいろな道具を見せる暇もなかった。
ルッスーリアなどは、説明して怯えさせてからじわじわと楽しむらしいのだが、
我慢強くないスクアーロは、数発殴ったり蹴りを入れてとりあえず半殺しにしてから、聞くのだ。
壁は完全に厚い鉄で覆われていて、この部屋の部屋の入り口の鍵を閉められたら、誰も出ることはできない。
みなが様々な趣味の拷問道具を準備していて、部屋の中には各自の収納場所もあった。
鎖やロープやはりつけ台などもいくつも準備されていた。
その中で、死んでしまうターゲットも時々あり、誰も近づきたくない部屋だった。

「ゔお゛お゛お゛い、遅いぞぉ!!」
スクアーロは、重いドアを開けるとずかずかと入りこんだ。
「ガウウウウウ!!」
いきなり匣兵器のライガーがうなり声を上げながら、スクアーロにとびかかった。それと同時にザンザスも憤怒の炎をスクアーロに向けた。
「アーロっ!!」
スクアーロは素早く炎をよけながら、自分の匣兵器である鮫のアーロを呼び出した。
自分はザンザスの炎をすばやく交わし、ベスターの攻撃はアーロにまかせた。
「ゔぉおおおい、何しやがる!! 試したい技ってのは、これかぁ?」
スクアーロは、戦うアーロと位置を変え、仕掛けてくるザンザスやベスターを交わしながら叫んだ。
あまりボスが本気になりすぎると、この部屋が壊れてしまうだろう。
ザンザスとベスターはぴったりと息が合っていて、見事なコンビネーションだ。
気を抜くと、まともに攻撃を受けてしまう。

スクアーロとて、ザンザスとこうして剣を交わしたり戦ったりするのは、嫌いではない。
ザンザスの底知れない力を知り、自分も剣を磨けるからだ。
しかし、今は、こんなことをしている場合ではない。
ザンザスは、時々だが、スクアーロとこうして戦う時があった。
スクアーロは剣を抜くと、手加減などせず、本気で戦ってくる。
これが剣士というものなのかどうかは、分からない。
それが主であるザンザスにでも、怯まずに剣を向けてくる。
敵以外、誰もザンザスと本気で戦おうとはしないのに、このカスは、本気で剣を振り回す。
だから、退屈すると、たまにこいつと戦ってみるのだ。
スクアーロには、裏も表もない。
それは短所であるが、長所でもある。
このヴァリアーの中で、ザンザスに全力でぶつかってくるのは、スクアーロしかいないのだ。

「カスが!!」
ザンザスは叫ぶと、ベスターとタイミングを合わせて、新しく完成させた技を仕掛けた。
この技を試すためにスクアーロをここに呼んだのだ。
手加減は無用。
このドカスの力量は分かっている。
手加減など必要はない。
ザンザスとベスターの炎が混ざり、真っ赤にめらめらと燃え上がり、部屋中を深紅に染めた。
「ゔぁあああ!!」
一瞬スクアーロが炎に包まれ、さすがのザンザスもやりすぎたかと思った。
ちっ、しょうがねえ。助けてやるか。
ザンザスが動きかけた時、炎に包まれたスクアーロを、匣兵器のアーロが突き飛ばし、スクアーロは壁にぶつかってくずれ落ちた。
炎に包まれたのは一瞬だったので、少しすすけて、服がところどころ焼け落ちているが、大きな怪我をしているようではなかった。
髪の毛も何本か焼けたようになっているが、たいしてダメージは受けていないし、肌もやけどをしているようではない。
ザンザスは、スクアーロの姿をすばやくチェックした。
倒れた時、きたない壁で汚れてはいるが、問題はない。
「ドカスが。薄汚れやがって!!」
薄汚れさせたのは自分なのに、ザンザスは平然と言い放った。
「ゔぉおおおい、お前がしたんだろうが!!さっきのが新しい技だなぁ!!効かねえぞお!!」
へこたれないスクアーロは、ぶつけた腰をこすりながら立ち上がった。
ボスのいびりは日常茶飯事だ。
スクアーロも正直に、なかなかの技だと言えばいいのに、自分のダメージを悟られたくないため平気なふりをした。

「ほう。効かねえのか」
ザンザスからゆらりと黒い炎が立ち上がった。
試したい技のパワーや効力はもう把握したのだから、それでいいはずなのだが、
スクアーロが生意気なので、ザンザスとしてはおもしろくない。
「効いてねえかどうか、確かめてやる。腰を見せてみろ」
雲行きがあやしくなってきて、スクアーロはとまどった。
ザンザスが妙に静かにこういうことを言い出す時は、ろくなことがない。
「ベスター、押さえてろ」
ザンザスが言うと、ベスターはのそりと立ち上がり、その巨大な前足で、スクアーロの手をうまく敷きこんだ。
「ゔぉおおおい、ザンザス!! 何する気だぁ!!」
「だから、効く技を見せてやってるんじゃねえか」
ザンザスはせせら笑うと、スクアーロの服を引き裂いた。
背後でアーロが右往左往しているのが分かる。ス
クアーロは、自分のことにしか意識がいっておらず、いつものことだが、アーロが葛藤していることなど気づきはしない。
成り行き上、ベスターはいていいが、この場にアーロは必要ない。
この匣兵器の鮫をかわいがっているのは、スクアーロだけなので、アーロは主であるスクアーロを懸命に守っている。
さっきのように。匣兵器の分際で、このオレの邪魔をするということはカッ消してやってもいいのだが、
カス鮫に怪我をさせなかったことは認めてやってもいい。
オレとベスターの技は悪くはねえから、カスに傷がついたかもしれなかったからな。

「せっかくの拷問部屋だからな。てめえがでけえ声でわめいても、誰も気づかねえ」
「ゔぉお゛お゛い!!! こんなことしてる場合じゃねえだろう!!」
スクアーロが至近距離なのに大声で怒鳴り、ザンザスは思わず、その形だけはよい小さな頭を殴った。
スクアーロの頭は、つかみやすい手頃な大きさだ。
もちろんこの髪も気に入っている。
アホでカスのくせに、いろいろザンザス好みなのだ。
「うるせえ。こんなことって、てめえ、一体何を考えやがった?」
ザンザスがニヤリと笑った。
スクアーロの頬は赤く染まり、恥ずかしそうに目を泳がした。
あきらかに何か嫌らしいことを考えていたというのが分かる。

ヴァリアーは常にミッションの成功率を意識しながら任務をこなしている。
スクアーロ的に、ボスを会議に連れて行く確率は90%だったはずなのに、なんとなく自分がヤられる確率が90%になっている気がする。
ということは、会議が成立しない確率もかなりのものになるはずだ。
どうにかして、この場を切り抜けなければならないはずなのに、
ザンザスにじっと見られていると、顔は赤く染まりいたたまれなくなってしまう。
この目だ。
赤く内側から光る目。
見られただけで目で犯されている気になってしまう。
こんなんじゃダメだぁ!!
こんなだらしねえことじゃあ、ダメだぁ!!
そう思うが、心底から抵抗する気にはならない。
突然ベスターが、スクアーロの身体をぺろりと舐めた。
「ゔぁっ!!」
スクアーロは、思わず声を上げ、身体をはずませた。
ベスターはスクアーロの敏感なところをぺろぺろなめ始めた。
「・・・っ゛!!」
必死に声をかみ殺したが、快楽に慣れた身体はすぐに反応しはじめた。
その気になり、うねり始めた腰を見て、ザンザスはせせら笑った。
「あんまり効いてねえな。動けなくなるくらい、効かせてやらねえとな。正直に、まいりましたって言えるくらいにな」
スクアーロの昂りをがっちりと握り込み、何食わぬ顔をして軽く刺激を与えはじめた。
「ゔゔっ、誰が、まいりましただなんて!!・・・ぁあ゛っ!!」
明らかに感じている顔で、スクアーロはまだ抵抗を続けている。
抵抗したり、余計なことを言うからいびられ、ひどい目に遭うことなど、スクアーロが気づくわけはなかった。
「ザ・・・ザンザス・・・ベスターを・・・どこかに・・・ゔあ゜っ!! 止めろお!!」
少し慣らしてから、ザンザスはいつものように無理やりスクアーロの中に侵入した。
嫌がってはいても、慣れた身体は簡単にザンザスを受け入れ、快楽を追いはじめる。
「だめだぁ、ボス・・・!!」
心底嫌がっているのではない、少し弱々しい抵抗は、ザンザスをより昂らせるだけだ。
「カスが!!!」
ザンザスの動きに反応するように、ベスターが胸や腹をぺろぺろとなめ続けている。
獣のざらざらした舌が敏感な部分を這い回り、荒い息が身体にかかった。
ベスターがのしかかるように覆いかぶり、ふさふさした毛がスクアーロの身体に触れた。
本能的な恐怖を感じたスクアーロは本気で逃げようとし、必死で両手でベスターを押し戻そうとしたがびくともしない。
「離せえっ!! ボス、止めさせろ!! ザンザス!!!」
涙目になって叫ぶスクアーロを見て、ザンザスはニヤリと笑った。
ベスターに目で合図をすると、ベスターはのそりと起き上り、二人の側から少し離れたところに座り込んだ。
「見せてやれ。てめえは、オレだけを見てりゃいい」
ザンザスに囁かれ、スクアーロはびくりと身体を震わせた。
嫌なのに、ぞくぞくしておかしくなってしまいそうだった。
ザンザスに求められている。そう感じるだけで、イってしまいそうだった。
頭から、会議のことも、ここがどこであるかということも全て消えた。
その後、ザンザスが満足するまで、拷問室の扉が開かれることはなかった。





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