３Ｒのお相手は、大阪のＤさん。イランの方です。
大阪のアンパサンには、これまで何度も出向いたことがあり、Ｄさんとの過去の対戦成績は私の２戦２勝。
申し訳ないですが、負けられない相手です。
なんとかここで勝って、この後にはずみをつけたいと考えていました。
[Event "Zenkoku Taikai"]
[Site "PIO"]
[Date "2003.04.30"]
[Round "3"]
[White "anon_emperor"]
[Black "S.R.D"]
[Result "1-0"]
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| 【図−１】 | ||||||||
「お〜、シシリアンかぁ。じゃ、グランプリで」と思ったのもつかの間、2. ... e5?!ですかぁ？
実は、これをやられたのは２回目。前回は名古屋の強豪Ｏさんにやられて負けたのですが、その時にどうすれば良いかはちょっと考えてありました。
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| 【図−２】 | |||||||||||||
で、考えておいたのが 4.f4です。
グランプリアタックでもf4突くんだし、どうせならキングズ・ギャンビット気分で、ということです
私個人としても、指しやすい形になるだろうと思っていました。何しろ「fポーンを突かなきゃいられない症候群」なので（笑）。
2. ... e5に対しては、フリッツ君は3.Nf3を推奨していますが、それはそれとして自分の指しやすい局面に持っていくのも一つの考えだと思います。
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| 【図−３】 | ||||||||||||||||
5. ... Be7 〜 6. ... Bf6 〜 7. ... Bd4+?とビショップを続けて動かすのは、やはり基本に反します。
6. ... Nf6と単純にピースを展開させたほうが良いでしょう。
9.Bxf4とポーンを取り返しましたが、フリッツ君は9.Nb5を推奨。
10.Nd6が狙いのようです。
いずれにせよ、d6のマスが著しく弱いのは明白ですから、私はビショップを用いて10.Bd6としました。
f8のルークに対してピンになるとも考えたからです。
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| 【図−４】 | |||||||||||||
11. ... Qe8??が悪手とされています。f7を守ろうということなのですが、これでは無理です（後ほど解説します）。
11. ... Na5 12.Nd2 Nxc4 13.Nxc4 b6として、c4のビショップを取り除くのが黒の最善手のようです。
これに対して、白は12.Ng5とf7にプレッシャーをかけます。
12. ... Nd8で守りきったようにも見えますが･･･。
f7にさらなるプレッシャーをかけるなら、13.Qh5です。
しかし、私は12. ... Nd8で守りきれていると判断してしまい、13.Bxc5とポーンを取りました
ここで夜の飲み会で、13.Qh5でいけるだろうという結論が出ました。実際、f7は守りきれて入るんですが･･･。
この時のラインは、13.Qh5 h6 14.Bxe7 Qxe7 15.Nxf7 Nxf7 16.Rxf7 Rxf7 17.Rf1! d5 18.Qxd5 Be6 19.Qxe6 Qxe6 20.Bxe6 R8f8 21.Rxf7 Rxf7 22.Bxf7 Kxf7（参考図）と、とにかく全部駒交換してしまい、２ポーンアップなので中央のポーンを押し上げて勝ち、というものでした。
フリッツ君に解析させると、また他にえげつない結果が出てくるのですが、割愛します（笑）。
とにかく、この白13手目の局面は、それほどに「決まった」局面なわけです。
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| 【図−５】 | |||||||||||||||||||
14.Nxe6 dxf5でナイトを交換し、白のワンポーンアップとはいえ、なんとなく落ち着いた局面になりました。
しかし、ツービショップは活動的ですし、キングサイドを攻め続けることは出来るだろうと思っていました。
18.h4で、まだまだキングサイドにプレッシャーをかけます。
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| 【図−６】 | |||||||||||
18. ... h5?は、白からh5と突かれるのを恐れた手ですが、19.Qg5でそのポーンが取られてしまいます。
20. ... e5??も悪手。実は全然気付いていなかったのですが、実は21.Bd5がありました。これで、クイーンとルークが串刺しです。
22.Qxc3と逃げると、22.Qxg6でナイトを取ることが出来ます。
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| 【図−７】 | |||||||||||||||||||
ということで、そのチャンスを逃した21.Qxh5?は悪手。ポーン１個に目が眩むとは（笑）。
白マスビショップを交換し、引き続きキングサイドのポーンを25.h6まで押し上げます。
25. ... g6?が悪手である理由は、26.Bxb6とポーンが取れるからです。
26. ... Qxb6で取り返すと、27.Qxe7とナイトを取り返せます。
その手も考えてはいたのですが、私はキングサイドでの攻撃をいったん止め、クイーンサイドから攻めることを考えました。
そこで、オープンファイルとなったbファイルに目をつけました。
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| 【図−８】 | |||||||||||||
ある程度、キングサイドを攻め、ここでクイーンサイドに攻撃を転じたのは良かったと思います。
黒のポーンは、b6そしてe5も弱いですから、ここを攻めようと考えました。
個人的には、このように攻撃の目線をなかなか変えられない人なので（笑）。
28. ... Nc8とbポーンを守ったところで、29.Qd8+とクイーンが侵入。
もうイケイケです。
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| 【図−９】 | |||||||||||||||||
白としては、クイーンを交換して、２つのルークを最大限に活用して黒の陣地を荒らそうと考えました。よって、30.Qd5。
ところが、Ｄさんはクイーン交換など絶対にしない人なので（笑）、30. ... Qf6とクイーンを逃げました。
そこで 31.Qxe5とポーンを取ったわけですが、フリッツ君によると31.Bg5!が好手。
31. ... Qxg5なら、32.Qxf7+でルークが取れますし、31. ... Ne7とクイーンに当て返しても32.Bxf6 Nxd5 33.Bxe5となります。
31. ... Qh4+とチェックされても、32.Qh2でなんともありません。
ここで、やっぱりＤさんはクイーン交換など絶対にしない人なので（笑）、32. ... Qg4??とクイーンを逃げてしまいました。
黒のb8のルークが浮いており、33.Qxb8で白の勝勢です。
33. ... f4が黒の最後の反撃で、白のクイーンがキングの守りから離れてしまっているため、一瞬ドキッとしたのですが･･･。
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| 【図−10】 | ||||||||||
ここで慎重に考えましたが、34.Rf1で何とも無し。34. ... fxe3でも、35.Rxf7+がチェックで取れます。
34. ... g5でf4のポーンを守りますが、こちらは駒交換を急ぐことにしました。
白の３ポーンアップだからです。
35.Bxf4 gxf4でビショップとポーンの交換ですが、36.Rf5でf4のポーンも取り返せます。
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| 【図−11】 | |||||||||||||||||||
36. ... Qh4+とチェックしても、クイーン１個ではどうにもなりません。
そして、37. ... Qxf5 38.exf5の後に、39.Qxf4とクイーンを引けばもう安心です。
41.f6とポーンのプロモーションと、クイーンの交換を狙います。
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| 【最終図】 | ||||||||||||||
クイーンを交換して、ゲームは決まりです。
白のエクスチェンジアップ＆３ポーンアップです。
この後、チェックメイトまでゲームは進みましたが、これ以降は割愛させていただきましょう。
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