圧着式N型プラグの高電力通過について

カナレ電気の圧着式N型プラグNP-LC51のテストを行う。圧着と聞いて疑問を持たれる先輩諸氏もいらっしゃる事と思うが、実はこれがそうではない。今やラック・建物内など非可動配線においては、コストや納期の関係から必須の工法となっている。

テストは1KW(145MHz/CW)以上の電力を通過させたときの発熱を、従来品(ノーブル無線S-LP043)と手触りによる比較で行った。その結果は大変良好で、芯線をハンダ上げシールドは加圧による従来品と同等かそれ以上であった。特に芯線とのコンタクトやシールド網線は形を崩さず均等に加圧されるため、これが特性に反映されているものと推測する。圧着をタブー視されていた向きにも試用をお勧めする。
なおSWRは規格上は4GHzまで1.2との事で、500MHzまでの範囲では全く差異を確認する事は出来なかった。NP-LC51は5D-2W用であるが、NP-LC31が3D-2W用として用意されている。また専用の圧着工具が必要で、専用ダイス(TCD-3151D)1個で5D-2Wと3D-2W両方に対応できる。

写真左はNP-LC51と5D-2Wによるリニアアンプ入出力の配線処理。L型のため後方への突起が抑えられスマートな配線が可能である。ただこのL型はケーブル側がやや長目に造られているのが気になる。この半分程度がスマートで見栄えも良く、またケーブル操作上も扱い易いと思うのだが・・・カナレ電気さん如何でしょうか?。写真右はNP-LC51の部品構成。右下のPinは芯線に圧着し、内部のJack部に挿入してコンタクトする。

写真はS-LP043(左:ノーブル無線)とNP-LC51(右:カナレ電気)との比較である。後者のケーブル側が長いのは、芯線が内部でPlug&Jack構造になっているためだと想像する。前者はケーブルを目いっぱい寄せ、芯線はネジ蓋を開けてハンダ上げされ小振りに造られている。なお詳細は、カナレ電気の 圧着式コネクタ取付法をご覧頂きたい。

余談だが同軸ケーブルのコネクタ付けは大変楽しい作業である・・・と思って好きにならないと良い仕上がりにならない。こうした「ひかり物」の撮影は相変わらず難しい、特に限られた照明機材では・・・。