SAGANTモービルホイップCM-144W7の不具合対策(May 7. 2013)
昨年秋(2013年10月)よりモービル運用を8年振りに再会した。
無線機はFT-840からIC-756MKUGに変わったがアンテナはSAGANTのCM-144W7を流用。それにATUはLDG社AT11/KitからSGC社のSGC-230、そしてLDG社のZ-100Plusへ変遷した。
暫くは懐かしさで気が付かなかったが、7MHzを運用すると受信時エレメントの揺れに同期して「ザッザッザッ」と半断状態になることが判明(送信は正常)。しかも50MHzは問題がない。色々と調べるとアンテナが不良と分かった。ところがそれから先に進まない。そう、アンテナのどの部分に不具合があるのか特定できなかったのだ・・・7MHzが悪くて50MHzが良いのだから。
半年余り時が過ぎてしまったが本日ようやくその謎が解けることになった。
写真はFORESTERのハッチバックに取り付けたCM-144W7。
同軸ケーブル20cm程で車内に引き込みATU(Z-100Plus)を繋いでいる。

本日エレメントを固定していた6角ビス(2本)が緩み、エレメントが回転方向に回ってしまいコイルからのリード線が断線。ウンともスンとも言わなくなった。
コイルからのリードは1本線で内部端子(円管6角ビス締め)へ半田付けされている。断線部を延長するには難があるため、コイルを1ターン解き、それを延長して端子へ半田付け。
写真右から2番目がその部分。これを右のエレメント基部にねじ込み、先にエレメントへ通した左の黒カバーを上から被せ最左の丸ナットで締める。
黒カバー上部には6角ビスが2ヶ所あり、エレメント基部を締め付ける。
写真はCM-144W7を分解した様子。結構複雑な構造だが、いわゆるハメ殺し部は無いのでメンテナンスは容易でメーカーの良心が感じられる。

エレメント基部へコイルをねじ込んだ様子。
これに黒カバーを被せ下から丸ナット締めする。
しかし、これだけでは現状復帰だけで冒頭の状況は改善されなかった。
コイルはリード長を稼ぐためにオリジナルより1ターン減らしている。

エレメント細部を触りながら目視している最中に、誘電体エレメントトップ(ローディングコイル下部)の金具に僅かなガタがある事を発見。
この部分は金具とエレメント線が半田付け処理されている。
エレメント下部を動かないように支えて、上部を揺すると見事に現象が再現。
また上部をしっかり固定し下部を揺すると問題はない・・・これだ!。
送信時は電流(電力)が大きいためこの程度の接触不良は通過してしまうものと思われる。パワーリレーの微小電流で発生し易い接触不良の場合と同じ理屈だ。
金具とエレメント線を再半田すると共に、ガタ部にアロンアルファを流し固定。
これで半年間に及ぶ課題が解決・・・ガタで半田部分にクラックが入ったものと思う。
写真は左が誘電体エレメント。右が7MHzローディングコイル。