大正15年生まれのK氏より真空管式5球スーパーを展示のためにお借りした。ラインナップは6WC5⇒6SK7⇒6AV6⇒6V6/5MK9と異色のハンドメイド。恐る恐る電源を入れると横行きダイアルのパイロットランプが点灯。暫く待つとスピーカーからブーンとハム音と高周波ノイズ。ダイアルを回すと横行きダイアル指針が動き出したが途中から動かなくなった。アレッ可笑しいぞ!。
フロントつまみを外し、シャシを固定している木ネジを緩めると容易に本体が飛び出てくる。見ると糸掛けの紐が切れて同調バリコンが回らない状態だ。
早速に掛け直し作業を始めたが、よく見るとバリコンの方向性が逆。普通は右に回すと容量が減り同調周波数が高くなるが、こいつは逆だった。また糸掛けはバリコンを直接回すだけでなく、横行きダイアルの指針も動かす仕掛けだからちょっと厄介。
つまみの回転方向や指針の移動方向とバリコンの回転方向を考慮しながら糸掛けルートを頭の中にイメージして作業を進める。先ず糸でループを作っておき、それをプーリーに掛け最後にスプリングで引っ張って固定するやり方が楽。
何とか修復を追えるが、今度はプーリーのすべりが悪く同調つまみが重い。こちらはCRC5-56を1滴軸に流して解決。見事復活と相成った。