EG-2600外部燃料タンクの高さと給油経路等について(May 19. 2017)
はじめに
EG-2600の購入は2016年4月である。その後1年間かけて辿り着いた結果を以下まとめてみた。
セルモータ始動とオートチョークに惚れ込んで購入したが、使用環境でこれ程結果が違うのかと感じている。
下記の殆どは始動特性に密接する燃料系の話である。
適切な燃料圧力とガソリンの選択で、初めて安定な起動が実現することを身に沁みて感じた1年だった。
左はEG-2600R購入から凡そ1年を掛けて辿り着いた現在の燃料関係図。

@内部燃料タンクのみでの始動性低下と改善
何も考えないで普段車で使っているENEOSのガソリンを給油してセルモータを回す。1発起動し、これを2〜3回やって気分を良くしていた。その後停止させて暫くおいてから始動を試みると1発起動できないばかりか、何度やっても始動しない。幾度か試す内にバッテリが上がってしまう。充電後再びトライするが、その内「セルモータは自動車の様に長く回してはいけない、せいぜい0.5秒程度…」であることに気付く(説明書には何も書いてない)。 また、回らなくなった場合の対処方法も一般的な内容しかない。

Aいわゆる被り回避方法の発見
当初はオイル上がりかと思っていたがどうも違う。この発電機のオートチョークは、キャブレターの出側にソレノイドポンプがついていて、始動時に一瞬燃料を多目に吹き出す機構がある。また電磁スロットルがありセルモータによる始動の際にサーボで解放になる。ところがに一度失敗すると、この電磁スロットルは開けっ放しになる。停止操作をしても変わらない(起動して停止した場合は閉じる)。このため、1度失敗すると2回目以降のキャブレター出力の混合比が上がらなくなる。通常はそれでも始動するケースが殆どなのだが、時として全く始動できない状況に陥る場合がある。
その場合は、手動で電磁スロットルを(左回り一杯)デフォルト位置へ戻してセルモータ始動すると1発で回る。始動してもしなくても、停止操作で一度電磁スロットルを閉じるシーケンスにすればこの問題は回避でき、より信頼性が上がるのだが…。停止コマンド(パルス)は発電機まで届いており、外部電池も用意しているので、何とか出来ないものかと思う。

B外部燃料タンク使用時の始動性低下と改善
外部タンクをつなぐことにより、外部タンクの高さが内部タンクの高さに加わり、全体として燃料系が加圧される。燃料の吸い込みはシリンダーとピストンと弁が作る負圧に依存する。メーカーは恐らく、キャブレターへの燃料圧力については極端な加圧や減圧にならない様に内部タンク位置や形状を考えていると思われる。実験の結果、外部燃料タンクをキャブレター位置より下げ、吸い上げる形にすると始動性が低下する。また外部燃料タンクを発電機上部に設置した場合でも、給油ホースがキャブレターより下に垂れ下がると、吸い上げ時により負圧が必要になり始動性が低下する。実験的には発電機上部に置き、順序良く内部タンクへ流し込む形なら始動に影響が出ない事が分った。

C季節による始動性の変化
発電開始は夏季で外部タンク高は当初キャブレター位置より下であった。その後冬季を迎えキャブレター位置に変更すると共に始動用電池の強化(軽自動車用電池追加)。更に春を迎え発電機上に変更。心配した冬季の始動性低下は見られず快適な運用が出来た。

D適切な燃料(ガソリン)の選択
しかし今年4月になり、気温と湿気の上昇で始動性の低下が確認された。それまでの1〜3月で平均1.8回程度だった始動トライ数が維持できなくなった。最終的にガソリンのメーカーによる燃焼特性の違いと判断。メーカーによる明かな違いを確認するに至り、現在はJA-SS/出光系の採用で始動性低下を回避している。

E適切な保守
燃料(ガソリン)の相性把握。
オイル交換、消耗品の補修等の継続的実施。
プライマリポンプによる内部タンク給油の励行。

まとめ
写真は現在の発電システム。EG-2600(下)、外部燃料タンク(上)、始動用外部電池をルミナスラックに組んでいる。
タンクの左手に見える黒の握りがプライマリポンプ。
何らかの理由で内部タンク水位が低下すると(空気漏れ等)外部タンクからの吸い込み力が低下しガス欠に陥る場合ある。
このため、燃料給油時はプライマリポンプで内部タンクを一杯にする。
2017年5月、内部タンクキャップホースをタンク底まで延長し、ガス欠になる可能性が激減している。
これらは、発電機キャップやフィッティングの気密性に依存したサイフォンの原理に基づいている。
発電機と外部タンクは当初、INABAのアイビーストッカー(金属製物置)に収納する予定でいたが、基礎コンクリスペースの関係で写真のルミナスラックとシートカバーで対応している。
アイビーストッカーの狙いは騒音とイグニッションノイズ抑制にあったが、厚手シートで覆う事で前者の対策とし、後者は発電機上部2枚の金属グリッド(ルミナスラック)により予想以上のが抑制効果が出ている。