GG/GKの違いによるGU-74Bアンプのツートーン波形

ロシア球GU-74Bを採用したメーカー製リニアアンプの回路構成は、その殆どがGK(Graunded Cathode)方式である。オーナーは過去にGG(Grounded Grid)方式による方式を含めGU-74Bアンプを数台製作している。いつかGGとGKのツートーン(TwoTone)波形を比較してみたいと思っていたが最近(2000年3月)になりようやく実現した。
こうした実験は自作派ならずとも興味があり話のネタになるものと推測するが、あくまで参考資料で「オーナーの製作例の場合」と御断りしておく。
なおサンプル・アンプは・・・
@GGとして「50MHzモノバンダー」
AGKとして「1.8〜50MHzマルチバンダー」(50MHzにて)

・・・を使用し、50MHzバンドにおいて比較を行った。ただ前者は入力回路はパイ型共振回路で、後者はパイ型であるが60MHz/LPF方式で非共振回路である。また出力タンク回路は前者はパイL型で後者はパイ型である。
なお前者はGGで原理的に自己NFBが掛かるが、後者もカソードにノンバイパス7.5Ωの高周波抵抗が挿入され若干のNFBが掛かる
また、Ep=2.5KV(アイドリング時)/Esg=300V/Ecg=-48V/IpBias=140mAは、両者共ほぼ同等である。但しプレート負荷抵抗は前者が高い。
GGによるツートーン波形は、このページを含め当サイトの随所で壁紙として使用しているので、ご存知の方も多いのではないかと思う。


左・・・@GU-74B/50MHz/GGアンプ(1998年製作)。
右・・・AGU-74b/1.8〜50MHz/GKマルチバンドアンプ(2000年製作)。
50MHzバンドでの飽和出力は前者が1.1KW、後者は800W(HFは1KW)。

余談だが、2000年当時はGU-74Bで1KWを取り出すことについて疑問視されるOM諸氏が多かった。
ところが、Acom社がAcom1000でGU-74Bシングルにより1KW出力を実現するに至り、1KW出力は一般化してきた。
十分な風圧で風を送り、出力回路のロスを低減させれば更に出力を伸ばすことが出来る。

世界のハンドメーカーがこのGU-74Bアンプに挑戦して成功しており、丈夫で長持ちする大変コストパフォーマンスに優れた真空管である。


(1)GU-74B/50MHz/GGアンプのツートーン波形
波形の先端が1KWpepのライン。
クロス部は直線で交差し、切れ込みが深い。

(2)GU-74b/1.8〜50MHz/GKアンプのツートーン波形
波形の先端が800Wpepのライン。
クロス部にやや弛みがあり、切れ込みが浅い。

Data
Excitor:IC-756
Two Tone Gene:HM-14
CM Coupller:Nippon Dengyo Kosaku
Watt-Meter:Drake WV-4,Bird43
Dummy Load:Bird8890-300
Osilloscope:Tektromix 2225