GU-84BのG1-K間直流抵抗を測定する(Aug 31, 2006)



GU-84BアンプでG1の地絡(GKタッチ)と思える現象を確認した。また友人のT氏、N氏、O氏からも同様の内容と思われる知らせが届いた。そこでその原因を探るために、ヒーターを点灯しG1-K間の直流抵抗を測定してみた。

電源は定格27Vの物が無かったため、手持ちのPC用電源とALINCOのDM-330MVをカスケード接続し、負荷状態で24V(DC)を供給した。このとき電流は約4Aであった。
プレート(アノード)とスクリーングリッド(G2)はオープンとしているが、これら電極の取り扱いでG1-K間の直流抵抗は微妙に変化し、電子・電荷の振る舞いを体感出来る。プレートとスクリーングリッドを接地するとカソードから見ると電位ゼロであるが、カソードから発せられた1次電子はマイナス電荷であるため両電極に引き寄せられるのだ。

ヒーター電源供給から2分未満はテスターは∞を示していたが、2分を経過した辺りから数百KΩを示し始め徐々に低下し最終的に8KΩ程度に落ち着いた。これを見ているとカソードの余熱に3分程度必要である意味が良く分かる。
グラフはその様子を1分間隔で示したものである。測定はデジタルテスタ(SANWA PM-7)のΩレンジを読んだ。当然だがG1側がプラス、K側がマイナスで、この逆ではG1-K間はダイオード関係なので電流は流れない。

この状況を見る限りGU-84Bには問題は無いようも思えるが・・・如何だろうか。8KΩの直流抵抗値はG1側がプラスでないと発生しないし測定電圧を上げれば更に低下するだろう。しかし、実機ではG1回路は130V程度でマイナスバイアスされるから、G1-K間の直流抵抗は非常に高くG1回路を接地してしまうなど考え難い。では他に原因が・・・周辺部品の絶縁不良?・・・いや違う球交換でOKだから・・・戻して再調査か。

写真はGU-84Bを中心に上がALINCOのDM-330MV、左上がPC電源、左がSANWAテスターPM-7。このような真面目な実験は中学3年以来の事である。メーカーのカタログにはこうしたデータは乗っていないので、話としては非常に面白いし興味を引く。しかし24Vで4Aも流すと100W近くの電力となり、冷却無しで15分も放置しておくとかなり熱くなる。