HL-2Kは事業終了した東京ハイパワーの真空管式(3-500Z×2本)リニアアンプである。機種部門によっては同社OBが立ち上げた会社が事業を継続しているらしいが、アマチュア無線関係については良く分からない。実は甲府在住の先輩から160m動作が可笑しいとヘルプ。出力が伸びず効率が悪いので何とかして欲しいとのこと。中部縦断道が甲府まで全面開通したらと考えたら、今冬の160mシーズンに間に合わせたいときた。それで全線開通前の7月30日、愛車新ジムニーを走らせた。一部下道のR52を走っても、1時間足らずで双葉JCTへ到達したのでビックリ。先輩の無線案内で迷うこと無くお宅へ到着。HL-2Kを2Fシャックから下ろし持ち帰った。TL-922より重く、心して持たないと腰を痛めそうだ。 このアンプ、良く出来ていると思っていたのだが、思惑は外れた。通電してドライブすると80mまでは普通の動作を示し、60W程度のドライブで1kWを出力する。ところが160mで試すと大分妙な動作になる。それも1.9MHz辺りからみると1.8MHz辺りでは更に妙になって行く。妙と記したのは、タンク回路の負荷抵抗値が現状の部品定数だと大分低めに設定されている。要するに共振回路定数がHigh-C・Low-Lになっている。それだけではない。プレートRFCのインダクタンスが乏しく、どう見ても80mが限界と思われる程に少ない。こうしたことで、無理にC(VC)を増加して共振を得られたとしても負荷抵抗値は低くQも低いためプレート効率が上がらない(過負荷状態)。プレート入力の多くが熱になってしまう。それで、タンクコイル端にテフロン線を巻き足しHigh-Lを目指す。一方、RFCも線材を若干細目にしてボビン一杯に巻き直し所定のインダクタンスを確保、ほぼ満足できるデータを得ることが出来た。どうしてこの様は定数設定をされたのか不思議だ。 これ以降は拙作BBSの以下スレッドをご参照願いたい。詳細を記述している。 ★HL-2Kをお使いの皆さんヘルプです…HL-2Kの160m動作を他バンド同等に改修する 写真…上は改修を終えテスト中のHL-2K。50W程度でドライブしている様子。オンマウスはメーター部分のクローズアップ。ドライブレベルを上げれば1kW出力も可能。ただ、もう少しHigh-Lにしたいのだが、ボビンが一杯で巻けない。 下はHL-2Kの上蓋を外し片側の3-500Z(グラファイトプレート)も外した様子。オンマウスはタンクコイルの左端に巻き足した緑テフロン線。 |