寄生発振によるバンドSWのトラブル
写真は、寄生発振により発生した高電圧(V/UHF帯)による放電で溶解したバンドSWの接点。
これらの接点は、プレートVCの容量を補う為の、「補助コンデンサの切り替え」に使っている。
右の溶解接点は1.8MHz(完全溶解)、その左が3.5MHz(完全溶解)、そのまた左が7MHz(部分溶解)である。
右の溶解は、1.9MHzの運用時ではなく、3.5MHzを選択しチューニング中にロードVCを抜く作業をした時に発生。
その左の溶解も3.5MHzの運用時ではなく、7MHzを選択しチューニング中にロードVCを抜く作業をした時に発生。
接点質量が少ないので、一度放電を起こすとかなりの損害となる。
不思議な事に、これよりギャップの狭いプレートVCでは発生しない、相手が波長の短いUHF帯なら頷ける。
またチューニングが完了すれば一切発生しないので、チューニング中は「寄生発振周波数を探っている」時間でもある。
マルチバンドアンプを、全バンドに渡り安定に動作させることの難しさを感ずる瞬間である。
パラ止め回路の挿入箇所の見直し(プレート側、タンクコイル側、補助コンデンサ側、グリッド側)、リード素材の見直しを行い対策する。
こうした現象は、メーカー製リニアアンプでも報告されています、黒焦げになったバンドSWをよく見ますよね。
送信に移った瞬間をスペアナでスキャンした時、V/UHF帯で瞬間パルスを発するアンプは要注意です!。