5.電源編…鉛バッテリー&太陽光発電と交流発電機
電源系統図
(クリックすると拡大します。) 1.直流電源系
120W級ソーラーパネル2枚により鉛電池MSE150を充電する。充電コントローラーは電菱のSolarAmpBで、鉛電池への充電と出力ON/OFF制御を行う。このコントローラーは電池電圧11.5Vで出力遮断し、12.5Vで復帰する仕様。
また電池はAC-DC安定化電源(13.8V)により定電圧フロート充電される。
コントローラーの出力はそのまま配電されるトランシーバ(IC-7300)やPCそして無線LAN/PoEとIPリモート装置、5VへDC-DC変換され配電されるHUB、48VへDC-DC変換されPoEされるCamera等に供給される。
これらの直流電源負荷は24時間の待機動作をする。 2.交流電源系
4サイクルガソリン発電機EG-2600R(100V/2.8KVA)をIPリモート装置により遠隔制御する。100V系には前述のAC-DC電源とローテータ制御器が接続される。一方IPリモート装置により100V:200のオートトランスへの供給をSSR(40A)で制御しリニアアンプ電源とする。リニアアンプはHL-2.5KFX(HF)が200V、GU-74B(50MHz)が100Vの運用となる。
なお燃料は外部タンクを設け24時間以上の運用を可能とする。
鉛バッテリー&太陽光発電そして交流発電機
バッテリーはGS-YuasaのMSE-150を6個直列接続して12V/150Aを得る。
これに太陽電池による充電をコントローラー経由でかけ、12V(13.8V)をベースにした直流電源を用意する。
また後述する交流発電機のDC出力又はDC電源出力による充電を行う。
PC・LAN・IPカメラ・無線機待機は24H動作とし、無線運用時や補完充電時は発電機をリモート起動してAC100Vを配電する。
太陽光電源と交流発電機DC出力が干渉しないようにダイオードによる混合回路を設ける。
左はJG2CMJより届いたMSE-150x6本。下はセルモーター起動の交流発電機(EG-2600R)の試運転とMSE-150の充電風景。発電機1台は業者指示で予備機(部品)として保管している物。
5-1 直流電源系
ソーラーパネル・充電コントローラ・鉛電池・充電器
ソーラーパネルは友人からQSYの120W級を2枚使用する。充電コントローラーは電菱(Denryo)のSolarAmpB(20A)を使う。コントローラーは鉛電池へ接続されるが、自身の電源として接続して電池を利用するため、ダイオードによる充電方向付けはできない。また過放電防止のために電池電圧11.5Vで出力断、12.5Vで出力復帰する。
コントローラーの出力(20A)は無線機(IC-7300)を始めPC・無線LAN端末・カメラ・HUB等の情報機器へ配電される。この場合機器によって異種電圧が存在するためDC/DCコンバータで適宜変圧する(系統図参照)。これら機器の待機電力は24時間供給されることになる
充電器は13.8V/30Aの定電圧電源で、逆流防止ダイオード経由で鉛電池を充電する。無線機運用時の電源の大半はこの充電器から供給されることになる.
ちなみに充電器は無線運用時に起動する発電機からAC100Vが供給される。このため鉛電池はソーラーパネルと発電機による電力で充電・維持されることになる。
左はタワー4段目と5段目のつなぎ部分に引っかけたソーラーパネル2枚。南東と南西を向いている。下はゴムベルトで仮固定している様子。
直流系の受配電
収容箱背面に木板を取付け直流系の整理を行う。SorlarAmpBと8Pの端子台を取付け、ソーラーパネル2枚分、鉛電池、負荷を系統毎につなぐ。大分らしくなった。木板の右手はアンテナ切替(上)とリニアアンプ切替(下)の各リレーボックス。右手はHFリニアアンプHL-2.5KFX(下)と自作GU-74B/50MHzリニアアンプの背面。
5-2 EG-2600Rについて
セルモータ起動2600W交流発電機
AC/100V発電機をリモート制御して無線機・リニアアンプ電源を確保する。
リモート条件として、オートチョーク機能、起動・停止制御とステータス表示の外部インターフェイス機能等を備えていることが上げられる。
この条件に合うリーズナブルな発電機を探したが、国産メーカー製は高価かつオートチョーク機能は皆無で早々に選択肢から落ちた。
海外製でSF-2600Fと称するガソリン4サイクルエンジンをベースにした2.6KWインバータ発電機が目にとまった。発電容量は最大で2.8KVA。
これをベースに改修を加え、オートチョークとリモコンを付加したEG-2600Rと称するインバータ発電機が
(株)ドリームリンク
より発売されていることが分かり、電話と数回のメールのやり取りを経て購入。
左は左サイドビュー。下はエンジン点検窓と電池点検窓を開けた右サイドビュー。リコイルノブも見える。オイルは約500ccを給油。電池はコネクタをつなぐ。ガソリンは上部キャップを外して行い、初回給油時のみ右サイドのオレンジ手動ポンプを7回程押してキャブレターまで燃料を送る。
左サイドの制御パネル。キーを差し込んで→停止→始動へ回すとセルモーターが起動しエンジンが掛かる(始動位置からリコイルスタートも可))。エンジンが回り出し8秒程で発電誘起が行われ、出力コンセントに発電出力が出る。保護用のNFBは有るが、いわゆる出力スイッチなるモノは無く、電子的に行っている模様。したがって負荷をつないだ状態での発電・停止も可能と思われる。
写真下は制御パネルの裏側。外部からの起動接点や発電機のステータスはここからハード的に取り出す必要がある。もっとも起動・停止については、オリジナリティを崩さない意味で付属のリモコンへ手を加えるのがベター。
奥に見える黄部分がインバーター、白部分が燃料タンク、赤部分がスターター。配線を良く見ると改修が行われたことが分る。
左は背面サイド。排気口が見える。排気は非常に綺麗だ。下は取扱説明書と付属品。写真にはないが600ccのオイル給油カップも付属している。
左上より、取扱説明書(オートチョークやリモコン改修分については記述無し)、点火プラグレンチ、ドライバー、オイル延長パイプ、起動・停止キー&リモコン、ヒューズ、DCケーブル。
左は起動・停止キーとリモコン。2式付属している。
下はリモコンの内部基板とケース。基板の左手に2つプッシュスイッチがある。キーを抜いた状態で、右側を2回押すと始動、左側を1回押すと停止。右の電池はDC12V 27A型。
無線LANでIP伝送された制御接点からこの条件を満たすパルスを発生させ、これらスイッチを開閉すれば自宅PCからの発電機制御が可能になる。
外部インターフェイス
起動・停止…IP伝送端末とのインターフェイス。制御項目2つを使うのは勿体ないので、1項目の接点パルスのみを利用した回路を考える。
起動時→1秒パルス2個(2個以上の連続)、停止時→1秒パルス1個をIP接点伝送端末出力のON/OFF接点出力からハードロジックで生成する。両者の区分けは時間的な遅延処理(例えば起動後5秒後からは停止制御のみ受け付け)で行う。
ステータス表示…@発電誘起、Aオイル異常、BNFB断、C燃料等の状態をIP接点伝送端末へインターフェイスする。発電誘起とオイル異常は制御パネル表示LEDからフォトカプラ(フォトサイリスタ等)で行う。NFB断は出力NFB開放時の端子電圧検知をフォトカプラで行う。燃料計は付属していないので何らかのセンサーを燃料タンクに仕掛け、これもフォトカプラで取り出す。
所 見
…ネット上では類似した輸入発電機が数多く出展されています。しかし仕様が不明確だったり、現物とWebサイト上の記述・写真が食い違ったり、取扱説明書が不十分(無記載、誤記)だったりとリスクを伴う状況です。また出展社の対応も様々で、案内している電話番号が存在しなかったり、一度も問合せメールに返信の無いところや、2回目以降の再質問で返信が途絶えるところなど、怪しさも伺えます。購入にあたっての基本は、直接電話で話をして担当者名を聞く、並行してメールのやり取りをする、保守体制が整っている、支払いは着払いを原則とする等の購入側の防御は必須です。
オーナーの場合は数社にお尋ねをして最終的に(株)ドリームリンクより購入しました。ただ、取扱説明書の不備やWebサイトとの不一致等が有りますが…。
発動発電機やインバータについての総合的な知識が無いまま購入することも危険ですので、それなりの予備知識や訓練が必要だと思います。回りに誰もフォローしてくれる人が居ないことを前提に購入を考えるべきでしょう。
なお購入したEG-2600Rの動作は快適です予想以上の出来です。リモコンも見通しで30mは制御可能(それ以上はテストしていません)です。起動時の2度押しは元よりリモコンの説明書が付属していないため、使いながら判明すると言った具合です。
一般のユーザーなら即クレームとなりそうですが、そんなもんだと思った方が良さそうです。もちろん苦情は伝えますが。
5-2 EG-2600Rの負荷試験他
@2.6KW負荷での電圧・電流・波形・燃費・インバータノイズ。
A1KW負荷での電圧・電流・波形・燃費・インバータノイズ。
B500W負荷での電圧・電流・波形・燃費・インバータノイズ。
Cイグニッションノイズ。
D受信機ノイズの比較(対商用AC)。
5-3 リモコン子機とのインターフェイス
EG-2600Rのオリジナリティを崩さないで外部リモートを可能にする方法を考える。
左側面の制御パネルを外してコネクタを取付けてI/Fする手もあるが、起動・停止に関しては付属の無線リモコンに手を入れる改修を考える。幸い2個のリモコン子機があるので比較的柔軟に対応できる。但し、このリモコン子機はEG-2600R本体と対になっており、他のEG-2600Rでは動かない。このため予備機側も含めたリモコンの改修が必要となる。
また発電誘起はAC100V出力を検出するか、制御パネルのLEDをフォトカップルする。オイルは制御パネルのLEDをフォトカップルする。温度はサーモスタットを発電機又は機器ケース近傍に置き接点を取り出す。などのインターフェイス方法を考えている。
左は発電機ワイヤレスリモコンのボタンをリード線で取り出し、IP伝送装置及び小型リレーへインターフェイスした様子。
すなわち、クライアントPC側から発電機起動A(2点)・停止(1点)の情報をIP伝送装置経由でリモートシャック側へ送り、IP伝送装置端末出力(オープンコレクタ)でDC5Vリレーを駆動、その接点でEG-2600Rワイヤレスリモコン子器のボタンを叩く仕掛けだ。
当然だがリモコン子器によるローカル制御も可能である。
上述の様に、リモコン子器と発電機の制御は対になっているため、他の発電機やリモコン子器では制御できない。
予備発電機子器も同様の改修を行い、リレーとの接続をコネクタにしておくことで、発電機不具合時のバックアップに柔軟に対応できる。
なおリモコン子器はDC12Vの電池が内臓されているが、リード線の引き出しにGNDラインを加えれば、その電池は不要になる。 発電誘起は発電機出力に携帯電話充電器の出力を(5V)利用してDC5Vリレーを駆動し、その接点を利用しIP伝送装置で送り返す。
お繰り返しはもう1系統とれるので、これは温度・発電機異常として、40℃サーモスイッチ(室温)と発電機LEDステータスの総合情報として使う。