高1中2受信機(周波数直線VC使用)





回路図は誠文堂新光社発行の「初歩のラジオ」1967年10月号のP176〜177からの転載。製作・執筆はJA1APT/金平OMとJA1QLV/辻OMであった。「初歩」と言っても、今から考えると理屈はともかく内容はかなりハイレベルだった言える。1970年前後に多くの高1中2(高周波増幅1段・中間周波2段増幅)受信機を作ったが、唯一手元に残った高1中2の参考になったのがこの記事(回路図)。
私のWeb(HandMadeRadio)をご覧になったJF1HVX/江田氏より送って頂いたコピーから電子化したもの。また表紙写真は江田氏のWebからの転載。江田氏が小学生時代に初めて手にした初歩のラジオは、実はこの号で相当な思い入れがあるようだった。既に30数年を経て私の手元には受信機しか残っていなかったが、届いた記事や回路図を見てその当時の事が克明に思い出される。お金は無かったが時間と気力はいっぱい有った時代だった。
当時、TRIOの9R-59や9R-42等の回路をそのまま取り入れた自作記事が多かった中で・・・
@430PFのVC主流時代に180PF周波数直線VC(松下電器3DX-18)を使用
A周波数変換の主流6BE6の代わりに、発振と混合を分離するために6U8を使用
B当時は珍しかったプロダクト検波(12AU7/2)を搭載
CアンテナコンペンセーションVCの設置
DAM検波とAGC用のダイオードを分離
Eハイバンドはクリスタルコンバータ(コリンズ型)で対応する考え方

・・・と、この記事は中学生だった私の製作意欲を大いにかき立ててくれた。TRIOのKR-430なるコイルパックにAlpsのB-37/430PFの3連VCで作るシングルスーパーの高1中2は、SSB時代にはお世辞にも通信型とは呼べなかった。それを知っていたから9R-59/9R-59D等には目もくれなかった事を思い出す。写真はその記事を参考にして、1969〜1970年に製作した高1中2受信機で、SWL/BCLや7MHzのSSB初運用に活躍した。同調ノブは、静岡の岩崎ラジオのオヤジさんにTL-911用大型ノブを分けてもらい取り付けた。ノブ奥には一時期フリクションのバーニアメカを組み込み、SSBの同調を取りやすくしていたが現在は外してある。