デジタル温度計の比較(Jun 9, 2009)
友人のJG2CMJ守山氏からカスタム社の放射温度計CT-2000D(赤外センサー式・レーザーポインタ付)がQSYして来た。直接被測定物に接触せずに温度測定が出来るスグレモノだ。近年はこの放射温度計が広く出回っている。離れた所から非接触で温度が図れるから、リニアアンプのプレート温度やタンクコイル温度など、動作中での測定を容易に行うことが出来る。従来では考えられなかった測定データを手中にすることが可能となった。
それで、接触型のモノとどの程度の表示差があるのか興味があり測定してみた。比較対照はT&D社の「おんどとりRH」(サーミスタセンサー式・1998年購入)。ダミーロードのヒートシンクに、おんどとりRHのセンサーを銅シールで貼り付ける。一方CT-2000Dは、真上50cmの位置から銅シールへレーザーポインタを当てた。ダミーロードにRF(14MHz/CW/50W)を連続給電し、おんどとりRHの表示を5℃おきに上昇させた時のCT-2000Dの表示を記録。CT-2000Dのレーザーポインタは銅シール上の温度最大点を探した。
測定データを下表に示す。これらの数字はオーナーの環境と測定の場合と言う事なので誤解なきようお願いしたい。
CT-2000Dは非接触の強みで-30〜550℃とワイドレンジを実現しているが、おんどとりRHのセンサーは-60〜155℃と測定範囲が限定されている。したがって極一部についての比較と言う事もご了解頂きたい。
写真の左がおんどとりRH、右がCT-2000D、上はチップ抵抗型ダミーロードで、おんどとりRHのセンサーが銅シールで押さえられている。CT-2000Dは0.5℃ステップ、おんどとりRHは0.1℃ステップの表示がなされる。それぞれの特徴を生かした使い分けが必要だろう。
CM-2000Dは約50cm離れた真上から測定したが、距離や入射角の変化による偏差についても興味があり後日測定する予定だ。距離については大雑把ではあるが明らかに変化を感じる。距離が伸びると手ブレの影響もあり微妙である・・・。