TL-922のツェナーダイオードの不思議
TL-922を使われている方の多くが経験しているトラブルです。
運用中にバイアス用ツェナーダイオードが短絡しバイアス電流が300mA以上(Ep=2.5KV)流れプレート損失が増加します。
流れすぎるとA級動作に近くなり、低ドライブではIpの変化が無くなります。
ツェナーダイオードの許容損失を超えた運用をした場合や管内でフラッシュが発生した時などに発生します。
写真左はTL-922のツェナーダイオード実装状況です。
オリジナルのTL-922ではToshibaの1S265(7.5V)が使われていましたが、製造中止で供給困難になりました。
現在ケンウッドではITT社のZX7.5を補修部品として用意していますが非常に高価です。
オーナーは類似品の1DZ8.2(日本インター)やRD9D(NEC)を代替として使用しています。
ツェナーダイオードによるバイアス回路は簡単で良いのですが、部品の供給面で課題がありますので、思い切ってバイアス電源を作るのも手かもしれません。
この場合は各管毎にバイアスを設定できるメリットが発生しますが、シンプルさが犠牲になります。
写真左下は補修用として持っているNECのRD9D(左)とITTのZX7.5(右)。右下はNGになった初代1S265(右)と2代目1DZ8.2(左)。 なお、どうしても高電力のツェナーダイオードが
入手出来ない時の対策
として、小電力ツェナーダイオードとパワートランジスタを組み合わせて代替えする事が可能です。