2009年11月号 第285号

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イタリア団参を終えて

 ありがとうございます。イタリア団参の報告をさせていただきます。出発の10月15日の朝、関西空港の一室にて結団式の時、北海道から九州まで各地から集まってこられた28名のご信者さんと御導師、添乗員さん(清雄寺のご信者さんです)と総勢30名が集まり、初めてお会いする方々に緊張しておりましたが、9日後、再び関空に到着した時には別れを惜しむ間柄になっていました。同じご信心をさせていただいているというだけで、こんなにもすぐに親しくなれるのですね。

 ご信者さん達の体験や思いをゆっくり聞かせていただけるというのも団参の有難いところなんですね。忘れてしまわないようにしっかりメモをとらせていただきました。

 まずはミラノへ到着です。イタリアらしい建物群に迎えられてしばし興奮です。その後バスは一路バレーゼへ。バレーゼはイタリア北部の山の上の方に位置し、避暑地に訪れる人たちの別荘が立ち並ぶリゾート地です。ホテルも丘の上にあって、見晴らしが良く、眺めはスイスのようだとか(わたしはスイスへ行ったことがないので・・・)。

 お部屋はとてもかわいいおとぎの世界のような部屋でした。バルコニーもついていて大はしゃぎです。日本人の団体が宿泊したのは私たちが初めてだそうです。

 ホテルから車で30分程のところにトラダーテという町があり、そこにマリア・ピアさんが住んでおられます。マリア・ピアさんのご自宅に30名の団参者は入りきれませんので、集会場を借りて御講を奉修するということです。
バスが集会場に到着しますと、会場の前にイタリアのご信者さん方が出迎えてくれました。その中にはティッチアーノさんの姿が見えます。良誓師ももちろんいます。皆さんカタカナで書いた名札をつけてくださって、とてもうれしそうな明るい笑顔で出迎えてくださいました。

 「無始已来・・・」と御講が始まりますと部屋中に声が響き渡り何ともいえない荘厳な雰囲気でした。イタリアでお看経をさせていただいているんだと思うと胸がいっぱいになって声が詰まってしまいました。

 御導師の言上が始まるとシーンと静まり緊張感が・・・。「妙絢師(みょうかんし)」の誕生でした。御導師から「女性の学徒として期待が高まります」のお言葉に妙絢師の目には涙が溢れ、イタリアのご信者さんもティッシュで目を押さえておられました。

 御法門は英語 → イタリア語です。こうして日本の仏教・本門佛立宗が伝えられていきます。イタリアの方にはどんな風に伝わっているんだろう?写真を撮るふりをしながら振り向いてみますと、皆さん真剣な表情でした。後日ローまで御導師が仰っておられましたが「イタリア人に伝えていくことは大変なことで、きちんと理解された方が信者として残っていかれる」のだそうです。

 バレーゼでは手作りのご供養をいただいて、お土産まで用意してくださってました。妙絢師がうれしそうに「オープン」「サプライズ」と勧めてくださるのでお土産の袋を開けてみると手作りの匂い袋が入ってました。その袋には佛丸が刺繍されています。女性の信者さん方が3日間夜なべをして作ってくださったそうです。

 日本人がほとんどいないような地に30名もの日本人信者が参詣して学徒式が行われたことをとっても喜んでおられました。おもてなしの姿に、その思いがビンビン伝わってきました。

 バスが見えなくなるまで皆さん手を振って見送ってくださいました。これからバスはフィレンツェへ。フィレンツェでは香風寺別院があり、そこでの御講奉修です。良誓師が見つけて決められたというお部屋へ。

 ここは半地下になっていて、窓は高いところにあり、真っ白な室内への日の光が明るく差し込んでいます。照明も間接照明になっていて落ち着いた雰囲気です。そんな中にもどっしりと御宝前がおまつりされていました。

 交流ということで日本人の私たちがまとまって座るのではなく、イタリアのご信者さんと日本人の私たちが交互に着席して御講が始まりました。とっても気持ちの良い御題目の声が響き渡ります。イタリアのご信者さん方の真剣な声や表情に「国の違いなんてまったく関係ないんだなあ」とあらためて感じました。皆さん素敵なご信心でたくさんの御利益談をいただいているそうです。

 私たちは毎日でも御法門を聴聞させていただけ、日本人の感性でご信心ができるのに・・・。

 日本という国に生れて、香風寺の信徒としてご信心させていただいていることに、もっと感謝させていただかないといけないと思います。

 最後はローマで麻樹さんとマッシーさんのお宅で御講です。とっても良いお天気に恵まれて気持ちの良い日でした。

 素敵なお部屋におまつりされた御宝前様。なんだかホッとしてなつかしい気持ちになりました。久しぶりに香風寺のご信者宅にご参詣させていただいているような気がしました。今までの二席でのソワソワしたような、緊張したような感じではなく、じっくり落ち着いてお看経をさせていただきました。

 後日、浜野御講師(大分・光道寺日田別院)の奥様も「何かわからないけど込み上げてくるものがあったんですよ」と感想を述べておられました。麻樹さん宅での御法門は日本語で、やっと私たちにも理解できました。見えない物を感じる感性が大切ですとの御法門でした。

 香風寺から参加の4名。イタリアの地で元気いっぱいでお看経をさせていただき、また、自由気ままにローマ滞在を楽しみ、イタリア団参を満喫させていただきました。御導師にはご迷惑、ご心配をおかけしたと反省しつつ、本当に充実した楽しい旅行をさせていただいたことに末筆ながら御礼申し上げます。本当に有難うございました。

 糖尿病もどっかへ吹っ飛んでしまったような気がします。

●横田さん有難うございました。血糖値を計りつつの旅だったと思いましたが、それも忘れて、おいしいご供養を人一倍召し上がったようです。

●今回はザッと団参の流れと、横田さんなりの視線で捉えたイタリアでの御講風景を述べていただきましたが、次回からはイタリアでの御講を参詣者の一人として、香風寺の信者の一人としての感想などを伺いたいと思います。お楽しみに。


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