*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

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【もう少し?】


 アメリカの第20代の大統領になったガーフィールドが大学生のとき,クラスメートに数学の成績が抜群の学生がいました。(今に彼を追い抜いてやる)。負けず嫌いのガーフィールドは猛勉強を始めました。しかし,どんなに努力しても,数学はいつもその学生の方がよくできました。
 ある晩のこと,ガーフィールドが勉強を終えてベッドに入ろうとして,何気なくその学生の部屋に目を向けると,明かりがついています。「いったい,彼はいつまでがんばるつもりなのか」。明かりが消えるまで起きて見ていたところ,十分ほどして暗くなりました。
 ガーフィールドは,思わず膝を叩きました。(そうだ。この十分間だ)。彼は次の日の夜から,十分間だけおそく寝るようにしました。そしてその分だけ多く数学の問題を解きました。その努力のかいがあって,ガーフィールドはついにその学生を追い抜いて,トップに立つことができました。晩年,ガーフィールドが大統領に就任したとき,その当時のことを回想して語りました。
 「あのことは,今から思うと取るに足りない若いときの野心のような気がするが,決してそうではない。『十分間を利用する』,これが全ての仕事において,成功を収める秘訣である」。
 子どもが「勉強をがんばります」と言います。具体的にはどうすればいいのでしょう。宿題などしなければならない勉強があり,仕方がないからします。これでは成績はそこそこでしょう。何をどうがんばるかが大事です。先ず一つでも多くの練習問題を解くことです。できる問題からできない問題に出会って,自分の能力の最先端に進みます。そこに勉強すべきことがあります。次はどう取り組むかです。時間が来たから止めようというのではなく,もう十分間だけがんばろうと思ったとき,主体的に取り組む態勢になります。しなくてはいけないからではなく,しようと思ってする,その姿勢によって頑張りは自分のものになります。
 問題に直面したとき,何をどうすればいいのかという解決の道を考えることになります。自分にできることをもう少し続けてやってみようと思うことが解決のゴールに届く姿勢です。
(2017年06月28日)