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【生きる羅針盤の提案(57):子問題7】
人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,人権という言葉が目指すものに言い換えると人が穏やかに生きるための羅針盤と考えなければなりません。だからこそ,先に示した子どもの育ちを考える羅針盤としても有効になることができたのです。ここでは,「生きる羅針盤」としての様子を描き出しておくことにします。ふと立ち止まって,「生きるとは?」という疑問に出会った際に,その思考のお手伝いができたら幸いです。
「私が生きる羅針盤」を考える第57版です。子どもに多い問題行動を7つ選び出している記事が目にとまりましたので,生きる羅針盤に参照してみました。
※参照先の「【子どもに多い問題行動7選】その心理と5つの対処法を徹底解説」は
こちらです。
【1:親の言うことを聞かない,無視する】
《説明》お子さんの問題行動に多いものに,親の言うことを聞かない,無視するということがあります。具体的には,「ダメ」「やめなさい」と叱っても言うことを聞かない。親の注意を無視する。親が叱るようなことをあえてやる,といったものです。多くのお子さんが,反抗期にはこれらの行動をとり,親を困らせてしまうものです。そのため,多少の問題行動であれば,一時的なものとして対処していれば,成長するにつれて解決していくことが多いです。しかし,場合によっては,親に対する愛情不足や不満を抱えていて,構ってほしいがためにそのような行動をとっているということもあります。
※私たちが子どもの育ちに寄り添う際に見届けなければならないポイントは,もう一人の子どもが自分を大切にしようとしているかということです。親の支配を脱して自分を生かそうとする反抗期は,育ちの大事な通過ポイントです。ただ,親の言うことにことごとく反する程度が酷いときには,見習いたい親と思いたくないという親子のつながりの解消を迫られているのかもしれません。問題行動ではない部分で,子どもの求めを引き出してみましょう。《WHO》
【2:親や友人への攻撃的な態度】
《説明》お子さんの問題行動に,親や友人に対して攻撃的な言動,行動を取るというものもあります。お子さんから攻撃的な態度を取られると,親としては感情的になったり傷ついたりしてしまいますよね。また,「このまま攻撃的に育ってしまうのかな?」と将来が不安になることもあると思います。攻撃的な態度も,反抗期であれば多くのお子さんに見られるものです。そのため,一般的なレベルなら異常なものとして捉える必要はありません。しかし,お子さんの中には,心に問題を抱えていて,自己を防衛するために攻撃的になっている場合もあります。
※私たちが子どもの育ちに寄り添う際に見届けなければならないポイントは,親や友人の間に信頼というぬくもりを持つことができているかということです。攻撃的な振る舞いは,背景に怖いというマイナス感情があって自己防衛をしているつもりです。人とのつながりからは安心という感情を取り入れて,子どもは育っていきます。自分の周りにいる身近な人との関係を信じることができると,育ちに向かっていくことができます。自己防衛は閉じこもりになり,育ちを封印します。《WHERE》
【4:嘘をつく】
《説明》お子さんの問題行動として,嘘をつくことも多く見られます。具体的には,やってない宿題を「やった」と言う,学校での喧嘩やいじめについて「やってない」「知らない」と言う,などです。もちろん,どのようなお子さんでも嘘をつくことくらいはありますが,それが頻繁であれば親としては不安になると思います。お子さんの嘘が常態化しているという場合は,親子関係に問題があるケースが多いです。
※私たちが子どもの育ちに寄り添う際に見届けなければならないポイントは,真実の表現をしているかということです。自分を庇うために、もう一人の子どもが嘘をつくようになると,本当の自分を表に出せなくなっていきます。そのまま状況が広がってしまうと,自己理解が混乱してしまって,育ちのコントロールができなくなります。ありのままの自分を表現していく中でこそ,素直な育ちを積み重ねていくことができます。こそこそした状況では,育ちはできません。嘘をつかなくて良い関係でいることです。《WHEN》
【6:校則や家庭のルールを守らない】
《説明》お子さんの問題行動に,校則を守らない,家庭のルールを守らないというものも多く見られます。具体的には,登校,下校時間や授業の開始,終了時間を守らない,校則で禁止されているのに,制服を着崩す,髪を染める,家の門限を守らず,夜遅くまで遊んでいるといったものです。これも,普通のお子さんでも反抗期であれば多少は見られる行動です。しかし,親や先生が強く注意しても行動を直さないような場合は,お子さんが心に問題を抱えている可能性があります。
【7:非行に走る】
ここまで紹介した以外にも,飲酒,喫煙,自転車などの窃盗,万引き,暴走行為,深夜徘徊,かつあげといった不良行為,非行を行っている場合もあります。
お子さんにこのような行動が見られる場合,それは一時的な反抗期という枠を超えた問題行動であり,いち早く対策を練ることが必要です。
※私たちが子どもの育ちに寄り添う際に見届けなければならないポイントは,他者を意識した自らのありようを保持しているかということです。人間であるという育ちの目標は,人とのつながりのありようです。敵対していては共生できませんし,それは人間という間合いを喪失するからです。お互いに自制し守るべき所作を保ってこそ,
周りの人たちとの共生を円満に維持することができます。自分を見失うことがないように自らを律する能力を最低限備えてから,育ちが進みます。《WHAT》
【3:ものを壊す,投げる,叩く】
《説明》お子さんの中には,物を壊す,投げる,叩くといった乱暴な扱いという形で問題行動が現れる場合もあります。特に,感情を適切に表現できない,不満を溜めてうまく解消できない,というお子さんに多く見られる問題行動です。これらの行為があると,物が壊れてお金がかかったり,人に当たって怪我をさせてしまう可能性もありますので,親としてもとても心配になると思います。普通のお子さんであれば,物を乱暴に扱ってはいけないことが分かっているため,たとえ不満が溜まっていてもそこまで激しい行動はとらないものです。そのため,物に当たるという問題行動が日常的に見られるお子さんの場合,何らかの大きな問題を抱えている可能性が高いです。
※私たちが子どもの育ちに寄り添う際に見届けなければならないポイントは,こうしたらこうなるという経過を認識できているかということです。ものを投げたら壊れて,使い物にならなくなるという因果です。その理解ができると,先が見えるようになります。今日頑張ったら,明日はできるようになる,その期待が育ちを促します。壊れるのが分かってわざと乱暴にするのは,それなりのペナルティで対応せざるを得ません。それが,まっとうな因果に気づかせることになるでしょう。《WHY》
【5:学校をさぼる,不登校】
《説明》お子さんの問題行動に,学校を勝手にさぼる,遅刻して行く,特定の授業をさぼる,不登校になる,というものも多く見られます。このような問題行動があると,「このまま学校にまったく行けなくなるのではないか」「引きこもりになってしまうのではないか」と不安になってしまうと思います。学校をさぼる,不登校になるというのは,様々な問題行動の始まりにすぎず,これからさらに悪化していくことも多いです。その原因には,学校にあるもの,家庭にあるものもありますので,適切に対処していくことが重要です。
※私たちが子どもの育ちに寄り添う際に見届けなければならないポイントは,自分が今直面していることに取り組もうとしているかということです。学校で勉強する,そのことに向き合っていくことが,育ちです。自分をその場から外すことは,たまにはいいのですが,常時となると自分を逃避させることになります。学校という環境や学習の課題,そのほかに合わない部分が紛れ込むこともあります。ちょっと脇に置いて,向き合えることを他に見つけるようにすべきです。《HOW》
○以上,私たちが子どもの育ちに寄り添う際に見届けなければならないポイントは,子どもが育ちに向きあっているか,その環境が維持できているかということです。育っているのは子どもです。親が育てようと思っても,子どもが育とうとしなければ,意味がありません。子どもはあれこれに取り囲まれ,あれこれに目移りし,あれこれに関わりながら,うろうろと育っていきます。少し迷うことも、練習問題のつもりで,経験させますが,やり過ぎないように見守るのが,養育の責任です。
頃から自分を意識できる機会を定点的に持っておくことです。寝る前に一日を振り返るとか,連れ合いと語り合うとか,お茶を飲みながら反省してみたり,もう一人の自
子どもの問題7行動を「生きる羅針盤」に対応させてもらいました。これまでの対応事例と同じように,あまり違和感もなく整理をすることができているはずです。それぞれの想定している世界観における具体的な表現は違っていても,人が思い至る幸せに生きる境地は本質的に同じ構造になっているようです。それぞれを別個にしておかずに,まとめていく作業から,人の生き方について深い理解が得られるのではないかと期待しています。
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社会に真剣に向き合って生きていくことは,人として誰もが願っていることです。ただ人には本能から派生する弱さもあります。その弱さを押し込めていく意思が必要になります。そしてその意思は目標を必要とします。それが羅針盤なのです。
人としてすべきことから外れないようにすることは大事であり,それは誰にとってもできることであり,気持ちの良いものです。しあわせは誰かだけにあるのではなく,皆に同時にあるものです。権利を守る,言葉は堅く響きますが,人として生きていく自然な姿であればいいのです。
(2026年03月08日)
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