□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2002/12/16]            【子 育 て 羅 針 盤】                               (第115号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□  人生は退屈すれば長く,充実すれば短い。                            ・・・・・シラー  子育ては苦にすれば長く,楽しめば短い。                      ・・・・・H.モリのクマさん ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★ママの?★        『ママはなぜペットを飼わないのでしょう?』                               (第47号) ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  お友達の家にはペットを飼っています。とってもかわいくて,お兄ちゃんと 一緒に「家でも飼って」とママに頼んだことがあります。でも,ママは許して くれませんでした。私たちがもっと大きくなって,面倒をみてやれるまで待つ ように言われました。どうして今じゃいけないのかな?  小さい頃からイヌを飼っている女の子は,どこか生意気になるそうです。イ ヌは飼い主のいうことをよく聞きます。「おすわり」とか「お手」くらいなら, 言葉も理解します。だから,イヌが家にいると,小さい頃から命令することを 覚え,相手がそれに服従するのが当たり前という感覚になり,つい人間に対し ても同じように思ってしまいます。  一方,ネコを飼っている女の子は気が弱くなるそうです。ネコは人間のいう ことなど聞かないし,飼われているくせに威張っています。そんな動物と一緒 にいると,世の中は自分の思い通りにはいかないものと,幼い頃から思いこん でしまうからです。  ママは私が生意気な子にならないように,気の弱い子にならないように気配 りしているのかもしれません。もうちょっと大きくなったら,きっと飼っても らおう! ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★子育てチェック12条★         『背伸びして 転けても育つ 健気な子』                              《第9-11講》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  ■はじめに  講演会で,講師が最も気を遣うことは何だと思われますか? それは開始早 々の1分です。第一印象が講演の勝負です。出だしの1分にどれだけ聞き手の 気持ちを掴めるかということが,残りの時間の成否を決めます。有名なタレン トさんであれば存在そのものが既に周知されていますから,第一印象の壁はあ りません。  名も知らない初対面の者から話を聞こうというのは,普通ならよほどの暇人 であり,たいていは玄関払いされるのが落ちです。そこで,講演会では必ず最 初に講師の紹介がなされます。この人は安心できる人だということを身内の方 が保証をするのです。あの方が紹介されるのだから,まあ信用してもいいだろ うと思っていただき,取りあえずどんな話を聞かせてくれるか,しばらく聞い てみるかということになります。  はじめて会うので,是非聞きたいという気持ちは持ちようがありません。講 演題目からすると,話の内容は大体見当がつきますので,どうせ同じような話 だろうと,大して期待はされていないでしょう。それが当たり前です。名もな い講師は,最初からたいへんに分の悪い登場を強いられているのです。  聞き手の方は最初だけは聞いてやってもいいという態勢ですから,講師にす ればウルトラマンの胸に点滅するピカピカが,登場の瞬間にスイッチが入るよ うなものです。時間は3分しかないのです。この短い時間にやっぱりとか,な んだという感想しか与えられなかったら,聞き手の方の耳の扉は非情にクロー ズされてしまいます。後は子守歌代わりにしか聞いていただけません。  講師が次に気を遣うのは,何でしょうか? それは終了の時刻を守ることで す。「講演会 終わりを待って いた拍手」という川柳のように,講師から聞 かされる言葉の中で最もうれしい言葉は「終わります」という一言です。心の 中で「待ってました」と叫ばれていることでしょう。タモリの「笑っていいと も」でゲストの話が終わりになると,観客が「エッー」と絶叫します。あの叫 びはつくづくうらやましいですね。もっとも格が違いますけどね?  こんな報われない講演をなぜわざわざ引き受けているのでしょうか? 強い て言えば,母と子の絵姿が美しいからです。たった一組の母と子であってもい いから,美しさを失わないようなお手伝いができたら,そう願っているだけで す。変わったクマさんがいるものですね? ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  【質問9-11:子どもに失敗を許していますか?】      ・・・・・「失敗を許す」という内容について,説明が必要ですね ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○第11条の意味?     全体の構成である「誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,    何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのか」という問題設定の    六番目,「どのように育つのか」という問題に辿り着きました。子育ち    には基本的なプロセスがあります。結論を先に言っておくと,「失敗・    反省・学習・挑戦」という4サイクルが繰り返されて育っていくという    ことです。     何でも最初が肝心です。育ちのプロセスに入りさえすれば,後は比較    的楽に進行します。この取っ掛かりで止まってしまうと,育ちができま    せん。滑らかに滞りなく育ちが進むように,親が見守っておく必要があ    ります。ところが,往々にしてせっかく育ちが始まろうとするのに,親    が余計なちょっかいを出すので,エンスト状態に陥ることがあります。     親は子どものためによかれと思っているところが辛いところです。か    つて県の教育委員会から発行する子育て啓発冊子の執筆をしたときに,    前任の先生が指摘した「無意識の過保護」というキーワードを踏襲した    ことがあります。親にはそのつもりはないのですが,結果的に過保護に    なっているというアンケート調査の分析から出てきた帰結でした。     前条で育ちの意欲についてお話ししておきましたが,もう一人の子ど    もが「どうして」という疑問を持ち,その課題を解決したいという本能    が備わっているということに触れました。育ちをはじめたいと願うため    には,どうしてという疑問に出会うことが不可欠なのです。実は,それ    がちゃんとできていないから,育ちが滞りやすくなるのです。     過保護であることと,どうしてという疑問に出会えないことは,子ど    もの育ちにとってとても重大な機会喪失になります。この点について具    体的にお話ししておかなければなりません。もう一人の子どもが子育ち    に着手するか否か,というターニングポイントであるからです。        ・・・《育ちのプロセスは,小さなきっかけから始まります》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○魔の暗示?     卒論の修正が提出期限に間に合わないと,自殺した大学生がいました。    レンタルビデオを紛失して,自殺した高校生がいました。そこまで育て    たのに,親の悲しみはいかばかりでしょう。これらのことは何も特別の    事例ではないのが気がかりです。そこまでいかなくても,近頃の若者は    とても落ち込みやすく,もろく,あきらめが早くなっています。     小学6年生の男児が,冬休みの宿題である書き初めをしていました。    明日から登校日という前日の昼間です。そばに置いていた墨汁の入れ物    にちょっと手が触れて,テーブルの下に落としてしまいました。生憎絨    毯が敷いてあったので,墨汁がスーッと吸い込まれていきます。男児は    慌ててティッシュを持ってきて拭きますが,間に合いません。黒々とし    たシミができてしまいました。     男児は習字紙に「墨をこぼしてしまいました。ごめんなさい」と書い    て,6階のベランダから飛び降りていきました。宿題の文字は「希望の    光」だったそうです。悲しい話です。図太さがあったら,そんな詮無い    思いをさせられます。     たったそれくらいのことで?と思われることでしょう。本人にすれば    たったそれくらいのことがとても重大事に思えるのです。実は,逆のよ    うなこともあります。若者がキレルときは,たいていがそれくらいのこ    とでという理由です。ちょっとしたことで逆切れして,人に重大な危害    を加えている事例も枚挙に暇がないでしょう。     ちょっとしたことが切っ掛けになって,自分を殺したり他人を殺した    り,あっさりとやってのけます。自分の不始末であれば自分に容赦なく,    人からの不始末なら他人に容赦なく,極刑で臨もうとします。歯止めが    全くかかっていません。どうしてこんなに過敏な状態に育ってしまった    のでしょう。     これまでの一般的な子育てがそういう子どもを育ててきたとしか考え    られません。よほど覚悟して検証する必要があるのですが,まだほとん    どの親は気がついていません。ちょっとした不始末をしでかしたら,も    うお終い! 子どもたちはそう思うように育てられてきたということで    す。早く魔の暗示から抜け出させなくてはなりません。他人事ではない    んですよ!     ・・・《不始末一つで万事休すと知らない間に暗示に掛けています》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○指示待ち?     指示待ちということが言われて久しくなります。すっかり影をひそめ    たわけではなくて,珍しくなくなった,ごく普通になったということで    す。大人の論調は子どもたちを責めたり嘆いたりという風ですが,実は    大人が自らの子育てを責めなくてはならないのです。そんな子どもに育    てたのは,他ならぬ自分たち大人だからです。     会社に入って,そんなこともいちいち指図しなければできないのか,    と大人に言われてしまいます。子どもでなくても,経験したことがない    ことはできるはずがありません。まねごとに類することを経験させてこ    なかったのは,自分の子どもをほったらかしにして,育てたこともない    自分のせいです。最近よく聞かれる「体験」がそれなのです。いろんな    ことの体験をさせずに,ただ塾に行かせていれば全てのことが間に合う    という過信が,指示待ちの子どもを育てるのです。     もう一つのしつけ上の理由があります。子どもは何かをやっていると    必ず失敗をします。そのとき親は「どうして失敗したのか」と責め立て,    あげくには「余計なことはするな」と叱りつけます。こんなことが度重    なると,子どもは言われたこと以外には手を出そうとしなくなります。    だって,失敗したら叱られるのですから。     言われたらします。それでも失敗をします。でも,今度は違います。    自分でしようとしたことで失敗したんじゃない,しなさいと言われたか    らしているときに失敗したんだから,失敗したのはさせた方に原因があ    り,責められる筋合いはないという自己弁護が可能になります。失敗す    るようなことをさせた方が悪いという理屈です。     言われてすることでは叱られないという安心があります。不始末をし    ても,していいと言ったじゃないかという反論ができるのです。つまり,    子どもたちは失敗することを極力避けよう避けようと育っていくのです。    失敗を許さない子育てが,指示待ちの子どもたちを見事に育て上げたと    言えるのです。指示待ちの子どもたちは,そう育つしか仕方がなかった    というわけです。全ては大人のせいです。       ・・・《失敗の責任から逃れるために指示を待っているのです》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○安心?     ちゃんとできることを親は常に求めます。忙しい毎日に急きたてられ    て,のんびり待っている暇はありません。何でもパッパと済ませないと,    時間がないのです。子どもの世話という親の務めが効率に支配されてい    ます。子どもの世話とは,育ちを支援することです。それなのに,親の    都合が優先されて,子どもの都合,子育ちの都合などは目もくれてもら    えません。     育ちの途上にある子どもは,一から十までポッツリポッツリできるよ    うになっていくものです。さっさとできないから,親がさっさとやって    しまいます。子どもは練習を取り上げられて,できるようにはなれませ    ん。いつまでたってもできないんだから,それはさせていない方が間違    っています。     それでも子どもはどうにかして成長し続けますし,できることも増え    ていきます。一方で,しなければならないことも増えてきます。この子    はこれまではできると思いこむと,それ以上はやらせようとしません。    特に一度やらせて失敗したことは二度とさせないようにします。なによ    りもできるかどうかという親の不安を感じなくて済むからです。できる    ことだけさせておけば,安心なのです。     新しいことをやらせないと,育ちが止まります。したことがないこと    は,できるかどうか分かりません。子どもは自分の力がどうなのか分か    らないから臆病になり,親も心配だからやらせたくないと抑制します。    こうして親子とも,子どもが何処までの力を発揮できる育ちをしている    のか見えなくなっていきます。     何でもやらせてみることです。失敗していいのです。失敗の一歩手前    までは確実な実力です。もう少しでできる,それが最高の実力を示して    います。子どもはここまではできると自分の力を知ることができますし,    親もここまでは育っていると見えるようになります。     スポーツの練習では,できることの一つ先を練習します。なかなか取    れないボールを追っかけます。やがて取れるようになります。それが育    ちの階段なのです。失敗の連続を重ねることで育ちが促されます。失敗    は「育ちの芽」と考えるべきです。もし,子どもから失敗を取り上げた    ら,それは大事な育ちの芽を摘み取ることになります。     失敗を責めて,失敗がしていけないこと,そう教え込んだら育てなく    なるという意味が分かっていただけたでしょうか? 確かに失敗は親に    とっては待たなければならないので,余計な時間を必要とします。場合    によっては後始末で予定外の時間と手間がかかる場合もあるでしょう。    その世話が親としての本物の世話なのです。世話が焼ける?,親だから    こそ引き受けられるのです。     ・・・《親の安心は子どもの育ちを邪魔することでしかありません》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○健全?     健全育成。大人が子どもについて語るとき,必ず飛び出す言葉です。    健全育成とはどういうことなのでしょうか? 昔なら,真っ当な子に育    てることと言われていたでしょう。健全な子ども,真っ当な子ども,ど    んな子どもでしょう。青少年健全育成条例があります。不健全な環境の    禁止です。ピンクチラシの排除であり,いかがわしい週刊誌の隔離であ    り,援助交際の禁止などです。真っ当な大人には無用なものです。     もっと身近な局面に目を移すことにしましょう。大人は普通に暮らし    ており,その際に一つの目安を持っています。それは人に迷惑を掛けな    いということです。迷惑を掛けたら,それは真っ当ではないのです。も    ちろん,たまには人の役に立つよいこともしなければ生きている甲斐が    ありません。     子どもも普通に暮らせるように育っていけばいいのです。ここで育つ    ということをもっと意識しておかなければなりません。育っているとき    はまだ未完成だということです。子どもは失敗して周りに迷惑を掛けま    す。その迷惑をいったんは引き受けてやらないと,子どもは育つ機会を    失います。子どもからの迷惑は子育ちの必要経費だと考えてください。    代々の親たちが順送りで負担したきたツケなのですから。     大人は自分の親に迷惑を掛けて育ってきました。そのツケを今度は親    として引き受けなければ債務不履行になります。それを拒否したら,自    分の親を丸損の目に会わせることになります。親らしいこととは,そう    いう務めをきちんと果たしているかということです。「育ててもらった    親に感謝しています」と語るのは子どもですが,親になったら感謝され    る立場に替わります。自分の親には育てるのが義務と平気ですねをかじ    りながら,子どもからの迷惑はごめんだというわがままな絵柄が流行り    はしないかと気がかりです。     健全とは,子どもが迷惑を掛けたときに済まないと感じて,しないよ    うにしようと思うことです。ちょっぴり羽目を外してやりすぎたとき,    迷惑を掛けます。それに気付かせることがしつけですが,それはいきな    り叱りつけることではありません。親がすべきことはとにかく引き受け    てやることです。失敗や不始末,ちょっとした悪さをしでかして,しま    ったと子どもに思わせたらそれでいいのです。     何がいけないことか,それはやってみないと分かりません。どうすれ    ばいいか,それは失敗しないと分かりません。失敗することで軌道修正    する力を獲得します。育ちは自転車に乗るのと似ています。右に振れた    り左に振れたりすることで,真っ直ぐに進めます。良い方や悪い方に振    れることが大事であり,もしも良い方だけしか舵取りできなかったら,    育ちという自転車は倒れてしまいます。        ・・・《子どもは失敗体験から健全な舵取りを学びとります》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○過保護?     最近の親は過保護になっていると言われています。子どもを保護する    のが親の務めです。親は子どもを保護しようとします。その心根は決し    て間違ってはいません。ただ,保護の仕方が拙いだけなのです。保護と    いうことを勘違いしているところがあります。     例えば,ナイフを持たせると危ないという心配があります。親は保護    するために,子どもからナイフを取り上げました。ナイフを持っている    と必ず失敗します。手に傷を負うことで,赤い血が流れます。人の身体    には赤い血が流れている,傷つけると痛い,不自由をする,こうして生    身の人間を体感します。その体験がないから,人を刺せば血が出ること    を思いつかず,ゲーム感覚で人を抹殺しようとします。     子どもの失敗は時として痛い目に遭うことになります。しかし,失敗    を取り上げたら,子どもはいつまでも育てません。そこで親の務めは,    小さな失敗をさせながら,大きな失敗にならないように見守っていなけ    ればなりません。大きな失敗から守ること,それが適切な保護なのです。    小さな失敗もさせないように親が先回りして対処してしまうこと,それ    が過保護になります。     やっと伝い歩きを始めた赤ちゃんが転んで怪我をしないように,赤ち    ゃんの身体を掴まえて支えるのが過保護です。赤ちゃんが転んでも頭を    ぶつけて怪我をしないように周りのものの方に手を添えておくのが保護    です。転ばせないと歩く練習にはなりません。歩けるようになるという    ことは,転ばないようになることです。転ばせないと練習にはなりませ    ん。できるように育てるためには,できないことを克服させなければな    らないのです。     繰り返しておきますが,子どもに手を添えてしまうのが過保護です。    子どもは自由にさせておいて,周りの危険の方に手を添えておくのが保    護です。失敗しないようになることが育ちであると知っておいてくださ    い。親がハラハラして見守ってやらなければ,子どもは育てないのです。     過保護に育ていると,子どもは親がしてくれなかったからできなかっ    たと言うようになります。人のせいにすることを覚えていきます。その    ように育てているのですから,仕方ありません。子どものことはもう一    人の子どもに任せてください。親が牛耳ったら,もう一人の子どもは呑    気にさぼっていつまでも眠ったままになります。過保護というのはいろ    んな面で子育ちを阻害しているのです。          ・・・《手出し口出しを控えた分だけ子育ちは進みます》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  《失敗を許すとは,親であるための試練です。》 ※子どもたちに今求められているものの一つは,歯止めです。やり過ぎに対す る自制が効かなくなっています。冗談やふざけるにしても程があるということ です。予防接種はわざと感染させることで抗体を作り出させる療法です。感染 した経験がないから,暴走して危険域にまで突入していきます。  子ども時代に些細な失敗をたくさんして程度を弁え,早い立ち直りをする習 慣がついていれば,その後は深みにはまらなくて済みます。子どもの失敗は麻 疹みたいなものです。もっとも次から次へと絶え間なく続きますので,いい加 減イヤになりますが,見捨てられませんね。親になれば否応なしに許しの気持 ちを持たされるから,親は大人になれるのです。  【質問9-11:子どもに失敗を許していますか?】    ●答は?・・・どちらかと言えば,「イエス」ですよね!? □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  お届けした「子育て羅針盤」第115号は,いかがでしたか?  日差しが飛び込んでくるガラス戸は風雨に汚れています。暮れの大掃除のし 甲斐があるというものです。散らかる室内を整理することで部屋が蘇ります。 汚れ物を洗うことで着直しができます。暮らしとは壊れていくものを常に作り 直して営まれます。元に戻せるという復帰の能力が生きる力になります。壊れ たから新しいものを,それは生きるために力を使っていないということです。  次回はいよいよ最終条になります。年内には,さらにもう一回の発行期日が 取れます。何かクマさんにご質問などありましたら遠慮なくお寄せ下さい。お 待ちしております。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ※ご案内※  ●モリのクマさんのホームページは ・・・「徒然窓」=      http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear/   です。「子育て羅針盤」の「バックナンバー」,〜「掲示板」,     週刊「今週のコラム」,「子育ち12章(Ver.1,2,3,4,5,6,7,8)」,     「子育て心温計」などの受賞論文,養育アンケート調査結果,     社会教育・ボランティア組織活動の指導者用テキスト〜    などを掲載しています。 ・・・是非訪ねてみて下さい。・・・  ●大小問わずPTAや家庭教育学級などでの《講演》のご依頼も承ります。   関心をお持ちの方は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。   プロフィールをお知りになりたい方は上記のHPを参照してください。   なお,クマさんの本拠地は福岡市近郊です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆予告☆  次号では,  【質問9-12:子どもに学び方を教えていますか?】 について考えます。どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ○発行期日:2000年09月25日より,毎週月曜日正午 〇発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに) ○著者連絡: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp  〇転載許可:必ず事前に,モリのクマさんまでメールのご一報を下さい。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 〇配信の協力を頂いている発行支援システム  ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/    登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm  ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/    登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/  ◆読者と発行者を結ぶ架け橋『Pubzine』= http://www.pubzine.com/    登録・解除= http://www.pubzine.com/detail.asp?id=9104  ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/    登録・解除= http://melten.com/m/2166.html  ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○