□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2003/03/31]            【子 育 て 羅 針 盤】                               (第130号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□  運命の中に偶然はない。人間はある運命に出会う前に,自分がそれをつくっ ている。 ・・・・・T・W・ウィルソン  誕生の中に偶然はない。人間はある誕生に出会う前に,自分がそれをつくっ ている。 ・・・・・H.モリのクマさん ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★ママの?★       『ママはなぜ料理にオリーブ油を使うのでしょう?』                               (第60号) ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  植物性のオリーブ油は地中海料理に使われるヘルシーな油だそうです。ママ はどこから知ったのかそう言って,天ぷらを揚げるときに使っています。家族 の健康を考えてくれているようです。  油に含まれている油脂成分には,一価脂肪酸と多価脂肪酸があります。その 割合は,オリーブ油が7対1なのに対して,ごま油が3対4,大豆油が2対6, サフラワー油が1対7で,オリーブ油の一価脂肪酸は非常に多い割合です。こ の一価脂肪酸は,身体に悪いといわれているウシやブタの脂身の主成分であり, オリーブ油は動物性脂肪に近い油なのです。  また,コレステロ−ルを減らすリノール酸の量を100グラム当たりで見る と,ごま油44グラム,大豆油52グラム,サフラワー油76グラムなのに対 して,オリーブ油10グラムに過ぎません。  ちょっと違うみたいです。オリーブ油しか使っていないイタリアの人に太っ ている人が多いような気がします。もしかして,ママはダイエットのつもりだ ったら,逆効果になりそうです。ママに教えてあげた方がいいのかな? それ とも,パパは太めの人が好きだと言ってたから,黙ってようかな! ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★子どもと一緒に12章★         『楽しみは ママの手作り 受けるとき』                             《第10-13講》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  ■はじめに  幼い子どもの夢,無邪気でいいですね。お菓子屋さん,大工さんなどの手に 職を持った人になる,そんな夢は少なくなっていることでしょう。子どもの目 に触れる近くで,すごいなと思わせる働く姿がありません。乗り物の運転手さ んやお店やさんのような,いろんなものを使う仕事をする人が見えます。その ほかに,テレビ画面に登場する人やヒーローがいます。  作る人の目立たない姿が敬遠されているような感があります。ダサイという ことでしょうか。情報化が進んでいますが,情報は食べられませんし,ものを 動かしてもくれません。手を汚すことのない情報世界は仮想世界でしかありま せん。人が生きるのに不可欠なモノ,それを作り出すことを疎かにしてはいけ ないでしょう。弁当を作る人がいなければ,一日も生きられません。  物作りの世界がしっかりしていない社会は,健全ではありません。子どもた ちがお金さえあれば生きていけると思っているとしたら,生きる力は程遠いで しょう。確かに,お金によって生きることができる社会です。しかしながら, それは一つの側面に過ぎません。もちろん,お金はどうしたら手に入るかとい うことをきちんと弁えることが必要ですが,その前にお金で買えるモノが提供 されていなければなりません。  お金があっても,モノがなければどうしようもありません。モノを作ること がもう一つの社会の側面です。買う力が生きる力ではなくて,作る力が生きる 力であることを,子どもたちに教えておかなければなりません。買う力だけを 育てているから,金をふんだくって生きようとする子どもたちが現れてきてい ます。  作る力を育てていないから,身を売っても平気な子どもが育っていきます。 自分自身をモノ扱いにするしかないからです。自分を大切にするということは 作る力を備えることです。象徴的にモノを作ると言ってきましたが,抽象的な 価値まで含めて考えることができます。生み出す力,何事かをなせる力,創造 力などは全て作る力です。  家の中を見回してみると,ほぼ全てが作られたモノです。その中に,自分の 作ったモノが一つもないというのでは,生きているとは言えません。多少でも 自分の手の入ったモノがあれば,自分の暮らしがそこにあります。子どもがマ マの手作りに心和むのは,そこにママの生きる力を感じるからです。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  【質問10-13:お子さんと一緒に作ってみませんか?】      ・・・・・「一緒に作る」という内容について,説明が必要ですね ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○竹串を削る?     家庭二日制の対応として,地域の公民館などで子どもたちを対象とし    たイベントが催されています。全国的にどこでも実施されているのが,    お年寄りとの触れ合い企画です。竹細工を教えてもらうという伝承活動    などはお手軽に実行されています。     ある会場で見かけたのは,七夕企画でバーベキューをするために,男    子児童に竹串を削らせるというものでした。お年寄りが削って見せて,    マネをさせていました。ナイフになれない子どもたちは,苦戦していま    した。     ナイフといえば,身を守る道具,人を傷つける凶器というイメージし    か思い描けなくなって,子ども世界から抹殺されています。父親が暮ら    しの中で有効に使って見せてくれた時代ではなくなっています。ナイフ    の使い方,力のいれ具合,刃の立て方など,子どもたちにははじめての    経験のようでした。     刃先を外に向けるように削る,人のいない方を向いて作業するなど,    いくつかの注意をすれば,子どもは分かります。でも,竹串を削るのは    簡単ではありません。竹串そのものを知っていても,割り箸状に裂いた    竹の棒の中に,竹串をイメージして削り出さなければなりません。そん    なことは簡単ではないかと思われますか?     むくの材木の中に人の像をイメージしてノミを振るう彫刻家と同じ作    業をしなければなりません。材木を見ただけで,そこに人の形を思い描    くことができますか? 削った後の像を見るのは簡単ですが,削る前に    それが見えなければ,削れませんよね。たかが竹串ですが,それが見え    なければ,ナイフで削る量が分かりません。     そこで手本が必要になります。お年寄りが作ってくれた竹串を,材料    である竹の棒に当ててみて,どれほど大きめになっているか,どれほど    削ればいいのか,見極めて削ります。それも用心して少な目に削ってい    きます。まだ太い,また削る,もうちょっと,少し削ってみる,これく    らいかな。さらに,先を尖らせる部分を別途少しずつ削っていきます。    竹串一本,作るためにはいろんな要素が関わっているのです。    ・・・《見えない形を削り出すには,豊かな想像力が必要になります》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○隠し味?     味噌汁を作るといえば,水に具を入れて味噌を溶かして炊けばいい。    作ったことのない人は,できあがりの形から,そんな風に想像するかも    しれません。その通りに作った味噌汁はおそらく飲めたものではないで    しょう。因みに,おみおつけは食べるもの,味噌汁は飲むものです。ご    存じでしたか?     できあがりの形を再現しても,本物にはなりません。見えないもの,    味噌汁では味の再現をしなければなりません。ダシが入っているかどう    かが決め手です。イリコのダシは水から,削り節のダシはお湯にといっ    たタイミングもあります。味噌を溶かし込むのは,できあがり前になり    ます。作るには手続きがあり,もちろん,その手順一つ一つにはそれな    りの理由があります。     砂糖や塩,お酢やお酒など,水溶性の調味料も見えない材料です。で    きあがり前に,小皿にとって味見をして確かめます。ことさら凝る必要    もありませんが,それなりの味が求められます。お袋の味を作ってみせ    ると,ママの作ったモノが一番美味しいことになります。     ところで,店屋物が続くと飽きるのは,誰しも経験なさるでしょう。    商品としてきちっとレシピ通りに作るので,味の揺らぎがないからです。    その点,ママの作るものは同じものができません。ちょっとした分量の    違い,煮炊きの時間の違い,材料の吟味の緩やかさなど,いわゆる適当    な調理のせいです。毎日のことですから,それでいいのです。     今日のおかずはちょっと甘いとか,塩辛いとか,いつもと違うという    経験によって,子どもは砂糖や塩が入っていることに気付くことができ    ます。お菓子の甘さしか知らないと,おかずにこっそりと砂糖が入って    いることなど思いも寄りません。ちょっとずらしてみせることで,中身    が見えるようになることを知っておいてください。     一緒に作るとき,始めから終わりまで全てを一緒にしてください。途    中だけ手伝わせる場合でも,何をどうしているかきちんと見せるのです。    ときどき,しすぎたり,したりなかったり,ちょっと失敗して見せるこ    とも大事です。途中で味見をさせて,ちょっと足りなったら追加すると    いったことをしてみせるといいでしょう。修正しながら仕上げるという    手続きを教えられます。    ・・・《全く同じように作っても,出来不出来になるわけがあります》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○作業?     人は毎日何らかの作業をすることで暮らしています。朝起きて身繕い    をするのも作業です。作業とは作る業なのです。部屋を片づけるのも,    整理された環境を作ることです。人は自由になる手を獲得したことで人    として発展してきましたが,それは作るという技を発揮できたからです。     作るためには必然的に考えなければなりません。あれこれ作っている    うちに,人は知能を発達させました。子育ちも同じプロセスで踏みます。    手作業を豊かにすれば,頭脳も豊かに構築されます。手を器用に使うた    めには,それなりの高度のプログラムをインストールしなければならな    いからです。育ちとは,手作業による知能インストールと見なすことが    できます。     子どものお手伝いは,一緒に作業することが基本になります。子ども    にも何かを作っていることが分かるような作業に参画させるようにして    ください。作業は終わりの段階になると細やかな動きになるので,子ど    もには難しくなります。なるべく初期段階に関わらせる方がよいでしょ    う。     例えば,夕食のお買い物などです。献立に合わせた材料を見つけさせ    ます。カレーを作る材料が何と何かを教えることができます。できあが    ったカレーを食べているだけでは,美味しさを感じることはできますが,    作る知恵は育ちません。批評家は育ちますが,能力は未発達に抑えられ    ます。材料を知っていれば,美味しさが配合によってできあがっている    ことが見えるので,美味しさを作る能力を発揮できます。     子どもたちの意欲を育てたいと思っていますね。どうすればいいので    しょう? 作業の基本的なプロセスを身につけさせましょう。そのとき    にママが気をつけることは,1から教えようとするのではなく0から教    えることです。カレーを作ろうとするとき,まず材料を買いに行くこと    が0からの作業です。材料を揃えてからは,1からの作業です。     1からの作業しかできないと,材料が揃っていないと何もできないこ    とになります。おもちゃがないから遊べないという子どもに育ちます。    0からの作業に慣れていれば,おもちゃがなければ自分であり合わせの    モノで工夫して作ろうとします。それが意欲の出発点になります。        ・・・《買い与えることは0からの育ちを邪魔することです》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○積み木遊び?     日本の人口は1億2千万人です。学校でそう教わるとき,納得しない    子どもが出てきます。「1億2千万」というきりのいい数になるはずが    ないというのです。確かにその通りです。今は午後8時半です。ディジ    タル時計では,8時33分ですが・・・。正確さが問われない場合もあ    りますね。     イヌやネコといった言葉を使います。それは特定のイヌやネコではあ    りません。山や川も同じです。自分が飼っているレオという名のイヌは,    特別のイヌになります。「犬がいたよ」。それだけではよく分かりませ    ん。そこで,具体的な詳細が必要なら「どんなイヌ?」という質問が続    きます。でも,イヌがいたというだけでも事足りる場合もあります。     子どもが積み木遊びをします。積み上げていくと,お家や車やイヌな    ど,いろんなものができていきます。それは細かい部分を再現できてい    なくても,それらしく見えます。大まかなイメージを表しています。こ    のように大局的なイメージによって物事を把握することは,とても大事    なことなのです。     雲を見て,その形が何かに見えることがあります。人の理解の仕方と    は,自分が既に持っているイメージに似ているものを探そうとしている    からです。何かに見えないものは,見えないのです。見たこともないも    の,それは記憶に照らし合わせることができません。だから,不気味に    感じます。     ブロックを何とはなしに組み上げていくと,ある段階からフッと何か    に似ていると感じます。その記憶されているイメージを再現しようとし    て,付け足していきます。もちろんはじめから何かを作ろうと意図する    こともありますが,それはかなり慣れてきてからです。およその基本的    な形をいくつか作れるようになれば,それに修正を加えるだけでいろん    なイメージに変えることができます。     折り紙もしてみませんか? ツルは本物のツルとは違いますが,ツル    に見えます。もちろん,本物のツルを絵や映像で見て記憶しておくこと    が必要です。一枚の紙から,いろんな形が折りあげられる楽しさを存分    に楽しませてください。想像力が創造力に転化していくのですから。       ・・・《物事を大づかみにデッサンできる力が創造力の核です》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○壊れる?     子どもたちは,手作りのおもちゃを体験していないようです。おもち    ゃの店屋物です。もちろん,高価で精巧です。お小遣いで買っているガ    チャポンのおもちゃも,子どもたちの遊びを支配しています。それは子    どもたちの発想を組み込む隙がないほど,完成しています。     壊れたら手に負えません。本当はパパが修理できるといいのですが,    そんな遊びの技を身につけているパパも少なくなっています。確かに精    密な部品を駆使したおもちゃには,素人は歯が立ちません。パパが扱え    るような単純なおもちゃを与えていれば,子どもにはよい学習になるの    ですが。     身近にある物からちょっと手を加えればできるようなおもちゃを作っ    てみませんか? 壊れてもすぐに修理することができます。ママの手で    作ったクマのぬいぐるみはいかがですか? 耳がちぎれても,すぐに元    通りです。竹細工でも,いろんなおもちゃができるはずです。ペットボ    トルでも風車ができますよね。     壊れたおもちゃは,すぐに捨ててしまうのではなくて,パパと一緒に    分解してみませんか? どんな部品でできあがっているのか,普段は見    ることのできない中身を見るチャンスです。ちょっとした突起が折れた    だけで動かなくなっているといったことが,見つかることもあるでしょ    う。     接着剤でくっつけてみようか,そう言いながらやってみてください。    やっぱり無理だった。それでもいいのです。接着力の問題や,一部の故    障で全てが駄目になるということを学ぶことができます。おもちゃの仕    組みを見たことがあるかどうかは,長い一生の中で大事な経験になりま    す。ネジ一本の大事さを体験的に知っていることで,会社勤めでネジ一    本ぐらいと甘く見て仕事の失敗をすることから免れるかもしれないので    す。     器具類は乱暴な扱いをすると壊れます。可動部品の摩耗もあります。    毎日繰り返しガチャガチャやっていると終いには壊れます。それでいい    と思ってください。乱暴にすると壊れるという体験をすることで,もの    は大事に扱わないといけないと納得できるからです。おもちゃを壊して    反省する,それも大事な通過体験なのです。     ・・・《モノが壊れたとき,修理できるか診断をしてみてください》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○共生?     生き物が死んだとき,電池がなくなったと思う子どもの話があります。    無機質なおもちゃにばかりかまけていると,感覚が片寄っていきます。    今年4月7日に誕生した鉄腕アトムは無機質なロボットであるために,    産みの親の天馬博士に疎まれました。ロボットは育てなかったからです。    生き物の最も大事な特徴は,育ちがあるということです。たくさん食べ    て大きくなるのです。     生き物と戯れる暮らし,共生する体験を子どもに与える工夫をしてく    ださい。子どもの生活の中に,何か生きている物がありますか? 庭の    片隅に種を蒔けば,芽を出してぐんぐん育っていきます。露地植えでも    水の管理を怠ることはできません。それを子どもに任せてみることです。     一緒に野菜を作るのもいいですね。自分で作った野菜を食べるのは,    いろんなことを教えてくれるはずです。命を貰っているという気持ちを    味わうこともできます。大人は感性が鈍くなっていますからそんな殊勝    な感動はないでしょうが,子どもの感性はきちっと反応するはずです。     数ヶ月掛かって育てた花が咲いたとき,買ってきた花とは違う美しさ    を見るでしょう。作り上げた美しさとお買いあげの美しさとは,感じる    方に違いがあります。花そのものの美しさは負けるかもしれませんが,    成長に関わったことによって,生命を感じることができます。美しさは    本来生命に備わるものであるからです。花が美しいのではなくて,花を    咲かせている生命が美しいのです。     子どもたちに思いやりや優しさを備えて欲しいと願うのはなぜでしょ    う? それは生命あるものに向けた感性であるからです。共に生きる術    として必要不可欠な資質だからです。特別な場合を除いて,普通は物に    思いやりはかけません。イライラしたときに八つ当たりするのは,ほと    んどが物に対してです。おもちゃを蹴っ飛ばしても,足が痛いだけで心    は痛みません。     矢ガモという,矢を射込まれたカモが現れます。可哀想だと思うか,    面白いと思うか,許されないと感じるか,やってみたいと感じるか,人    としての大事な分岐点です。カモを生きていると思うか,モノと見なす    かという差です。幼い子どものうちに思いやりの感性を育てておかない    と,心のふるさとを失うことになります。        ・・・《生命あるものとの関わりが心のふるさとになります》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  《一緒に作るとは,生きることの喜びを共感することです。》 ※砂場で遊ぶ。それは砂を使って何かを作ることです。手が作っていく喜びを 知ることによって,自分の中にある生命を吹き出させることができます。何を しようかなと迷い道にはまっている子どもは,作るという楽しみを教えられて いないのです。  豊かな暮らしはあらゆるモノが備わっているから,作るという最も大事な資 質を眠らせます。それ故に,人としての育ちが停滞してしまいます。育ち上が った大人はいいのですが,これから育とうとする子どもには不適当な状況です。 作るという形による育ちを見直してくださいね。  【質問10-13:お子さんと一緒に作ってみませんか?】    ●答は?・・・自信を持って,「イエス」ですよね!? □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  お届けした「子育て羅針盤」第130号は,いかがでしたか?  第10版は今号で完結します。子どもと一緒に暮らすことが,子育てそのも のであるとお話ししてきたつもりです。家事と子育ては別のモノということで は,子育てに時間が取れないという誤謬になります。子どものために特別の時 間を用意をしなければならないのではありません。一緒に暮らしていさえすれ ば,それで子育てはできるのです。  次号からはじまる第11版では,いくつかの構成上の改訂を試行します。ま ず,「ママの?」欄を雑学系から子育て相談系に改めます。次に,「はじめに」 の項を「つれづれ」と改め健全育成関連を考える独立欄に昇格し,また本文説 明の項目を6つから3つへと半分に削減します。全体の12章はこれまで通り に運びます。子育て羅針盤というタイトルの趣旨を保持する必要があるからで す。  版タイトルは「親の役割12講」です。親であることに迷いの生まれること があります。そんなとき,ああすべきこうすべきと迫られたら,落ち込むばか りですね。ことさら何かを新しく追加するよりも,普段の関わりの中に意味を 見つけられたら楽になります。今のままでいいんだ,そう思っていただくよう にお話ししたいと考えています。  読み慣れた形が変わると戸惑われるかもしれませんが,語り口は変わりませ んので違和感は少ないと思います。今後ともご愛読をよろしくお願いいたしま す。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ※ご案内※  ●モリのクマさんのホームページは ・・・「徒然窓」=      http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear/   です。「子育て羅針盤」の「バックナンバー」,〜「掲示板」,     週刊「今週のコラム」,「子育ち12章(Ver.1〜9)」,     「子育て心温計」などの受賞論文,養育アンケート調査結果,     社会教育・ボランティア組織活動の指導者用テキスト〜    などを掲載しています。 ・・・是非訪ねてみて下さい。・・・  ●大小問わずPTAや家庭教育学級などでの《講演》のご依頼も承ります。   関心をお持ちの方は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。   プロフィールをお知りになりたい方は上記のHPを参照してください。   なお,クマさんの本拠地は福岡市近郊です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆予告☆  次号では,  【質問11-01:お子さんの主張を認めていますね?】 について考えます。どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ○発行期日:2000年09月25日より,毎週月曜日正午 〇発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに) ○著者連絡: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp  〇転載許可:必ず事前に,モリのクマさんまでメールのご一報を下さい。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 〇配信の協力を頂いている発行支援システム  ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/    登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm  ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/    登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/  ◆読者と発行者を結ぶ架け橋『Pubzine』= http://www.pubzine.com/    登録・解除= http://www.pubzine.com/detail.asp?id=9104  ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/    登録・解除= http://melten.com/m/2166.html  ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○