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[2025/11/03]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1309号)
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★子育ち12試問
【第5試問:お子さんは,正しい言葉遣いをしていますか?】
《V101:WHEN-01》
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《子育ちは 食と言葉に 栄養が》
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《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第101版では,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を分析するキーワードとなる12の試問を選んで育ちを検討していくことにします。その構成は,奇数号では「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちという育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。
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《「正しい言葉遣い」という言葉について説明が必要ですね!》
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〇ママはどうしておしゃべりなの?
母親がおしゃべりである訳は,「子どもに言葉を教える先生!」だからです。母国語と呼ばれているように,人は母の言葉を身につけていきます。心の育ちの母乳と言ってもいいでしょう。
ところで,ある大学の先生が「お母さんにも声変わりがある」と書いていました。赤ちゃんには夫も聞いたことがないような優しい声を掛けて,気持ちを分かってあげています。子どもが成長してくると,声は厳しく1オクターブ甲高くなり,「ハヤク,サッサト,チャント,キチント」と自分の気持ちをぶっつけるように声変わりをします。お顔やお肌の手入れも大事ですが,優しく美しい言葉を使うことができれば,どんなおしゃれにもまして素敵に魅せてくれると思いますが! 勤めに出るようになって母親の言葉が貧しくなったことを悲しむ中学生もいました。言葉の身だしなみもおろそかにしないで下さい。
・・・天賦の才能を十二分に発揮し,子どもに豊かな言葉を伝えましょう。
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〇言葉づかいの基本とは?
パパが「オーイ,お茶」と偉そうに言ってます。ママはいつもでしたら「ハーイ」と答えているのですが,言葉の先生として目覚めてしまったので,今日は違います。「お茶がどうかしましたか?」。ママは何がお気に召さなかったのでしょうか? パパは「お茶」という言葉をその辺に放り出しています。聞く方はわざわざ拾いに行かなければなりません。誰に向かって言っているのか頓着しないような言葉づかいは失礼です。
言葉は「誰に向かって」発しているのかを,明確に表現しなければ不誠実になります。「あなたに向かって」が「オーイ」,「お茶を入れてくれるように頼んでいること」が「お茶」では,聞く方の事情などお構いなしの甘え・無礼さが丸出しです。二人だけの家庭ならまだしも,子どもが見ているところでは要注意です。きちんと文章にして話すような癖を付けることが望まれます。
言葉とは相手に向けてきちんと言わなければなりません。言葉に向きを持たせるしつけができていないと,敬語も使えません。人間関係を橋渡しする言葉づかいは相手を意識することが基本なのです。言葉づかいを叱るとき,「誰に向かって言っているのか!」と言うのも当然です。
日常会話を「単語」で済ませるような言語生活では,自分の思いをまき散らすことしかできません。「ムカツク」といった捨てぜりふしか言えません。相手と気持ちを通い合わせるには,「文章」表現が必要なのです。蛇足ですが,文章表現を駆使できないと,学校の授業についていけなくなります。
・・・言葉づかいの基本とは,相手をきちんと意識することです。
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〇言葉を覚えたとき,知恵が授かる!
人は言葉によって脳の配線を整理し,物事を考え理解し,物心がつき人間らしくなっていきます。目に見えない抽象語,思いやり,勇気,正義なども,話の中で意味が磨かれ,はっきりしてくることで分かるようになります。赤ちゃんは「ほらママよ」と言葉を掛けられてママを認識するようになります。肩を叩いてくれたとき,「優しいのね」と言ってやれば,優しさとはどういうことかが分かり身に付きます。休憩の後,「もうひとがんばり」と言うことで,続けることがガンバルことだと知ります。
一昔前には無かった「セクハラ」という言葉を知ったときから,歯止めの意識が具体化できるようになりました。子どもにはなるべく早く「危」の字と意味を覚えさせておくことです。学校で教わるときまで待っていては遅すぎます。知恵は言葉という形で記憶に残ります。いくら体験しても,そこに言葉が無ければ無意味になります。
・・・言語生活が豊かであれば,人としても豊かになれます。
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《正しい言葉遣いとは,自分と相手(物事)をつなぐ気持ちの表現です》
○子どもはいつも家庭での話しぶりを見聞きして覚えていきます。ままごとをしている子どもを見ると,家庭の人間模様がそのまま現れています。優しい言葉を使えば優しくなれます。乱暴な性格だから言葉が乱暴になるのではなく,乱暴な言葉を使うから乱暴な気持ちに染まっていきます。言葉のしつけをお大事に!
【質問5:あなたのお子さんは,正しい言葉遣いをしていますか?】
●答は?・・・もちろん「イエス」ですね!?
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☆次号予告☆
【子育ち第6試問:お子さんは,美しい言葉遣いをしていますか?】
どうぞお楽しみに!
自分を動かしているもう一人の自分が,正しい言葉で指令をしないと,自分の行動は周りと適切な関わりを持つことができなくなります。乱暴な言葉を使うと行動が乱暴になります。間違った言葉を使うと行動も間違っていきます。考えるという大事な機能も,正しい言葉を駆使して可能になります。人としてのはじめに言葉があると言われていることを忘れないことです。
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★落書き★
海には,地球の自転の影響で,潮の満ち引きがあります。いわゆる満潮と干潮があり,陸地の見え方が違ってきます。これを地図で表すとき,陸と海の境の線は,地形図と海図でトで違ってきます。地形図では,土地として使われる範囲として,満潮時の海岸線が基本です。一方,海図ではいつでも海である干潮時の海岸線が基本です。満潮時に潮につかってしまう部分は,陸でも海でもないのです。
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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear
「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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