□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2003/05/12]            【子 育 て 羅 針 盤】                              (第136号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□  男というものは,我が家から離れている時が,一番陽気でいられる。                        ・・・・・シェークスピア  子どもというものは,ママから離れている時が,一番いたずらができる。                      ・・・・・H.モリのクマさん ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★ママの?★               『おねしょ?』                               (第06号) ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  ストレスが高じると,尿意を催すものです。不安があったり緊張する場面な どで,誰しも経験します。おねしょも子どもの気持ちに関係があります。園児 ぐらいになると恥ずかしいという思いを持つようになり,「またおねしょする のでは?」という恐れを抱いてしまいます。原因を増幅するようなものです。  まず,おねしょのことで子どもを叱ったり悔やんだりしないことです。子ど もを追いつめてしまうからです。しなくなるから大丈夫とママがおおらかに構 えておいてください。次は,おねしょをしない具体的な手だてを講じます。お ねしょをしないように育てようとするのではなくて,おねしょをしない実績を 作ってやるのです。おねしょをしなかったら,子どもの不安がぬぐい去られる からです。  元を断つという意味で,夕方以降の水分摂取を控えるようにします。さらに トイレに行って排尿するチャンスを作ってやります。尿失禁をする時刻は就寝 後2,3時間か,夜明け前とおよそ決まっているので,ちょっと観察している と夜中の何時頃に濡らしているか分かります。その時刻前に起こして排尿させ ます。目覚まし時計をセットしておき,一緒に起きてやります。  ちょっぴり面倒かもしれませんが,しばらく根気よくつきあってやってくだ さい。子どもの方がママより辛いのですから。子どもがもう大丈夫と自覚でき るようになったら,お漏らしをしなくなります。もし,それでもおねしょが止 まないようなら,専門的な診察が必要なので,お医者さんに相談してください。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★親の役割12講★          『幼子は ママの言葉で イヌ叱る』                             《第11-06講》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ■つれづれ・・・  こどもの日の新聞には,子どもの人口統計が掲載されていました。15歳未 満の人口が,22年連続して減少し,1801万人だそうです。総人口に占め る割合は,14.1%で,過去最低を更新しています。ちなみに米国は21. 2%です。一方では,65歳以上の高齢者の割合が多くなってきました。  少子化は止まる気配がありません。高齢社会の出現と背中合わせになってい ることを考えると,今働き盛りの人には,将来面倒を見てくれる人がいなくな るということです。自分の子どもを持っているとしても,安心はできません。 子どもを持たない人が高額の謝礼で世話を買い取るようになると,実の親を放 り出して稼ぐ方に流れるかもしれません。  国際化が絡んでくると,アジア諸国から若い人が流入して補充されるか,高 齢者が他国に流失しなければならなくなります。いずれにしても,自分の老後 を見ず知らずの外国の若者に委ねる道しかなくなってきました。誰のせいでも なく,自らがそうなるように選んだ道ですから,後悔することはないでしょう。  現在までのところ,人的な資源はリサイクルが利きません。おとめの"おと" には,再生産という意味があります。子どもを産むことのできる性がおとめで あり,産ませることのできる性がおとこというわけです。人が生きる意味とし ての子産み・子育てが停滞している社会は,人的資源の浪費社会ということに なります。  クローン人間が生まれるようになってきましたが,やがて生産ということに 向かわなければいいと願います。アトム型のロボットの段階で止めておいた方 がいいでしょう。命という価値を真剣に考えなければならなくなっているよう です。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  【質問11-06:お子さんの雑言を抑えていますね?】      ・・・・・「雑言を抑える」という意味を確かめておきましょう。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○負の言葉?     ネットの世界には匿名で書き込みするサイトがあり,読むに耐えない    書き込みが目白押しです。匿名であることに隠れて,罵詈雑言が噴出し    ます。事件の関係者にいたずら電話をする輩も,匿名に逃げています。    人は悪口雑言を抱え込んでいて,匿名という排気口からあふれ出るよう    です。     普段は名前を大事にして,お澄ましをしています。怒りが高じると破    れかぶれになって,つい歯止めがゆるむことがあります。言ってはなら    ない言葉が,相手の気持ちを逆なでします。ケンカの罵声は言葉を凶器    として使うものです。ヤジというのも,相手を痛めつけようとする軽い    ジャブです。なるべく使わない方がいいのですが,耳にすることも多々    ありますね。     言葉の痛みを舌の痛みである激辛と同じ感覚で楽しむ場合があります。    ブラックユーモアなどです。子どもの世界にも登場したのが,テレビア    ニメのクレヨンしんちゃんでしょう。ママはご覧になっていますか。    'みさえママ'のキャラクタはお好きですか? そのまま実現してみよう    と思われますか?     楽しみの手段としてはあってもいいでしょうが,普段の暮らしにまで    入り込ませるのは考え物です。番組の非難をしているのではありません。    メッセージの内容は別にして,表現の仕方だけを話題にしています。激    辛が常食になれないように,汚い言葉は日常語にはなれません。その弁    えを教えなければなりません。     公式の場ではいろんな忌み言葉があります。そんなことは旧い習慣だ    と切り捨てられるかもしれませんが,嫌がる人がいる以上,避けた方が    いいでしょう。言葉は理屈だけではなくて,感情を醸し出す縁でもある    からです。売り言葉が買い言葉になるのは,感情のもつれを引き出して    しまうからです。     皮肉が機能するのは,芥子としてちょっぴり紛れ込ませられるからで    す。優しい言葉遣いがベースになるように,お子さんとの会話では気を    つけてください。トゲのある言葉はママに似つかわしい言葉ではありま    せん。ママは言葉の先生なのです。 ・・・《負の言葉を知っていて,それを使わないようにする抑えが肝心です》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○伝わり方?     "くだらないおしゃべり"という類別をされることがあります。特に年    輩の男性が口にするようです。言葉遣いにおける男女差が指摘されてい    ます。ルソーはエミールの中で,「男は自分の知っていることを語り,    女は相手に喜ばれることを話す」と記しています。男は知識を交わし,    女は感性を交わすと言い換えておきましょう。     知識が詰まっていない会話を,男はくだらないと考えてしまう傾向が    あります。夫婦の会話でも,いわゆるどうでもいいことを話すことで気    持ちのつながりを持とうとするママに対して,中身のない話は無駄だと    上の空になるパパがいます。お互いの関心が違うので,どうしても会話    のすれ違いが生じてしまいます。     どちらがいいとかわるいという問題ではありません。あえていえば,    どちらも必要です。集まりの中で,「堅い話はそれくらいにして・・・」    という切り返しが出てきますが,緊張と緩和がバランスすることで落ち    着けるのです。どちらかだけに片寄ることは要注意です。ただし,会議    の席などでは,関係のない話で脇道にそらしてしまう方がいますが,議    論になれていないためです。     子どもたちに私語が少しばかり蔓延しすぎています。場所柄的には,    傍迷惑という意味で雑言になります。バスの中での大声のおしゃべりや    携帯電話の使用も,聞きたくないのに聞かされる軽い雑言です。言葉は    汚くなくても,まき散らされるとイヤなものです。言葉という唾が浴び    せかけられるような悪寒をさそいます。     言葉はお互いが求める内容と形を備えていてこそ,その役割を発揮す    ることができます。それを読み違えると勘違いが発生し,そんなつもり    ではない伝わり方をしてしまいます。「バカ」という言葉も,言い方,    聞き方で伝わる内容は変わりますね。あだ名にしても,軽蔑からと親密    からの逆の意味合いが含まれます。     言葉狩りという単純な扱いでは,言葉をよくすることはできません。    もちろん差別語は封印しなければなりませんが,言葉を交わすもの同士    の了解が前提にあることを押さえておかなければなりません。お互いを    認めあえるような言葉遣いであってほしいものです。言葉を投げかける    際には相手の心に向けたコントロールが必要です。  ・・・《悪送球ならぬ悪送語は受け取らされる身になれば雑言になります》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○憚る?     人前を憚る言葉は,隠語ですり抜けたり,○○○といった伏せ字やピ    ーという音をかぶせたりしています。子どもは一時期下半身に関わる言    葉を口にすることがあります。それはしっかりと抑え込んでおく必要が    あります。ただ厳しく叱りつけるということとは少しばかり違います。     大人になれば,言葉遣いは人格と重なります。しかしながら,子ども    はまだ定着過程の途中ですから,子どもを叱るのではなく,言葉を叱る    ことにとどめておくべきです。あるいは,場合によっては無視すること    です。口にしても聞いてもらえない,通じないということが分かれば,    言わなくなります。間違ってもおもしろがることはしてはいけません。     悪貨は良貨を駆逐するという言葉があります。美しい言葉はじわっと    心に利いてきますが,汚い言葉はズバッと感情に直結します。その点で    分かりやすいので,使いたくなるものです。感性に訴えることから言葉    を身につけている幼い頃には,汚い言葉の方がお気に入りに登録されや    すくなります。そう考えると,言葉のしつけは前途多難のように思えて    きますが,救いがあります。     感性には飽きるという特徴があります。刺激的なことは長続きしない    のです。つまり,一旦停止の状態が必ず訪れます。そのときに,美しい    言葉がそばにあれば,馴染んでみようと新しい言葉の道に乗り換えるこ    とができます。もし,飽きたときに何もなければ,よりいっそう刺激的    な言葉に突き進んでいきます。そうなると深みにはまるので,修復が困    難になります。     味覚が濃い味に慣れると下品になるように,言葉も強い感性に結びつ    くと卑しくなります。さらに,つきあう仲間が限定されてしまうという    弊害も現れます。その行く末が仲間内ではおしゃべりできるのに,仲間    の外に出ると途端に無口になるということになります。感性が異なる人    とは,感性的な言葉は通じないからです。     敬語が使えない事態には,感性を上品に装う言葉の持ち合わせがない    という背景があるのです。間接的な表現であれば,お互いにすり寄せる    ことが可能になります。「むかつく」という異臭に満ちた言葉では,受    け取りを拒否されます。通じません。あまりに生々しすぎるのです。ス    ッピンの言葉は人に向けるものではありません。   ・・・《身繕いに敏感な割には,言葉繕いに鈍感になっていませんか?》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  《雑言を抑えるとは,誰とでも気持ちよく心を通わせるための前提です。》 ※陰口というヴィールスに感染した言葉が,治まりを見せずにはびこっていま す。閉鎖社会である教室で蔓延すれば,いじめとして発症します。大人の社会 でも結構猛威をふるっているようです。かなりの感染力を持ったヴィールスで す。マスクを装着してくださいね。  陰口は転移します。このグループで人の陰口をたたいていると,隣のグルー プに移った途端にこのグループの陰口にすり替わっていきます。このように節 操のないのが陰口の特徴です。深入りすると怖い目に遭いますよ。陰口に感染 しないようにするには,自覚という心洗いを励行することです。  【質問11-06:お子さんの雑言を抑えていますね?】    ●答は?・・・もちろん,「イエス」ですよね! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  お届けした「子育て羅針盤」第136号は,いかがでしたか?  庭の木にまとわりついているジャスミンが咲き誇って,香りをまき散らして います。朝雨戸を開けると,胸に染みこんできます。キンモクセイも今は香り の生産に励んでいるようです。自然は誰にいわれるのでもなく,自分でちゃん と季節を刻んでいます。  人は季節ごとにその人らしい花を咲かせているでしょうか? 何となく一年 が過ぎていくのではつまらないですね。クマさんにとっては,このマガジンを 3ヶ月おきに改版することが季節的になっているようです。花にはなっていま せんが! ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ※ご案内※  ●モリのクマさんのホームページは ・・・「徒然窓」=      http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear/   です。「子育て羅針盤」の「バックナンバー」,〜「掲示板」,     週刊「今週のコラム」,「子育ち12章(Ver.1〜9)」,     「子育て心温計」などの受賞論文,養育アンケート調査結果,     社会教育・ボランティア組織活動の指導者用テキスト〜    などを掲載しています。 ・・・是非訪ねてみて下さい。・・・  ●大小問わずPTAや家庭教育学級などでの《講演》のご依頼も承ります。   関心をお持ちの方は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。   プロフィールをお知りになりたい方は上記のHPを参照してください。   なお,クマさんの本拠地は福岡市近郊です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆予告☆  次号では,  【質問11-07:お子さんの勇気を認めていますね?】 について考えます。どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ○発行期日:2000年09月25日より,毎週月曜日正午 〇発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに) ○著者連絡: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp  〇転載許可:必ず事前に,モリのクマさんまでメールのご一報を下さい。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 〇配信の協力を頂いている発行支援システム  ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/    登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm  ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/    登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/  ◆読者と発行者を結ぶ架け橋『Pubzine』= http://www.pubzine.com/    登録・解除= http://www.pubzine.com/detail.asp?id=9104  ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/    登録・解除= http://melten.com/m/2166.html  ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○