□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2005/08/29]            【子 育 て 羅 針 盤】                              (第256号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ■徒然子育て想■             『いただきます?』  夏休みに親子料理教室が開かれました。献立はハヤシライスでした。子ども たちはそれぞれに手分けして調理体験をする手順になっていました。タマネギ を切っている男の子が目にしみることに苦戦しているようでした。ニンジンな どはおとなしく切られているのに,タマネギは嫌みが感じられ,それだけに個 性が強いということになるのでしょう。野菜の中にはアクの強いものもあり, あく抜きをしないと手に負えません。  タマネギは何にも言いませんが,タマネギの気持ちを考えておきましょう。 タマネギは切られるために育っているのではありません。売り買いされて人の 手に渡ることは不本意であり,ましてや命を全うできないのは残念!では済み ません。そこで自分を切ると目が染みてひどい目に遭うよという自己防衛の主 張をします。それに懲りてタマネギには手を出さなくなるはずという思惑があ ります。  同時に,他のタマネギに今危険な目に遭っているから用心しろという緊急メ ッセージを発信しています。だからといって足のないタマネギが逃げ出すわけ にはいかないので,無駄なあがきといえば言えなくもありません。そんな意味 のないコトするわけナイジャンと切り捨ててもいいようなものです。でも,タ マネギの世界ではそれで十分だと考えてやりましょう。自己防衛と種の保全と いう生きものに課せられている根本使命を健気に果たしているのです。  包丁で切るというのは,タマネギにとっては理不尽な振る舞いです。生への 冒涜が理不尽であるということは,理というものが生の正しい道であると考え ることができます。目に染みるというのはタマネギにとっては理に適いますが, 人には理不尽です。でも,仕掛けたのは人の方です。理というのは立場によっ て逆になり得ます。泥棒にも三分の理ということです。地球に優しいという理 も,狭義には人にとってのものでしかありません。地球にとってはどうでもい いことでしょう。  牛やブタやニワトリを食べている人の理は,牛やブタやニワトリにすれば理 不尽です。その理不尽さを免れない生き方を人は悲しみ,生きものの犠牲に感 謝し,頂きますと祈りを捧げています。食べ物を粗末にしない,残さずにすべ て頂くという行儀は,生きる力を溢れさせる根っこであると意識しておくべき でしょう。タマゴは本来命の素なのに調理して食べられてしまいます。命を頂 いているという認識を古くさい考え方と忌避していては,生きる歓びが褪せる ことでしょう。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★子育ち12願★      【ママお願い! お家のことをいやいやしないで!】                            《V20:WHY-01》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  ○こんなこと・あんなこと!  「さっさと食べなさい,時間がないんだから」と,ママが急かせます。ママ の勢いが激しくて,身が竦んでしまいます。ワタシが食べている途中で,ママ は食べ終わって,寝室の方に行きます。お化粧です。「どこに入れたのかしら ?」と何か捜し物をしているようです。いつものことです。どうしてママは毎 朝ドタバタと忙しないんでしょう。食事はゆっくりしないと栄養にならないっ て言っているのに! 「ママの卵焼き,美味しいよ」。  「ママ,このお皿出す?」,「余計なことはしなくていいの!」。スーパー で買ってきたコロッケをお皿に移さなければと思ったけど,ワタシは早とちり をしてしまったみたい。でも,どうするのかな? ママはバタバタと夕食の準 備をしています。食卓の上には,スーパーで買ってきたコロッケがラップをは がしてトレイのままで出されています。ちょっぴり寂しくなりました。「ママ の手が見えないんだけど」。  今日は家庭のゴミを出す日です。ボクは家中のゴミ箱を集めてきました。 「一緒くたに捨てないように言っているのに」とブツブツ言いながら,ママが 選り分けています。ゴミ袋が膨らんでいきます。詰め込むために上からそっと 押し込みます。「ウッ」とママは息を止めます。夏なので嫌な臭いが噴き出し て来て,そばにいたボクも嗅いでしまいました。「ママ,ボクも手伝うから, がんばろう!」。  雨の翌日,いいお天気です。玄関に出てきたママがタイルの床を見ています。 「こんなに汚しちゃって。どうして次から次に用事ができちゃうの」とため息 をついています。床にたくさんの泥の足跡がついています。「水をくんできて」 と言われて,バケツに半分の水を持ってくると,ママは玄関に出ている靴を下 駄箱にしまっているところでした。タワシでゴシゴシと汚れた床を洗いはじめ た。「ママの背中はポカポカしている」。  ママが電話でお話ししています。笑ったり考え込んだり,お友だちと長〜い お電話です。「そうなのよ,きりがないんだから,嫌になっちゃう」。「そう でしょ」。「パッと思いっきり発散したくならない? なるでしょ!」。「で も,子ども連れではそうもいかないし・・・」。ワタシがいるから? ワタシ のせいでママは我慢してるの? 知らなかった! ママはワタシのことやお家 のことが好きでしていたんじゃないんだ! ・・・《愚痴を言えば憂さ晴らしできますが,前向きの方が楽しいはずです》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○星に願いを!  天知る,地知る,己知るという言葉があります。普通は悪いことを思いとど まるために使われています。まず,自分本人が悪事をしたことを知っています。 次には,悪事をした場所にはいろんな隠れた目が潜んでいて悪事を記録してい ます。事件の後で鑑識班によって物的証拠が探索されます。最後には,天の目 が見届けているので,逃れようがないという意味です。天の網ということです。 思わぬ所から明るみに出るのが,天の采配というわけです。  星空を仰いで悠久の世界に遊んでみませんか? 深呼吸をして星の淡い光を 胸一杯に吸い込んでみると,ざわついている気持ちが落ち着きます。広大な世 界に対面すると,自分の無力さとか小ささを感じさせられ,結果として荘厳な 雰囲気に包まれます。星に願いを託してみようという気になります。流れ星が 消えないうちに願い事を唱えることができたら適うといわれています。原始的 な祈りというものを忘れないようにしましょう。  夜道を歩いていてフッと流れ星を見かけて,願い事を唱えようとしても無理 ですよね。いっぱいありすぎて選ぶのに手間取るので間に合いません。欲張っ てはいけないということです。星に願いを託すには,いつでも直ぐに口にでき るほどに思い詰めていなければならないということです。漠然とではなく明確 な目標としていつも意識しているということです。星に願いという儀式では, 一心不乱に追い求めるという覚悟を試されているのです。  ものごとがうまく運ばないとき,努力が足りないからと責められます。努力 の先に,どうしようもない領域があるはず,努力をして後は天に任せるしかあ りません。賭けるということです。努力すれば何事も可能という呪縛にとらわ れると,生きることが辛くなります。「努力しろ 言う人何故か 失敗者」と いう中学生の川柳がありました。努力は必要ですが,それだけではありません。 やるべきことはやった,後は運を天に任せるという余裕を残しましょう。  最後の詰めの部分は星に願いを託す,それが気持ちの健康法です。現代人は, しなければならないという努力一辺倒に自分も他人も追いつめています。まる で神様にでもなったつもりで,何でもできると過信しています。そんな重荷を 背負えるほど人は万能ではありません。だから心を病んでしまいます。人とし ての身の程を弁えることです。願いは近づこうと努力する者の上に,天から降 りてくるものです。努力は運を招くと考えておきましょう。 ・・・《願い事は自分の努力だけではなく,他からの支えがあって適います》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  《子育ては 悲喜こもごもに 彩られ》 ※家庭は雑事から成り立っています。ところで,雑という字はあまり良いイメ ージがありません。確かに字義にはそういう意味もありますが,その前に「統 一なく集まったもの」という意味があります。統一なくというのは,分類のし ようがないというだけのことです。雑草という言葉遣いも同じです。「雑草も  名前を知れば 抜きにくい」という川柳があるように,名前がないと思うか ら分類できずに「雑」と括ってしまいます。  家庭の中の仕事を雑用と思っていては生きる歓びが失われます。家庭生活は 「共に食べる,傍で安らぐ,語り合う,睦み合う,寝る」という生きることそ のものです。そのための雑事をできるだけ逃れたいと背を向けていると,生命 の輝きは曇ります。心の中に歓びが詰まらないからです。人生の輝きを刺激で 肩代わりし興奮こそ生き甲斐と勘違いしていると,生きる感性は退化するばか りです。何をしてもつまらないという虚しさに吸い込まれていきます。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  地域でのラジオ体操が先週の26日で終わりました。夏休みはまだ三日残っ ていますが,今週は始まりの週なので遠慮したのでしょうか? 体操の後には, 子どもたちの列の最後尾に並んで,6年生のお姉さんに出席確認のハンコを頂 きました。どうせハンコを貰うなら,お兄ちゃんよりお姉ちゃんの方が楽しい ですから! でも,一日だけ寝坊をして欠席をしてしまいました,残念!  子どもたちのラジオ体操は最後までシャキッとはなりませんでした。上げ下 ろしする手が肘のところでくの字に曲がっています。身体の曲げ伸ばしをする 体操でも突っ立っている状態で全く格好良くありません。するときはキチッと する,そういうメリハリを求めるのは無茶なことなのでしょうか? 出席して くるだけで十分という甘やかしが見えるようで,どうにもすっきりとしません。 何はともあれ,夏休みの風物詩が閉じられました。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆予告☆    次号では,【パパお願い! 朝起きるときグズグズしないで!】             について考えることにします。どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より) ●発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに)   「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear    ・・・・・・「掲示板」もご相談などにご利用下さい。・・・・・・ ●記事の一部、もしくは全部の無断転載・無断配布を禁じます。  掲載記事の著作権は筆者に有り、筆者の許可なく複製・再配信等を行う  ことはできません。事前に下記アドレスまでメールのご一報を下さい。 ■《講演》のご依頼は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。 ※著者へのメッセージ: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ●配信の協力を頂いている発行支援システム ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/   登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/   登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/ ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/   登録・解除= http://melten.com/m/2166.html ◆よりすぐりメルマガサイト『めろんぱん』= http://www.melonpan.net/   登録・解除= http://www.melonpan.net/mag.php?005885 ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○