□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2006/01/09]            【子 育 て 羅 針 盤】                              (第275号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ■子育て一言メモ■               『お祝い?』  育ちには今も残っている節目があります。心を込めてお祝いをしてやるのも, しつけになるでしょう。昔から親たちが込めようとしてきた願いをしっかり復 習しておきましょう。  「七五三のお祝い」があります。3歳,5歳,7歳の子どもを連れて宮詣す る行事です。関東地方の行事が明治以降に全国に普及したそうです。所によっ て違いますが,古くは女の子は3歳または7歳の時,帯の祝いといって,着物 の付けひもを取ってはじめて帯を締め,男の子は5歳の時袴着の祝いを行って いました。期日はもとはこの月の吉日を選ぶだけでしたが,いつしか15日と いうことになりました。また,江戸浅草寺境内で売り出された千歳飴も,今で は至る所で土産になっています。  「子どもの日」は,国民の祝日の一つとして,昭和23年に制定されました。 子どもの人格を重んじ,子どもの幸福を図ると共に,母に感謝するのを法定の 趣旨としています。もとは端午の節句でした。端午とは月の初めの午の日のこ とでしたが,今では5月5日に指定されています。第9回国連総会において, 各国が適当な日を「世界子どもの日」とすることに決まりましたが,日本は5 月5日を子どもの日にあてています。子どもにとっては母に感謝する日である というのを忘れないください。  誕生日は,個人的なお祝いです。誕生日に歌われる歌があります。「Happy birthday to you」です。この歌はもともと1893年に出版された「幼稚 園の歌物語」という本の中に,「グッドモーニング・トゥ・オール」として発 表されたものでした。ケンタッキー州ルーイヴィルのヒル姉妹によって作られ たこの曲は,誕生祝いにではなく,朝子どもたちを教室に迎え入れるときに歌 う歌として書かれました。これがのちに盗作され,2番が「ハッピーバースデ ー・トゥ・ユー」で始まる歌詞に変わっていて,もとの歌で「グッドモーニン グ・ディア・チルドレン」というところは,「ハッピーバースデー・ディア・ (名前)」となって,誕生日の歌に変わりました。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★子育ち12態★         【お子さんのわがままを抑えていますか?】                             《V22:WHO-02》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  〜こんなこと・あんなこと〜  何もできない赤ちゃんは,生きるためにママに全面的に頼ります。わがまま でなければ生きていけません。育っていく中で自分のことは自分でできるよう になると,わがままが次第に薄れていきます。ところが,成人してもわがまま が残ってしまう人がいます。自分さえよければ意識であり,暮らしの場ではポ イ捨てや自転車盗などの違反行為が止められません。自分と人間社会との調和 を図ることができず,社会性が欠落します。自分と他者を相対視できるもう一 人の自分が未成熟なのです。  わがままとは自分の思い通りにならないと気が済まなくて,傍迷惑な行動を することです。自分の思い通りにならないことがあるということをきっちり自 覚させる必要があります。断固わがままは拒否する厳しさです。そこから自分 に出来ることはしようという育ちが始まり,もう一人の自分の出番となります。 きついな,面倒だな,恐いな,嫌だな,しなくても,といった自分の思いに対 して,もう一人の自分が主導権を持って,自分で何ができるかを考えるように なります。それが自立です。  思い通りには誰もしてくれません。自分でなんとかするしかないのです。思 い通りではなくても,取りあえず間に合わせることができればいいとする考え 方が必要な場合もあります。何でも完全にしなくては,そう思うから行き詰ま ります。台風に襲われたとき,110番や119番に「戸がガタガタして恐い, 眠れない」,「雨が漏ってきた,なんとかして」,「窓ガラスが割れた」とい う電話が全体の80%に達するそうです。取りあえずしのぐために今自分にで きることは?  わがままは甘えであり,他人頼りな面があります。「自分に出来ることは?」 と考えることのできるもう一人の自分が育っていません。「自分は何が出来た か」と確認して,自分の力を知るように導いてやりましょう。「こうすればい いのよ」としてみせ,させて,「できたね」と子どもに自覚させます。もう一 人の自分が自己を肯定できるようになれば,わがままは乗り越えられます。自 己を肯定できれば他人も肯定でき,仲良くできるようになります。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  〜ママへのメッセージ〜  成長というのは,それぞれの個性づくりでもあります。「困り抜いて人格の 深奥に届いた後に出てくる考えこそ個性の表現である」と言った方がいます。 思い通りにならない壁に突き当たり,自分の不甲斐なさを嘆きながらも納得せ ざるを得ない状況に追い込まれ,自分を投げ出す覚悟で打開の道に進む経験が 個性となって刻まれます。子どものわがままは個性を刻むチャンスです。なん となくやり過ごすのではなく,キチッと向き合わせることが後々の大きな問題 行動を封じることにもなります。  人は社会的動物であるといわれます。そのことを子どもにどのようにしつけ たらいいのでしょうか? 育ちの道具は言葉です。「私たち」という言葉を覚 え込ませればいいのです。私たちと自覚することが社会性です。そして,その 自覚から本当の「私」が分かるようになります。私たちの中にいる私という意 識です。この自覚が持てない間は,私という意識は単なるエゴイズムに止まり ます。わがままが傍迷惑なのは,私たちという言葉が行動の核になっていない からです。  エリクソンという学者が,アイデンティティ人間の条件を次のような形で提 示しています。    1.自分が何者であるかを明確に定義し,価値観を持つ人    2.内的な道徳律と自己コントロールがあり,自我理想に      従って行動する人    3.複数の社会的役割としての自分を秩序づけており,自      己と他者に対して行動に責任を持っている人  学者の言葉は固いですが,平たく言うと,もう一人の自分が,他者との関係 の中にいる自分を知り,自分の役割に向けて自分を導き,生かしているという ことです。わがままの壁を突き抜けることが,育ちにとって大事な課題になっ ていると知っておいてください。              ・・・《子育ちは 他者と自分が ぶつかって》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆次号予告☆        【お子さんのやすらぎを感じていますか?】                           どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  他人に頼るということは,他人の都合に従いながら思うがままになることで す。自分で決めて自分の手でできることをした方が,気持ちは落ち着きます。 自分のペースでことが運ぶからです。言われてすることにはいい加減な気持ち がつきまといます。自分でやろうと思うことは真剣になれるものです。その真 剣さが育ちには何より必要です。自分が決めてする,それが人の生きる力にな ります。子どもにもしっかり伝えたいものです。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より) ●発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに)   「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear    ・・・・・・「掲示板」もご相談などにご利用下さい。・・・・・・ ●掲載記事の著作権は筆者に有り、筆者の許可なく複製・再配信等を行う  ことはできません。事前に下記アドレスまでメールのご一報を下さい。 ■《講演》のご依頼は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。 ※著者へのメッセージ: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ●配信の協力を頂いている発行支援システム ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/   登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/   登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/ ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/   登録・解除= http://melten.com/m/2166.html ◆よりすぐりメルマガサイト『めろんぱん』= http://www.melonpan.net/   登録・解除= http://www.melonpan.net/mag.php?005885 ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○