□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2006/04/03]            【子 育 て 羅 針 盤】                              (第287号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ■子育て一言メモ■               『親離れ?』  地図を読めない○○という本がありました。電話で道順の説明をする場合を 想像してください。相手のいる位置を確認し,そこから誘導していきます。交 差点を曲がるとき,相手の立場になって右か左を伝えます。あたかも自分がそ こにいるように思い描くことができたら,道案内はうまくいくはずです。人は 自分をどこにでもいるように想像することができます。街を颯爽と歩いている 自分,想像できますね。  自分を相対視できるのは,もう一人の自分がいるからです。自分を見失うと いう言い方がありますが,誰が自分を見失うのかと考えてみてください。自分 が自分を見失うとしか言えませんね。もう一人の自分が自分を見て動かしてい るのです。子どもが自分のことを自分の名前で呼ぶようになったら,もう一人 の子どもが誕生してきたと思ってください。子育ては,このもう一人の子ども を育てることにバージョンアップしなければなりません。  言うことを聞かないのは,自分のことは自分で決めたい,つまりもう一人の 自分がママから支配権を移管して欲しいというメッセージです。子育ての転換 時期にさしかかったということです。いきなりすべてというわけにはいきませ んが,少しずつ子どもに任せていきましょう。俗にいう親離れです。頼りなく てハラハラしますが,歩き始めたときと同じで,徐々にちゃんとできるように なります。任せて見守り続けてください。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★子育ち12迷路★     【子どもって,どうして言うことを聞かないんでしょう?】                             《V23:WHO-01》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  〜こんなこと・あんなこと〜  第三者化。「ガラスが割れました」と,子どもが言ってきます。「ガラスが 自分で割れるはずはないじゃない。割ったんでしょ!」と問い詰めても,「割 れた」と言い張ります。「何もしなかったの?」と尋ねると,友だちとふざけ ていて傍にあった自転車を倒してしまったそうです。自分たちの不注意で割っ てしまったと考えようとはしません。自分を埒外に隠匿し,叱責を回避したい からです。自分はふざけていただけ,第三者化して閉じ籠もっているから,聞 く耳はありません。  校則。それは学校生活の管理化のためだと思われています。確かに行き過ぎ た面もあります。本来は,先生のために必要な管理ではなくて,子どもたちの 自己管理のためにあるものです。「もう一人の子ども」が管理者として,自己 管理をする教育の一環です。学校は「ごっこ」の世界であり,自分の行動を整 合させる枠組みとして校則が設けられます。縛られるのが嫌なら,自分で規制 すればいいのです。言われてするのは,おもしろくありません。もう一人の子 どもに気付かせましょう。  ツッパリ。そうさせている「もう一人の子ども」がいます。授業参観日のこ とです。「嫌ネ,あんな子がいるから!」。母親達はひそひそと一人の男児に 目を向けながら話しています。ある母親がツッパリの子の背中を「チャントセ ンネ」と,叩きました。家庭の事情を分かっている隣のおばさんの手でした。 「分かっているよ」という気持ちを込めた手が,もう一人の子どもを救いだし ました。照れたように見えた後,ツッパリの姿は消えていきました。理由をく み取ってやれば,救われます。  ある作家の書いた,ビデオの2作品を勧めた文章があります。「もし皆さん がビデオ屋に行ってふとこの2本が目に入ったならば,試しに観てください」 とさりげなく書かれています。「ふと」,「試しに」があることによって, 「観るべき」と押し付けていません。「観ようかな」という気になるのを待っ ています。相手が行動の選択をする余地を残すような語りかけです。この待ち が人を動かします。自分が決めた,そう思わせることが大切です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  〜ママへのメッセージ〜  トイレの躾。「オシッコ出た」と,後から言ってきます。何度か気持ちの悪 い思いをする内に,もう一人の子どもが自分の身体に現れる予兆に気がつくよ うになります。言葉を使うのは「もう一人の自分」ですから,「出そう」と言 ってくるようになります。気持ちのわるい経験をさせないようにしていると, 自分を見るもう一人の子どもの育ちが遅れてきます。「出そう」と言えるよう に育てるために,素振りを見ていてそれとなく尋ねてみませんか。  体罰。頑是ない幼児に危険なことをさせないために,厳しくしつける上で小 さな痛みに頼らざるを得ないこともあります。それは必要最小限で済みます。 言葉を解するようになると,例えば叩くといったしつけは逆効果です。言葉を 使えるということは,もう一人の子ども,自我が誕生しているので,反発だけ が増長されてしまいます。叩くと泣きながらにらみ返してきます。そこにいる のがもう一人の子どもです。たとえ話などを通して,もう一人の子どもに語り かけてください。  1年生の作文が紹介されていました。「ゆうべ,かさをかぶってべんじょの ちりがみをかいに行きました。かいちゅうでんとうをつけていきました。あめ にぬれるのでだっこしました」。ちり紙が濡れるということを自分の目で見て, 自分はどうしたらいいかを考えることができています。自分の身体を使って庇 うという行動は,自分を見るもう一人の子どもがしっかりと育っているからで きることなのです。予め言われたからやっているという場合には,考える力は 育ちません。               ・・・《子育ちは 自分の主張 押し出して》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆次号予告☆     【子どもって,どうして人の迷惑が見えないんでしょう?】                           どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  仏像をご覧になったことがあるでしょう。仏の目は半眼になっています。眠 たそうな半開きの目をしています。半眼の思想による形なのです。全部開くと 外は見えますが内が見えなくなります。全部つぶれば心の内は深く見えても外 が見えません。つまり半眼にすることにより内も外も見ることができるという 考え方です。子どもを見るとき,見た目だけではなく,子どもの内面の育ちに も思いを向けてください。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より) ●発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに)   「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear    ・・・・・・「掲示板」もご相談などにご利用下さい。・・・・・・ ●掲載記事の著作権は筆者に有り、筆者の許可なく複製・再配信等を行う  ことはできません。事前に下記アドレスまでメールのご一報を下さい。 ■《講演》のご依頼は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。 ※著者へのメッセージ: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ●配信の協力を頂いている発行支援システム ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/   登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/   登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/ ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/   登録・解除= http://melten.com/m/2166.html ◆よりすぐりメルマガサイト『めろんぱん』= http://www.melonpan.net/   登録・解除= http://www.melonpan.net/mag.php?005885 ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○