□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2006/06/12]            【子 育 て 羅 針 盤】                              (第297号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ■子育て一言メモ■              『負ける練習?』  負けん気の強い子どもが何かをしくじったとき,ぐずって手を焼くことがあ ります。だれでもしくじったときは気分が悪くなります。その壁をクリアする 気分転換を身につけていないと,駄々っ子のままでは困ったことになります。 ところで,問題に対処するとき,3つのパターンがあります。(1)勝負して勝 つ (2)勝負して負ける (3)問題を避ける。勝ったときはいいのですが,負け てしまったとき,その場から逃げたくても逃げられないときは,潔く負けてし まうことです。  人生は自分の思うようにはなりません。負けるばかりで勝つのは稀です。あ る人がこんなことを書いていました。「失敗を気にするな,負けるときはさら りと負けるが良い,口惜しいときはこんちくしょうと正直に叫ぶがいい,弁解 なんか一切するな,泣きたいときには思いっきり泣くがよい」。要は,不快な 気持ちを少しでも発散し,諦めることです。気持ちを断ち切ることで,出直し の体制にはいることができます。  負ける練習は生き抜く力を与えてくれます。そのためには少しばかり時間が 掛かります。大きな気持ちを持つのは急にはできません。それが嫌で手っ取り 早い道を選ぶと,問題を避けるようになります。無かったことにするという手 です。うまくできないとき,根こそぎ壊してしまうといった逃げ道です。何回 かはそんなことがあってもいいのですが,いつまでも続くと癖になります。負 けっぷりのよさを引き出してやりましょう。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★子育ち12迷路★     【子どもって,どうして諦めることをしないんでしょう?】                             《V23:HOW-01》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  〜こんなこと・あんなこと〜  諦め。親や教師ができることは大したことではありません。力まないように 心掛けた方がいいようです。大人の思い通りには育てられません。結局は「あ きらめ」に至り,そこから「見守り」に移る余裕が出てきます。きちんとした 教育・躾の中でしか育てられないというのは思いこみです。このままでは?と 将来への不安に苛まれるものですが,信じて任せましょう。子どもは大人を否 定する(反抗期)ことから育ち始めます。大人は諦めて負けてやることです。  勉強ができる。親であれば,そうあって欲しいと願います。そこで,誤りが あるとすぐに咎めて正そうとします。でも,できる人はそんな育てを受けては いません。誤らず迷わぬようにすることによってできる人が成就するものでは ありません。むしろ逆に,自分の誤りや迷いとじっくりとつきあうことによっ て,深い理解を獲得することができます。道を間違えてうろついたときに,見 えていなかったことが発見できます。間違いを悔やまず諦めて大事にするとセ ンスがよくなります。  あきらめる。言葉の意味は,望んでいたことができないことを認めて,それ 以上考えることを止めることです。二つの選択があります。一般的には,望ん でいたことを止めることですが,もう一つは望んでいたことは残し,やり方を 止めることです。本来は,あきらめる=明らめる,つまりはっきりさせること です。望みを捨てるとか,断念することではありませんでした。望んでいたこ とについてより深く明らかにすれば,別のよりよい対処の方法が見えてきます。  迷惑。他への迷惑が起こるかもしれないと注意する気配りは,社会生活の中 では最も大切なものです。例えば,カンケリ遊びをしていて,怪我をさせます。 「ボクじゃないよ」とみんなが逃げ散ります。迷惑を掛けたことから逃げるの ではなく,したことは取り返しがつかないと諦めます。そこからどう後始末を するかが大事です。「ご免なさい」と,責任を取る姿勢です。ごめんで済まな い場合は,「お父さん」と相談すれば,「大丈夫!」と引き受けてもらえます。 それが親子です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  〜ママへのメッセージ〜  自信がつけば,堂々と生きていくことができます。自信をつけるためには, 成功体験が必要だと思われています。そこで,大人はお膳立てをしますが,過 ぎてしまうのが難点です。失敗体験を奪うことの副作用が出てきます。失敗体 験を持てば,予想ができるようになり,対策も可能となり,失敗の程度も分っ てきます。失敗をしていないと,どんな失敗があるか見えない不安が発生し, 怖くなり,どうしてよいかの手がかりも掴めません。「失敗する勇気があるか ?」,それが自信の扉です。  空想の諦め。子どもは高いところに登るのが好きです。見ていると無茶をし ます。何かをしようという塊ですから,諦めることを知りません。いきおい, 大人は子どもを安全圏に閉じ込める管理をします。してはいけないことだらけ になります。転けないように抑え込んでいると,上手に転けることができなく て大怪我をします。多少の失敗をさせてやれば,限界・境界が分ってきて,こ こまでは大丈夫という確信が持てるようになります。それが空想と現実のギャ ップの理解につながります。  自尊心。誰でも自分がかわいいものです。権威ある者である親や先生によっ て,自尊心を撫で擦って貰いたいと願っています。ところで,その評価をする に当たって,競争社会では他との比較によることが一般的です。例えば,勉強 で落後するのではないかという恐怖心があります。普通は頑張りに転化します が,安易に諦める道に入り込むと,評価の外にはみ出して,自尊感情が霧散し てしまいます。その空白を埋めるために,けなす相手が必要になり,イジメや 愚痴り合いが起こります。                 ・・・《子育ちは 壁を見極め 諦めて》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆次号予告☆     【子どもって,どうしてしっかりと考えないんでしょう?】                           どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  夕食。誰を中心に作っておられますか? 子ども中心であれば,カレー,焼 きそば,ハンバーグとなります。子ども中心のおかずの共通点は,「箸を使わ ないで食べられる」ということです。手を縦横に使っていない日常生活は,脳 にはマイナスです。人は直立生活を始めて以来,手を使うようになって,脳が 刺激され重くなったという進化をしてきました。手を使うことは脳の育ちにと ってとても重要な本質的なことです。  皆様にお詫びをすることがあります。前号で「保育園の先生が自閉症の子ど もを治したが・・・」という話を紹介しました。先生がそう思い込んでいたこ となのでそのままにしておきましたが,実は思い違いがあります。自閉症は今 では自閉的障害と呼ばれ,脳や遺伝子の障害だと考えられています。この障害 は今のところ治るものではなく,行動療法や薬などで個々に障害を少なくする 改善を図っています。自閉症は治るものという風にお伝えしたことになったこ とを深くお詫びいたします。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より) ●発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに)   「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear    ・・・・・・「掲示板」もご相談などにご利用下さい。・・・・・・ ●掲載記事の著作権は筆者に有り、筆者の許可なく複製・再配信等を行う  ことはできません。事前に下記アドレスまでメールのご一報を下さい。 ■《講演》のご依頼は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。 ※著者へのメッセージ: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ●配信の協力を頂いている発行支援システム ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/   登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/   登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/ ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/   登録・解除= http://melten.com/m/2166.html ◆よりすぐりメルマガサイト『めろんぱん』= http://www.melonpan.net/   登録・解除= http://www.melonpan.net/mag.php?005885 ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○