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「第 52-01 章」 |
『子育ちは 親は導き 子が決める』
■子育ち12疑問■
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『子育ち第1疑問』
【親が指導するが,子どもは干渉されるとは?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが版の構成となります。
第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきます。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えていきます。他の5つの視点についても,同様とします。
この版では,大人と子どものすれ違いを題材にして,「子育て」と「子育ち」という対照について考えてみようと思っています。
《指導》
指導とは,方向を指し示して導くことです。例えば,「廊下は走らないで静かに歩くようにしよう」。走り回る子どもは,叱られます。分からない子どもには,従わせる強制が必要になります。危険を回避するための特例です。ところで,スポーツクラブなどで,指導されたことがこなせないとき,体罰を与えることがあります。家庭での暮らしで,親のしつけに沿わない子どもが虐待を受けることがあります。指導ということの基本を勘違いしています。
指導は導くことであり,導きに沿うかどうかを決めるのは,子どもです。指導は,強制的に服従させる命令とは異質なものです。人は自分で考えて行動するものです。言われて行動するのは,言われないとしなくなります。指導は,他人に言われなくてももう一人の自分が自分を指導できるようになってほしいという働きかけです。自分のことは自分で決める,そのことを前提にすることが指導です。
《干渉》
子どもにしてほしくないことは禁止し,してほしいことは推奨し,言われなくても弁えることができる子どもになってほしいと,親や大人は子どもに向けて指導という働きかけをしています。指導に従わないと,「勝手にしなさい」と見放されたり,「先が思いやられる」と脅かされたりして,プレッシャーが掛かります。大人は強大ですから,指導に従わないときに発動されるかもしれない仕打ちは,子どもには怖いものです。強制を伴う指導は,子どもには干渉と受け止められます。
有無を言わさない命令,それは一方的であり,干渉でしかありません。干渉的関係は対等であることを否定します。したがって,大人は子どもを対等な相手とは認識しなくなります。子どもは独立した人格であるという認識が,もう一人の子どもの育ちを促すことになります。言うことを聞かないからと叱ったときに,涙ながらににらみ返してくる目の奥に,もう一人の子どもがいることに思いをはせましょう。指導とは,もう一人の子どもとの話し合いなのです。
「子育て羅針盤」第52版の始まりです。3か月間よろしくお付き合いください。
テレビやゲームが身近にある中で育った子ども世代の特徴として,「ケンカ早さ」があるそうです。いろんな事件の動機として,ちょっとしたことに「頭にきて」と語られることが多くなりました。ムカついたら凶行に走ってもいいという歯止めの無さが普通のことになっているという怖さがあります。耐えきれずにケンカになったということではなく,耐えることなくケンカに走るということです。そのような野放図を控える勇気は,父親が教え込むことなのですが,今,父親はどこに?
★落書き★
血液型は,オーストリアの医学者ラントシュタイナーによって1901年に発見されました。血清の凝集反応によって,A,B,Cの三つに分類しました。A型の抗原物質を持っている血液をA型,B型の抗原物質を持っている血液をB型,どちらも持っていないものをC型としていました。やがて,C型はどちらも持っていないということで0(ゼロ)型に転じました。文書に印刷されていく中で,0(ゼロ)がO(オー)に間違えられて,O型になりました。因みに,AB型は1902年に別の研究者によって発見されました。
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