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「第 53-04 章」 |
『子育ちは 至らぬ自分 許しつつ』
■子育ち12幸福■
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『子育ち第4幸福』
【他人を許すには,まずは自分を許すことが大事】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
この版では,子どもたちが幸せに向かって育っていくことを願って,タイトルとして「アランの幸福論」に語られている言葉を選択し,子育て羅針盤の視点で考えてみることにします。
《幸福であるために》
人のつながりの中で暮らしていると,自分の思い通りにならないことがあります。貧乏くじを引いているのではないかと思うこともあります。くじというのは当たるのは一人と決まっているので,自分だけとなります。しかし,連続して当たることはまず無いので,貧乏くじは順番に引くことになります。貧乏クジに当たって,当たらなかった人をうらやんだりしても,なんの役にも立ちません。今当たっておけば,後は楽勝と受け入れておけばいいのです。自分の不幸を許せば,人の幸運を許すことができて,恨まなくて済みます。
チームやグループで活動する場合,ミスをして足を引っ張る子どもがいると,その子がいるばっかりにという疎外感と共に,許せないという思いが湧いてくるものです。そのようなことで人を責める気持ちを持つことは,ほめられることではありません。だからといって,その気持ちを持たないように消去することは現実には無理でしょう。できることは,自分も同じミスをすることがあるという自分への洞察です。自分のミスは嫌だけど許さざるを得ません。自分への許しによってのみ,友達のミスを許すことができます。
《幸福になるために》
思い通りに育ってくれない子どもを許せないと思うと,つい乱暴をしたり,放り出したりしたくなります。子どもは親の思い通りに動くロボットではありません。親自身も,自分の思い通りに生きることができているはずはありません。誰もができない自分に直面し,諦め続けた結果が今の自分でしょう。例えれば,野球で3割バッターといえば優秀選手であり,2割程度が普通なのです。10割を目指しても実績は2,3割,そういう自分を許さなくては,子どもを許せなくなります。
誰とでも仲良くというプレッシャに押しつぶされて,子どもたちは人とのつながりに臆病になっています。付き合いの場面で,いつもいい顔ばかりはしていられません。疲れて不機嫌なときもあるでしょう。そういう友達の不機嫌さに触れてしまうと,付き合いが拒否されたと思い込んでいきます。付き合いはお互い様ですから,逆の場合もあります。こうして,常に仲良くするということができない自分をダメな自分と考えるようになります。離れていたいときもあるという自分を許せば,離れていようとする友達を許すことができます。
親子の対話に関する調査をすると,親は十分に対話をしていると思っていますが,子どもは対話をしていると思っていないという結果になります。つまり,親は思いっきり話しているが,子どもは話せていないということです。親は話して聞かせようとして,子どもは聞かされるだけという現状になります。「対話」という言葉から,互いに話すことが対話であると考えられています。相聞という言葉もあることを思い出せば,親子の相聞について調べる必要も出てきます。「対話相聞」という言葉を新しく意識したいですね。
★落書き★
豚肉を揚げたトンカツを食べると,高タンパクで体液が酸性に傾きます。これを中和させるのがアルカリ性食品です。トンカツにはたいていキャベツの千切りが添えられています。子どもはトンカツだけ食べようとして,お母さんに野菜もちゃんと食べなさいと叱られることでしょう。トンカツの酸性を中和させるのが,キャベツなのです。キャベツには胃腸の調子を調えるビタミンUが豊富に含まれているので,揚げ物と一緒に食べるのはよいことなのです。そのように教えてやってください。
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