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「第 54-10 章」 |
『子育ちは 自分を造る 喜びに』
■子育ち12活力■
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『子育ち第10活力』
【将来を設計できる:創造活動】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
この版では,「生きる力の育成を目指す教育内容・目標の構造」という提言の中で例示されている項目を参考にしつつ,子育て羅針盤の視点から考えてみることにします。
《将来を設計できる》
何となく過ごしている内に,中・高3年生になると,周りから「こんな成績では高校・大学に行けない!」と叱咤激励され,追い詰められることになります。それはやがて,自分で自分を追い詰めるように反転してきます。焦れば焦るだけ手につかなくなり,立ち往生することになります。先を考えて,ダメ,コーセヨと責め立てるのは後回しにして,まず守ってやり,安心させることです。物事は連続しているので,ステップを踏んで進みます。目の前の一歩を踏み出す,それが明日の可能性を設計することになります。
孤立している子どもがいます。友達がいないという意味ではありません。子どもが自己中心的であるということです。自分だけは特別であり,自分の思うことは全部叶うべきである。周りの皆んな自分を祝福し尊敬し可愛がり特別扱いをしてくれるのが当り前と思い込まされています。だから,思い通りにならないと気に入らない,怒ります。人は日々育っていくものですが,その育ちの道から外れて孤立して立ち止まっています。これでは将来に向かって自分を設計することはできません。与えすぎは子どもの将来を封鎖します。
《創造活動》
ドングリは本望を抱いています。ドングリは樫の木になりたい潜在力を持っているので,成長を実現したいと願っています。自己実現とは,精神的な潜在力が引き出されることであり,その報償として生きる喜びが与えられています。潜在力は善きものだから引き出す価値があると考えるのが,性善説です。潜在する可能性を引き出すためには,内なる声に耳を傾けなければなりません。季節が花を招き寄せるように,環境が整えば,潜在する力は解き放たれて,実現に向けて走り出します。それが生きる喜びです。
子どもの潜在力が外部の雑音にかき消されることもあります。そうならないために,しつけ,文化,教育の活動があります。豊かな土地でなければ種の潜在力が豊かな実りを創造することはあり得ないのです。何事かを成し遂げたときに,人は歓喜します。自らを創造するという潜在力を発揮したときに感じる喜び,それは機能快と呼ばれます。思い出してください。子どもは歩けるから歩きたい,そして歩き始めたときはとてもうれしそうに歩き回ります。その快感を経験するから,次の成長計画に意欲を移していきます。
心は言葉に導かれることがあります。いじめられていると思い詰めるとき,自分のことを,「絶対に嫌われている」,「誰も好きになってくれない」という断定的な言葉で包み込んでしまい,希望が閉ざされて辛くなり,死にたいという結論に向かうようになります。そこで,踏み止まるためには,「多分嫌われているかもしれない」と考え直すように言葉を換えてやります。そうすることで,人生観に柔軟さが出てきて,明るい気持ちが差し込んできます。断定的な否定(誰もいない)表現にとらわれて「もうだめだ」と絶望に到るのではなく,多分と書き換えると,柔軟性が生まれて,結論が変わっていきます。自分を好きでいてくれる人がいるかもしれない,その希望を失わせないことです。
★落書き★
冷却剤としてドライアイスを使うことがあります。白い煙が出てきます。ドライアイスは二酸化炭素を凍らせたものです。そこで白い煙はドライアイスが気化したもの,二酸化炭素の気体と思ってはいませんか。あの白い煙は空気中の水分がドライアイスに触れて冷えてできた霧状の氷です。触れても触っても水・氷ですから,危険ではありません。二酸化炭素が混じっていても,一酸化炭素ではないので,害はありません。白い煙から逃げなくても大丈夫です。
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