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「第 54-12 章」 |
『子育ちは できることから ボチボチと』
■子育ち12活力■
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『子育ち第12活力』
【計画を実践できる:学習評価】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
この版では,「生きる力の育成を目指す教育内容・目標の構造」という提言の中で例示されている項目を参考にしつつ,子育て羅針盤の視点から考えてみることにします。
《計画を実践できる》
何事か成功するためには,「誰にも出来ることで,誰もやろうとしないことをせよ」といわれます。やったら出来ることは多いのですが,やろうとしないだけというのが普通の状況です。例えば,かつて,「社長になるには,年間に3冊の原著(外国の書籍)を読め」といえば,「それ位のことならできる」と誰しも思うのだが,「未だかつてできたものはいない」という話がされていました。成功は実践がなければ得られないものです。野球の大打者は打率3割ですが,その背景には,誰でもできる凡打を7割という実績があるのです。
何かしら新しい節目を迎える時,こうしようという計画を立てます。今日から○年生といった節目の時です。ところが,大方の計画は,計画倒れになることが多いものです。その経験から計画を立てても無駄,と考えてはいけません。計画倒れに終わったのは,計画に固執するからです。計画はあくまで予想であり,刻々と変動する現状にあわせて修正をすることによって実現の路線に乗せることができます。物事より人の考え方が変らねばなりません。世の中は人の思い通にはいかないので,思いを合わせて実践を目指すのです。
《学習評価》
階段の段差が大きいと,子どもは難儀をします。身の丈に合った段差というものがあります。子どもの育ちでは,スモールステップと呼びます。それだったら,私にも出来ると思わせることです。例えば,嫌いなおかずがあるとき,少しだけならという形に条件を緩和してやります。食べられた(出来た)と自己認知を引き出すことが自信の入口です。新人へのガイダンスでは,「よく出来たねと声を掛け,何度も繰返し,ゆっくり気長に,易しい方法で,順序よく」というやり方で,背中を押してやります。
学校での学習支援としての試験の場合,問題には全員が解けるものを6割ほど出します。半分解くことができたら「解けた」と思わせられて,次に前進する意欲を持たせることができます。もしも,半分も解けなかったら,やる気を無くして停滞するどころか後退してしまいます。学習の評価というとき,難しい問題が解けたかという評価をしがちですが,そこはお楽しみに残しておいて,半分以上はできたとなるような評価の方法を採るべきです。ふるい落とす評価ではなく,持ち挙げる評価をする方が気持ちがいいものです。
カール・ヒルティの幸福論の中に,上手な仕事の助言があります。「何よりも肝心なのは,思い切ってやり始めることである。仕事の机に座って,心を仕事に向けるという決心が,結局一番難しいことなのだ。ことを伸ばさないこと,また体の調子や気の向かないことなどの口実をつけず,毎日一定の適当な時間を仕事に捧げることである」。仕事に限らずに,日々の生活活動すべてに当てはまります。人は動物,動いてこそ人です。座して考えているより,動いていてこそ考えが先に進むものです。
★落書き★
季節外れの話題ですが,夏バテをするのはどうしてでしょう。夏は大量に汗をかきます。運動しなくても日に2〜3リットルの汗が出ます。汗を蒸発させることによって体温を調節しています。ところで,汗を出すためにはエネルギーが必要で,その量は1000キロカロリー。これは,クロールで1時間泳いだときと同じエネルギー消費量です。これだけの消費をするのであれば,疲れるのも当然ですね。
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