*** 子育ち12章 ***
 

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「第 58-06 章」


『子育ちは 知恵送りする 言葉書き』


■子育ち12考察■

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『子育ち第6考察』

【過去・未来】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。

《過去・未来とは?》
 人は暮らしの中で言葉を使っています。言葉には書き言葉と話し言葉があります。書き言葉は読み言葉と対になって,文章を構成し,さまざまな媒体により,代表的なものが図書館に集約されます。書き言葉を使うのは過去ですが,それを読み言葉にするのは現在です。さらに,書き言葉を現在使っているなら,それを読み言葉にするのは未来です。書き言葉は,難なくタイムスリップをする能力を持っています。人の寿命を遙かに超えます。平安時代の源氏物語が現在も身近にあるのは,書き言葉を読み言葉に変換できるからです。

 書かれた文章は不変不滅です。読み言葉になるときに,読む時代の意味として伝わるので,多少の揺らぎは避けられませんが,本筋を逸脱することはありません。言葉を駆使する力を獲得して,人は知恵を継承・蓄積できるようになり,世代を重ねるごとに発展するという,知恵の膨張が起こりました。生活面では,時代と共に便利に安全になるという文明化が実現しました。知恵を生み出す思考は言葉に依存します。生き方という文化の成熟も,豊富に蓄積された言葉に紡がれた思想に導かれます。

 人が人生という時間を意識できるのは,言葉に過去形,現在形,未来形を作り上げたからです。過去・現在・未来を一つながりに思考できる力は,「○○した」という言葉遣いをすることで,過去を意識できるからです。「○○しようとしている」と語ることで,現在に続く未来を意識できます。つながりをベースに思考を進めると,物事の因果のつながりに気がつきます。こうしたからこうなっている,その見方が論理思考を産みだして,科学に結実していきました。はじめに言葉ありき,その発見は大きな知恵です。



 一人っ子政策を押しつけていた中国で,親が一人っ子であるという条件で二人目の子どもを産むことができるようになったようです。ところが,一人娘が,弟か妹を産むなら,私は自殺すると親を威かす例が出ているそうで,親は中絶したそうです。あるいは,あなたが一番という証文を書くなら,産んでいいということもあるそうです。私が一番という自己中が育成されて,小皇帝,小公王と呼ぶ言い方があるそうです。個人の幸せを求めることが自己中への権利ということでは,考え直すことも必要です。

★落書き★

 紙幣には肖像が印刷されています。富士山のような美しい風景でもいいのではと思いませんか。偽造の防止には肖像がよろしいということです。人はヒトの顔に対して非常に高度の識別能力を備えています。顔の少しの変化でも察知します。偽札の肖像が少しでもおかしいと,すぐに気付くというわけです。ところで,女性の肖像は英国の女王の他はあまりありません。紙幣に描く肖像の顔には,偽造防止のために,たくさんの細かい線が書き込まれています。この線がシワに見えてしまうので,女性を避けているそうです。


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