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「第 60-13 章」 |
『子育ちは みんなの中で 良く生きる』
■子育ち12明暗■
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『子育ち第13明暗』
【節度】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第60版では,私の育ちの項では良い選択を,私たちの育ちの項では悪い選択を考えてみます。
《節度とは?》
節度とは,「人に迷惑を掛けないように,自分がそうしたいと思う事でも,良識の許す程度に抑制すること」とあります。節度を弁えていないような大人が増えてきたように感じています。セクハラやモラハラといった人との関係に適切さを欠いた振る舞いは,節度を弁えていないと言われるべきものです。親しき仲にも礼儀ありという言葉もありました。親子の間に節度が働けば虐待はなくなり,教師と生徒の間に節度が働けば体罰や暴力はなくなります。モンスターペアレントも節度を失った親なのです。
節度は大人になって身につくものであり,子どもには育ちの目標になるアイテムです。節度を弁える大人になるように育ってほしいということです。そのためには,真似をするという育ちの基本に依れば,子どもの側にいる大人が節度ある振る舞いを見せてやらなければなりません。節度という意味は後から分かればいいので,真似をしていて知らないうちに身につくという子育てをしてやるべきです。良識の許す範囲という条件は,子どもの経験では対処することはできません。親の後ろ姿という形で経験を伝えてやってください。
節度は,人に迷惑を掛けないために大事な資質です。そこで,良識とはどういうことを指しているのかが想像できます。自分にとって良いことが,他の人にとって良いとは限りません。それは良いとは言えません。自分にも他の人にも良いことが,良いことなのです。自分が何かをしようとするとき,自分にとって良いことと思っているからですが,そこで一呼吸をおいて,他の人にとっても良いことであるのか考えるようにします。その気配りをできるようになれば,節度を弁える力が育っていくでしょう。
経済協力開発機構OECDの調査で,学校で生徒1人当たりのパソコン設置台数を増やした国ほど,成績が下落傾向にあることが分かったということです。パソコンを使う頻度が高い生徒は読解力が低いという結果も出ていて,教育現場でのICT(情報通信技術)の活用方法に課題が浮かび上がりました。数学についても応用力が下がっていました。パソコンは誰かがプログラムしたことしかできないという限界があり,決まったキーでしかインプットできないという操作の限界もあります。PCには応用力は必要ないのです。
この号で,子育て羅針盤第60版を終えます。次号からは,これまでと同じように第61版に移ります。スタイルの改変はしません。表と裏という形で進めてほしい形と止めてほしい形を交互に考えてみようと思っています。視点を逆転させることで,マンネリ化を回避しようという姑息な手段に過ぎません。ご笑覧ください。
★落書き★
子どもがお風呂からすっぽんぽんで上がってきます。もしかしたら・・・も? 素っ裸のことをすっぽんぽんと言っています。ところで,「ぽんぽん」とはお腹のことなのです。「ぽんぽん出していると,風邪を引きますよ」と腹掛けをしていましたね。ということは,すっぽんぽんとは「お腹の丸出し」なのです。パンツをはいていても,すっぽんぽんと言えることになります。だからどうという話ではないのですが,言葉の意味が連想(妄想?)を引き込んで曖昧になっていくという一例です。
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