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「第 61-09 章」 |
『子育ちは 明日を見つめる 願い懐き』
■子育ち12表裏■
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『子育ち第9表裏』
【願】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第61版では,私の育ちの項では表の選択を,私たちの育ちの項では裏の選択を考えてみます。
《願について考える?》
物事はいつもうまくは進みません。自分だけがどうしてこんな目にあうのかと思えてしまいます。そのときに,不首尾の原因を他者のせいにしたり,世間のあくどさに転化することがあるかもしれません。事実としてそうであったとしても,それは半分のことと思うこともできます。完全さを求めても詮無いことであり,半分は自分で修復できるはずと,努力を傾ける願いを見つけることができるはずです。苦しいときの神頼みという願い事は,最後の札にしておきます。
星に願いを,というディズニーの曲があります。1940年のディズニー映画『ピノキオ』の主題歌で,その年のアカデミー賞の歌曲賞を獲得しました。なんとなく星に願いを託すということではなく,独り密かに星を見つめ,胸に沸き立つ願いの実現を誓う,その一心不乱な決意が大事です。星という不変なものと自分の願いの不変さを重ね合わせる,その直向きさが願いの成就を可能にします。願いは叶えてもらうものではなく,自らが叶えようと精進することであると,子どもたちに伝えてやるべきです。
子どもに大人が尋ねることに,「大きくなったら,何になりたい?」という問があります。子どもの年齢に応じた夢が語られます。大人はその夢が必ずしもまっすぐにかなわないかもしれないと思っていても,「そうなったらいいね」と励まします。明日に向かって成長していくことこそが素晴らしい願いだからです。確かに具体的に目指す願いは自らを鼓舞する上で必要なことですが,明日の自分に向かうということ自体,それが生きる願いではないでしょうか。明日に向かって今日を精一杯に生きたいという願いが大事です。
叱ると怒るとは違うもの,とは分かっているはずですが,使い分けが難しいようです。つい怒ってしまいます。怒りを出し切る時間は4分半だそうです。怒りに火が付いたら,収まるまで4分半かかります。この間に相手がおとなしく聞いているならまだしも,一言でも反論めいたことを返したら,更に燃え上がってしまいます。子どもは剣幕に押されて黙っているでしょうから,4分半怒り続けて,くたびれることでしょう。その間に手や足を出さないようにすることは,親として厳守してください。
★落書き★
幼い子どもの舌がよく動かないために,話す言葉がはっきりしないと,かわいいと感じることがあります。いわゆる「呂律が回らない」といいます。そこで,呂律とは何でしょうか? 呂律は中国から伝わった音楽の音律のことで,りょりつと発音します。呂は12音階の各音を陽性と陰性に分けたものの中で陰性のもの,陽性のものを律といいます。呂と律の組み合わせで曲が構成され,呂律は音楽の旋律の意味になりました。ものを言うときの調子という意味にもなっていき,ろれつと音も変化しました。
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