「第　65-10　章」 『子育ちは　言われたことに　意味見つけ』 ■子育ち１２進路■ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 『子育ち第10進路』 【どんな忠告も受け入れよう】 《まえがき》 　この子育て羅針盤では，子どもの育ちを６つの視点と２つの領域から理解することを目指しています。６つの視点とは，誰が育つのか，どこで育つのか，いつ育つのか，何が育つのか，なぜ育つのか，どのように育つのかという問に沿うものです。また，２つの領域とは，自分自身の育ち（私の育ち）と他者と関わる自分の育ち（私たちの育ち）という育ちの領域を想定しています。６つの視点にそれぞれ２つの領域を重ねると，１２の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。 　この第６５版では，数あるマーフィの言葉から，子どもの育ち１２の教則として独自に選び抜いたものを，子育て羅針盤風にお伝えするつもりです。 《どんな忠告も受け入れよう？》 　育ちとは，明日にはよくなっていくことを目指すものです。ところで，そのよくなるということがどういうことかを自覚しなければ，目指しようがありません。こうなりたい，あのようになりたい，それが分かれば今日すべきことが明らかになります。よくなることは自分ひとりで見つけることは難しいものです。自分の知恵には限りがあるからです。先輩や友人や親や大人の知恵を借りるのが何よりです。自分に向かって言われる忠告には耳を傾けた方がいいのです。 　自分を知るのは，もう一人の自分です。ところで，周りに知られている自分を，もう一人の自分は知っているとは言えません。自分の気持ちが他者に伝わらないという経験をすることは，もう一人の自分が自分をよく理解していないということです。人が自分に向けて忠告として言ってくれることは，見られている自分と見えている自分の違いを教えてくれています。自分が周りにちゃんと伝わっていれば，社会的な自分が迷うことにはならないはずです。 　忠告には，善意を装って語り手の欲が紛れ込んでいることがあります。何らかの利害が絡む間柄では利用されてしまう恐れもあるので，注意する必要があります。自分にとってよいことであると思うことなら，目指してみてもいいでしょう。人にはお互いに欲があることを想定して，折角言ってくれる忠告をそれなりに受け入れるのも，人として大きな人になっていく道になるはずです。身近の信頼できる人からの忠告に従うのは，信頼を身につけていく育ちになるはずです。 　授業でノートを取る方法が変わってきました。ブラインドタッチでキーボードを打ち込める者は，パソコンに記録していきます。アメリカのプリンストン大学とカリフォルニア大学の研究によって，パソコンで記録するよりも，手書きしてノートを取る方が頭に残りやすいことが科学的に証明されました。パソコンは文字を機械的に打ち込んでいるだけですが，手書きでは遅い分自分の言葉で短くまとめてノートをします。自分なりに内容を考えるという行為をしているので，頭に入りやすいのです。 ★落書き★ 　「悪い」の日本語の語源は「ワル（割る・破る）」にあります。割れたもの壊れたものは，完全なものに比べてヨクナイというのが「悪い」のです。つまり，不十分なもの，不完全なものはよくないという意識が，ワルイの語源です。中国語源の「悪」は，亜（墓室を上から見た象形）に心を加えた文字です。そこで，「墓の前の忌まわしい気持ちを悪いとした」のが語源ということです。ところで，子どもには，良いと悪いの間にどちらでも無い状況があると教えてください。良くも悪くも無いことです。