「第　65-12　章」 『子育ちは　良いこと目指し　まっしぐら』 ■子育ち１２進路■ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 『子育ち第12進路』 【何にでも良い面を認めよう】 《まえがき》 　この子育て羅針盤では，子どもの育ちを６つの視点と２つの領域から理解することを目指しています。６つの視点とは，誰が育つのか，どこで育つのか，いつ育つのか，何が育つのか，なぜ育つのか，どのように育つのかという問に沿うものです。また，２つの領域とは，自分自身の育ち（私の育ち）と他者と関わる自分の育ち（私たちの育ち）という育ちの領域を想定しています。６つの視点にそれぞれ２つの領域を重ねると，１２の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。 　この第６５版では，数あるマーフィの言葉から，子どもの育ち１２の教則として独自に選び抜いたものを，子育て羅針盤風にお伝えするつもりです。 《何にでも良い面を認めよう？》 　物事には２面性があります。メリットとデメリットとか，得と損とか，長所と短所とか，それぞれの価値観に照らして，診断が下されます。物事の悪い面に気持ちを向けると，どうしても遠慮したくなるものです。育ち盛りの子どもにとって，たくさんのことが未知との遭遇になります。関わることが自分にとってどんな結果をもたらすのか分からない不安があります。そのとき，容易に見える悪い面があっても，見えにくい良い面を見ようとする意図が，後悔のない選択につながっていくものです。 　ここ一番という場面に向き合うことがあります。入学試験の際，落ちたら道が閉ざされると思うと，萎縮して力が発揮されません。合格したらできることがあると開かれた道を思うと，存分に力が発揮されます。良いものを求めるとき，人は力を外に向けるものです。悪いものに向かうとき，人は守りのために力を内向きにして，縮こまります。笑う門に福来たるというのも，良いことを考えて心が開いているから，通り過ぎようとする福を掴むことができるのです。 　人と人との関係に限っても，お互いの良い面を認めようとすれば，和やかで豊かで信頼できる触れ合いが育まれます。悪い面を探していると悪い面が見えて，信用できなくなって，関係を結ぶことができなくなります。誰しも悪い面を持ち合わせているものですが，良い面を認め合おうとする人には，良い面で向き合おうとするものです。単純に良いと思い込むのではなく，良い面を認めようとする緊張感が大事です。まずは，人の良い面を探し，自分の中に植え込んでいける育ちを促したいものです。 　プラトンが語っています。「教育とは，視力を外から植えつける技術ではなくて，視力は初めから持っているけれども，ただその向きが正しくなくて，見なければならぬ方向を見ていないから，その点を直すように工夫する技術なのだ」。目の付け所が違うという言い方があります。普段は，見ていて見えていないことがたくさんあります。物事の本質を見届ける視点を学ぶことが必要です。それは，算数の応用問題を解く場面でも学んでいるのですが・・・。 ★落書き★ 　クリスマスや大晦日が，迫ってきて，何となく追い立てられているような感じです。うきうきしているのは，子どもたちだけでしょうか？　ところで，月の終わりをミソカと言います。三がミ，十はソ，日はカ。三十日を大和言葉で読むとミソカになるのです。ミソカを漢字で書くと晦日です。晦は「日＋毎（暗い）」，日が落ちて月の出ない闇夜で，これを日本語のミソカに当てたのだそうです。大和言葉というものがあったことを，思い出すきっかけにしてください。