*** 子育ち12章 ***
 

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「第 66-05 章」


『子育ちは 細かな日々の 積み重ね』


■子育ち12活動■

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『子育ち第5活動』

【細部への関心を持ち続ける】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第66版では,子どもの育ち12の活動として独自に選び抜いたものを,子育て羅針盤としてお伝えします。

《細部への関心を持ち続ける?》
 おおざっぱに振る舞っていると,何かが足りずに,失敗を招きます。よく出会うことは,最後の詰めが甘いという場合です。部屋の出入りに扉をちゃんと閉めない,水道の締めが甘くポタポタ水を垂れ流す,玄関で靴を脱ぎっぱなし,ものは使いっぱなし,後片付け一般ができないことなどです。細部は大きさは細かいのですが,重要さは大きいものがあります。他には,試験で間違えたところ,その小さな細部を大事にすくい取ってこそ,学びが大きく前進するのです。

 子どもはどうでもいいことに関心を持ちます。どうして,なぜと問われたとき,答えに窮することもあります。大事なことですが,大人はそういうものと逃げていることに気付かされます。降ってくる雨という水は,どこから流れてくるの? どうして鳥には手がないの? なぜ学校に行かなければならないの? そんなことはどうでもいいでしょ! 関心を持つことが知恵をつかまえる手段なのに,それを否定されたら,学びを閉ざされることになります。答を急がず,問をたくさん持たせてください。

 リンゴの皮を剥くにはナイフを使えばいいと知っています。知っていても,ナイフでリンゴの皮を剥くことはできません。実際にしてみて,持ち方動かし方,力の入れ具合などのコツを掴まなければなりません。してみて分かること,その発見という細部が,物事の実現には不可欠です。机上の空論という状況は,実際上の重要な細部が欠けているからです。人との関係においても,友達の些細な涙に気がつくこともまた,大事になります。ところで,子どもの細かな表情の揺れに関心を持っていますか?



 もう一人の自分は,自分がどのように遇されているか,とても気にしています。先生がえこひいきして自分に目を掛けていないというようなことに敏感です。ちょっとした差に過剰に反応することがあります。先生がえこひいきしていると過剰に邪推するような関心の持ち方は,心を貧しくします。もう一人の自分には,他人の思いは分からないものというおおらかさも必要です。その上で,次のステップとして,細部を積み重ねて確かめていく慎重さが求められます。

★落書き★

 「利口」は,褒め言葉として「物わかりがよく,物覚えが良くて,かしこい」ことです。子どもに対してはオリコウサンなどと言います。ただ二面性もあり,悪意の言葉として「抜け目なく立ち回る」という意にも使います。中国の語源は「口の利き方が巧み」です。子どもが言葉を語ると口が利くことになり,もう一人の子どもが誕生することになります。どんな言葉が口から出てくるか,それが人としての品格になります。


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