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「第 67-11 章」 |
『子育ちは 失敗するから 進みゆく』
■子育ち12次元■
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『子育ち第11次元』
【私は弱みに向き合って育つ】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第67版では,子どもの育ちが目指していくべき12の次元について,短い文章にまとめたものをお伝えします。それぞれのお子さんに合わせて,応用して頂ければ幸いです。なお,マガジン最後にあるメール宛に感想などお寄せください。
《私は弱みに向き合って育つ?》
子育ちの第11次元は,どのような方法で育っていくのかという指標です。
眠っている可能性を引き出すために,スイッチを入れる必要があります。
スイッチを入れる,それはしてみるという体験をすることです。
育ちの原則として,したことがないことはできないということがあります。
知っているからできるつもりになっていても,いざとなればできません。
育ちは0からの出発であるということを親も子も忘れてはなりません。
もう一人の子どもは見聞きし言葉を覚え始めると,早熟な育ちをします。
口ではいっぱしのことを言えるようになりながら,することは未熟です。
できない自分に腹を立てるのは,思うだけのもう一人の子どもです。
こうしたいなと思うもう一人の自分が自分の可能性を引き出そうとします。
実際にやってみても失敗するとき,もう一人の自分は無知に気づきます。
知っていることが不完全だと反省すれば学習に向かっていきます。
失敗に直面して,どうしたらいいのだろうともう一人の自分は考えます。
同じことができている人を見て,ああすればいいのかと真似をします。
再挑戦することによって,自分の可能性を開いていくことができます。
危ない失敗はしないように先回りして保護してやらなければなりません。
小さな失敗は見逃してもう一人の子どもに任せるようにしてください。
しくじりをとがめたり取り上げたりしたら育ちが止まってしまいます。
若者の自殺,子どものいじめによる自殺が無くならないという現実に,厚生労働省は「SOSの出し方教育」を進めようとしています。子どもが追い詰められても,「助けて」と言えないという現実を変えようというのです。そこで考えておくべきことは,大人の側に「SOSの受け方教育」がなされることです。子どもが必死の思いでかすかに訴える声を聞き取ることができなければ,助けられないのです。「ちゃんと言いなさい」という前に,「ちゃんと聞きなさい」と。
★落書き★
子どもを送り出すお母さんが「行ってらっしゃい」と言いながら手を振ります。神社にお参りするとパンパンと柏手を打ちます。何かをし終えた時には締めで手を打ちます。これは神様を奮い立たせる「霊振り(たまふり)」のために行います。そこで,昔から日本人は出かける人に対しても,この霊振り信仰から,神様を招き寄せ加護を得ようと手や袖を振っていました。その習慣が今日まで続き,出かける人に手を振って安全を祈っているのです。決してバイバイと別れているのではありませんよ。
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