*** 子育ち12章 ***
 

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「第 69-01 章」


『子育ちは まずは自分を 育ち初め』


■子育ち12姿勢■

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『子育ち第1姿勢』

【自分らしく?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第69版では,「子育ち」が見せてくる姿勢を手がかりにお伝えしようと思っています。目に見える振る舞いや姿はそのシナリオがあるはずです。子どもがどのような事情を受け止めて育とうとしているか,考えてみましょう。正解はなくてそれぞれにあると思いますので,皆さん方も思い巡らしてみてください。

《自分らしく?》
 保護されている幼児期を少しずつ脱していくために,反抗をし始める時期があります。反抗という言葉に引きずられて,良くないことをしていると思われて,叱られたりします。場合によっては,しつけという意図で折檻され,虐待に至る不幸な事例も後を絶ちません。子どもの育ちの中で,なぜ,わざわざ反抗といったいけないことをする必要があるのでしょう。反抗期があるという事実は,何か意味があるのではないかと思いませんか?

 人が生きていく上で,最も大事な能力,権利といえるものは,自分のことは自分が決めるということです。人の指図するとおりに動いているだけなら,そこには自分はありません。自分の意思,自分のことを決めるもう一人の自分が誕生しようとすること,それが反抗に見えてしまいます。自己主張ということもできます。別の言い方をするなら,親離れという営みでもあります。反抗した子どもを親が叱るときに,涙を見せながら見返してくる目の奥にいるのが,もう一人の子どもなのです。

 人の思惑を気にしておどおどしているのは,もう一人の子どもが育ちそびれているせいです。自分はこう思う,こう考える,こうしたい,こうしてみたいなど,主張できると,自分らしく振る舞うことができます。もちろん,子どもの思慮分別は幼稚で危なっかしいものですが,まずは決めるという決断能力を育つチャンスを優先して,失敗や危険は親が引き受けたやってください。失敗するから親が指図する,それは子どもの育つ権利の侵害になります。もう一人の子どもを誕生させてください。



 学校での運動会や発表会の際に,ビデオやスマホを構えた親御さんが前の場所を占めて,撮影に夢中です。見えている画面には中心に子どもの姿があります。できるだけ,全体の様子を映しておいた方がいいのではと思います。大写しだけでは,様子が分かりませんので,後で見ても,あまり,意味が見えてきません。場面の中にいてこその記念写真なのです。それと,カメラの目ではなく,自分の目でその場にいる子どもを見ておいてやる,それが親の見守り目線です。

★落書き★

 秋の果物,カキもミカンもりんごも,熟れる前は緑色です。これはクロロフィル(葉緑素)が含まれているからです。やがて,気温が下がり日照時間が短くなると,クロロフィルは分解されて,カキやミカンでは元々あった黄色のカロチノイドやフラボノイドが目立つようになり,リンゴでは赤を発色するアントシアンが活躍します。それぞれが,自分らしい色を発色して成熟するということです。


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