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「第 70-07 章」 |
『子育ちは 知ることでなく できるよう』
■子育ち12目標■
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『子育ち第7目標』
【能力を発揮し実行できる子どもに?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第70版では,「子育ち」が目指すべき目標をシンプルに掲げて,確認していくことにします。毎日子どもたちがどこを目指して育っているのか,その育ちが偏っていないか,人として必要な育ちに欠けている部分がないか,その12の必須の目標を,再確認したいと思っていますので,お付き合いください。
《能力を発揮し実行できる子どもに?》
もう一人の子どもはできるようになりたいと願っています。その願いを実現できるチャンスを与え続けなければなりません。子どもが何かをしようとしているとき,なるべく気の済むまでやらせておきましょう。うまくいってもいかなくても,その動きに馴染むことで力の発揮の仕方を習得していきます。子どもの行動は全てが練習の一環なのです。練習できなければ,できるようになりたいという願いは出口を失います。
すればできると思うだけで実際にはしないことがあります。人がしているのを見て,どうすればいいかを知っている場合です。例えば,ボールを投げることは,野球選手の映像を見て知ることができます。でも実際に投げてみると,できません。形をまねることはできても,投げる能力にはなっていません。親の仕草をまねて,ままごとをしている子どもは,実際にしてみています。試すことによって,身体に分からせようとしています。したことがあるという実績が能力の獲得には大事です。
就職のときに書く履歴書の職歴は,経験してきたことの表明です。経験したことが実行できる能力とみなされています。さらには,一芸に秀でる者は多芸に通ずということわざがあります。育ちの場では,ことさら秀でる必要はありませんが,能力の育ちのプロセスは相通じるものがあるので,いろんなことができるようになっていきます。例えば,一つの学びで学び方のこつをつかめば,他分野に対しても応用が可能です。0から始めるではなく,1から始めることができます。
遠い海外の話ですが,イギリスで「孤独担当大臣」というポストが新設されたそうです。孤独に関する調査をすると,月に一度も友人や家族と会話をしない高齢者,身体障がい者の4人に1人は孤独を感じており,子どもを持つ親たちの4分の1が常に,もしくは,しばしば「孤独」を感じているということが分かったそうです。親が孤独になるということは,心配なことです。日本の親である皆さんはどうでしょう? 話を聞いてくれる人を近くで見つけてください。
★落書き★
せっかちなお母さんには,のんびりした子どもの行動は気になるものでしょう。ところで,せっかち? あせるという意味の「急く」に,〜しがちの「勝ち」が合わさった「急き勝ち」が「せっかち」に音変化したとする説が有力のようです。先を急いで気ぜわしいことや人をさす言葉です。子どもはわざとのんびりしているのではなく,能力が未熟な部分をなんとか育てようと努めているので,待ってやってください。待ってやればできるようになります。
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