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「第 71-06 章」 |
『子育ちは 言葉をつなぎ 知恵創る』
■子育ち12標準■
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『子育ち第6標準』
【概念を構築しよう?】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第71版では,「子育ち」が獲得しなければならない必須の項目を,確認していきます。日々健やかに育っている子どもたちは,人間として豊かな能力と感性を備えていくことが期待されています。育ちのエネルギーは絶え間なく吹き出しているので,導きを誤ると不都合な育ちに向かう恐れがあります。友だちをいじめて喜ぶような子どもに育ってほしくはないはずです。親も本人も後悔しないように,12の必須の標準を再確認していきましょう。
《概念を構築しよう?》
読み聞かせの場に座って,静かにお話に聞き入っています。語られる言葉をしっかりと組み立てて,頭の中にイメージを描き,そのイメージが場面として変化をしていきます。話の展開もさることながら,言葉が世界を創っていくことにワクワクしています。お母さんが絵本を読んでいると,読み飛ばしたところで,指摘されます。組み立てているパーツが欠けて,空白が開くからです。お話という全体の概念を作り上げてこそ,楽しむことができます。
パソコンやスマホなどの機器を使っていると,字を読むことはできるのですが,書くことができなくなります。読むのは全体の形を見ればいいのですが,書くためには一画ずつ組み立てなければなりません。物事を理解する,分かるためには分けることです。分析する,分解することで,何かがどうなっているのかを納得することができます。そのプロセスの逆,部分を寄せ集めて組み立てる,それが創造です。知恵といった概念は言葉という部品から構築されたものです。
親として,子どもが概念を構築することにどのように関わっていけばいいのでしょう。もう一人の子どもが言葉を沢山繋ぐことを楽しむように,親が子どもと文章の形で会話をすることです。最近の子どもは単語の世界に住んでいるので,脳のつながりが文章処理をしないでよい形に縮んでいるそうです。本を読んでも楽しくない,先生の説明を聞き入れることができない状況は,人としてもったいないことです。字を書く練習と同時に,言葉を繋いでお話にする練習をさせましょう。
ネットの世界に踏み込んでいると,知らない間に危ない状況に巻き込まれます。子どもが見よう見まねで自動車を運転するようなものです。ネット世界の怖さを,3つの言葉で覚えておいてください。開示した情報は取り消せないノーブレーキ。限定したつもりでも漏れ出てしまうノードア。見ず知らずの人も閲覧できるノーフェイス。ノーブレーキの自転車は怖くて乗れませんね。ノードアでは裸の状態で不安ですね。ノーフェイスでは顔がないので不気味ですね。
★落書き★
江戸時代,琵琶湖を越えるためには,船で渡る方法と歩くルートがありました。船に乗った方が時間は掛からなかったが,ときには比叡おろしの影響で,船が出ないことがあって,湖上で遭難する怖れもありました。そこから,急ぐときほど,危険な近道より遠回りでも安全な道を行く方が確実ということで,急がば回れということわざが生まれました。今では天気予報が発達したので,船で渡る方を安全に選ぶことができるようになりました。子育ては待って,子育ちに任せた方がよいようです。
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