*** 子育ち12章 ***
 

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「第 71-08 章」


『子育ちは 選んだ価値に 導かれ』


■子育ち12標準■

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『子育ち第8標準』

【価値を選択しよう?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第71版では,「子育ち」が獲得しなければならない必須の項目を,確認していきます。日々健やかに育っている子どもたちは,人間として豊かな能力と感性を備えていくことが期待されています。育ちのエネルギーは絶え間なく吹き出しているので,導きを誤ると不都合な育ちに向かう恐れがあります。友だちをいじめて喜ぶような子どもに育ってほしくはないはずです。親も本人も後悔しないように,12の必須の標準を再確認していきましょう。

《価値を選択しよう?》
 幼い姉妹が,大きくなったら何になりたいか,と尋ねられています。なぜそんなことを尋ねられるのかと疑問に感ずることもなく,素直に考え込んでいます。妹は「お菓子屋さん」と,うれしそうに答えます。「どうして?」と問われて,「だってお菓子がいっぱい食べられるから」。自分のためですね。姉はしばらく考えていましたが,「お医者さん」と答えます。「妹が熱を出して病院に行ったとき,治してくれたから。助けてあげられる」。人のつながりが意識されています。

 どういう人間になりたいかが,人としての価値の選択になります。お金持ちになって贅沢がしたいというなら,拝金という価値選択です。自分の欲望のために幼い子どもも餌食にするといった身勝手な悪なる価値観は撲滅すべきです。人は思いやりや優しさという善なる価値を体現するために刻苦精励しています。嘘をつかずに正直に,醜くならずに美しく,悪をくじき善をなすように,卑怯にならずに堂々と,それぞれの場面で,人としての選択が確実にできるようなもう一人の自分が育ちたいですね。

 親として,子どもが価値を選択することにどのように関わっていけばいいのでしょう。もう一人の子どもが価値の選択を正しくできるように,親が子どもの今持っている能力を望ましい方に向けさせることです。能力を人として発揮することができたとき,もう一人の子どもは自分を信頼し,他者とのつながりを尊重することを目指します。例えば,人に頼って待っている「ありがとう」ではなく,自分を頼って能力発揮できる「どうぞ」を言えるような状況に導いてやりましょう。



 2歳前後の幼児が何をするのにも嫌がる時期を「イヤイヤ期」というようです。その言い方を変えませんかという呼びかけがあっています。イヤイヤ期というのは,親の側の都合から発しているというのです。子どもの側から見れば,立派な成長であり,望ましいことなのだからということです。この羅針盤で登場している「もう一人の子ども」が誕生している時期が,イヤイヤ期であり,親にとっては第二の陣痛になっているのです。「自尊期」と言うべき時期なのです。

★落書き★

 小指の隣指は,中国では「無名指」と言われたため,日本でも昔は「名無し指」と言われていました。その後,薬を溶かしたり,身体につけたりするとき,主にこの指を使ったところから「薬指」と呼ぶようになったそうです。普段あまり使われないから,汚れていないという訳があったようです。昔の口紅を塗る指でもあったので「紅差し指」とも言ったようです。子どもの歌に「お姉さん指」というのがあるのでしょうか?


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